第10話前編 妹と打ち解けたら君が嫉妬して
前書き
ソリアの日記9
部屋に到着し真樹さんとサオリの自己紹介が済み一段落着く。無事に着いた。もう安心だ。
すっかり夜になり夕食を摂る運びになり真樹さんがキッチンへ向かう。
サオリも誘って一緒にキッチンへ行くと、良い匂いが鍋の中から立ち込めている。
林檎を美味しく頬張る。真樹さんに甘えつつ調理の様子を姉妹で見守る。
魚とごはんに目玉焼きにお肉・・・すごく健康的だ。肉もあるし精も付くし栄養もしっかり付くだろう。
料理が出来上がり皆で食卓へ運ぶ。テーブルを埋め尽くす程の品数だ。すぐに満腹になるだろう。
サオリはあたしの真樹さんに妙に甘えている。まだ二人は出会ってから時間が経っていないのに・・・渡してなるものですか!私は真樹さんを見つめながら甘える作戦を考える。
彼からアプローチしてくれた、嬉しいけどサオリもいるし恥ずかしくて少し口籠る。
勇気を振り絞りそのまま甘えようと決意する。
料理に負けないぐらい火照ってしまった。でもすごく幸せだ。最初は気が動転して味がわからなかったが今はすごく美味しい。
隣に座りさらに甘える。サオリも触発されたのかヒートアップしていく。真樹さんは誰にも渡さないんだから!私は気持ちに正直になり彼に抱き着く。さらに唇も重ねる。サオリに付け入る隙なんて与えない!ダンジョンから戻ったばかりで可哀そうなんて思えない。それとこれとは別なんだから!
真樹さんは優しくサオリにも食べさせてあげている。二人きりだったらあたしが全てを独占していたのに・・・十分に甘えたのでサオリにも楽しませてあげる事にした。姉として、いや・・・正妻としての余裕だ。
なんだかんだで楽しく3人で食事を済ませる。
会話の中でかなり焦ったが、あたしが一番愛されている事を確認できたので一安心だ。
食後は真樹さんのお家へ移動しお風呂に入って温める事になった。
姉妹揃って彼に甘え続ける。危険な冒険から無事に帰って来れたんだから、しっかり甘えておくべきだ。何も間違っていない。あたしは静かに頷く。お風呂が沸くまでの間甘い時間が3人を包み静かに時は流れていくのだった。
第10話前編 妹と打ち解けたら君が嫉妬して
無事帰路に着き、3人で休む。特にサオリの消耗が気になる。疲れている様子は無いからまだ寝かせなくても良いだろう。とりあえず簡単にサオリに自己紹介しようかな。
真樹「僕は真樹。今年で29歳になったよ。迷子になってしまった所をソリアに助けられてから一緒に暮らしてるんだ、仲良くしてね。」
咲桜里「サオリは今年で12歳になるよ、よろしくね真樹。料理が得意なんだってね?楽しみにしてるよ!」
ソリアに話を聞いたのだろう。ソリアとサオリの舌に合う料理が作れるだろうか・・・頑張って作ろう。
真樹「今日の夕食はシェフ真樹のお任せコースでも良いかな?」
想里愛「はい、真樹さんの夕食楽しみです~♪」
咲桜里「うん、美味しい料理作ってね!」
さーて、今日は何を作ろうかな?残った食材を確認する。まずは白米を研いで炊いておく。次はエノキと玉ねぎの細切りを鍋で温める。少し焼け目が付いたらみりんと味噌と少量の林檎のすりおろしを入れてよく煮込む。この林檎はダンジョンで頂いた林檎だ。匂いを嗅ぐ・・・陽に当たってないが、申し分の無い香りだ。(うましんぼの岡山顔)
真樹「林檎の切り身、毒見したけど美味しかったよ。ソリアとサオリも味見してみる?」
想里愛「あ・・・いただきます♪」
咲桜里「サオリにもあ~んして~♪」
二人の口に林檎の切り身を運ぶ。どちらもモグモグ可愛く食べている。微笑ましい光景だ。ソリアの頭を撫でる。サオリにも催促されたのでサオリの頭も撫でる。次に銀鮭をアルミホイルに入れてから煮込んだタレも入れて包む。あとは鍋に少量の水を入れて蒸せば美味しい包み焼きの銀鮭が完成する。
想里愛「わぁ、こんな調理法もあるんですね!初めて見ました♪」
咲桜里「お魚いい匂いする~♪」
真樹「きっと美味しくできてるよ、食べるのが楽しみだね♪」
次はフライパンで目玉焼きを作る。塩を少し振って味を付ける。時短の為に蓋をする。できるだけ半熟にして作った。目玉焼きはお皿に乗せてキャベツとミニトマトを添える。ミスジステーキも余ってたので塩焼きのミディアムにして3人分焼いた。味噌汁も作る。採ってきたキノコ、ワカメ、豆腐のひと口大、油揚げと長ネギの細切り、水を鍋に入れて具に火が通るまで温める。そして味噌を入れてよく溶かせば出来上がりだ。
真樹「出来上がったよ~♪」
想里愛「料理がいっぱいありますね!真樹さんすごいです~♪」
咲桜里「サオリは銀鮭が美味しそうだと思う~!」
さっそく食卓に料理を運んでいく。ソリアとサオリも料理を運ぶのを手伝ってくれている。みんな優しくて僕は嬉しくなる。すぐに食卓は料理でいっぱいになる。ちなみに今日の飲み物は蜜柑だ。
真樹・想里愛・咲桜里「いただきま~す♪」
三人揃って声を合わせる。さぁ食べよう。
真樹「銀鮭の包み焼きは開ける時、熱い空気が出てくるから気を付けてね。」
想里愛「そうですよね、気を付けないと・・・お箸で少しずつ開いてみます♪」
咲桜里「真樹おにーちゃん、サオリの包み焼きあけて~♪」
真樹「あ、今開けるね~。」
火傷したら大変だからね、ゆっくり丁寧にアルミホイルを開いていく。ソリアから視線を感じる。
想里愛の心の声「あたしも開けられないフリして、真樹さんに開けてもらえばよかったなぁ・・・。それよりサオリったらあんなにお兄ちゃ・・・真樹さんに甘えて・・・あたしだって甘えたいのに・・・!」
包み焼きの中は良い感じに熱が通っていて美味しそうだ。今日はひと口食べ合うのかな・・・?ソリアを見て視線が合う。よし、思い切って今日も食べ合いっこしちゃおう。
真樹「今日もソリアと食べ合いっこしたいな。」
想里愛「ぇっ!ぁぅぅ・・・た、食べ合いっこしましょう♪」
決心した顔のソリア。サオリがいるから躊躇してしまったのだろう。勇気を出して言ってよかった。いつもよりソリアの顔が赤い、自然と僕も赤くなる。
真樹「銀鮭からいくね♪」
想里愛「は、はい♪」
少し冷ましてから銀鮭をソリアの口へ運ぶ。ちょっと銀鮭になりたくなってきた。
想里愛「お魚の切り身が柔らかくて甘い味付けになっていて、とても美味しいです♪」
良かった、好評を頂いた。難しい料理でもないし、また今度作ろうかな。サオリも美味しそうにモグモグ食べている。
咲桜里「サオリにも食べさせて~♪」
真樹「うん、小さめにしておくね。」
サオリの隣に座り、ひと口食べさせてあげる。ソリアのモグモグも可愛いけどサオリのモグモグも悪くない。ベリーグッド。あれ、ソリアが僕の隣に移動している。姉妹に挟まれた形になる。
想里愛「ま、真樹さん。まだ全部の食材ひと口あ~んし終わってないですよ?♪」
そうだった、全ての食材を食べ合いっこしないとね。甘えてくれるソリア可愛い!
真樹「はい、あ~ん・・・♪」
ミスジステーキをソリアに食べさせようとする。パクっ。なんとサオリが小さい顔をひょこっと出して食べてしまった。
想里愛「ちょっと、サオリ~!」
咲桜里「ソリアおねーちゃんにだけかまってズルいよ、サオリにもかまって~!」
プンプンとご立腹のソリアも甘えたそうにしているサオリも可愛い。これは両方とも可愛がるしかないな。
真樹「ちゃんとサオリにもかまうよ~。」
咲桜里「おねーちゃんが食べ終わったらいっぱいかまってね?♪」
真樹「う、うん。」
ソリアの視線がつらい。しかし妹を放っておくわけにもいかないし・・・これが苦悩か。
想里愛「い、今はあたしが甘えるんだからっ!」
ソリアに抱きしめられる、これはたまらん。抱き受けて頭を撫でてあげる。サオリが頬を膨らませている。
真樹「じゃ、じゃあ残りの料理を食べさせちゃうね♪」
想里愛「は~い♪あ、その前に・・・」
突然僕の唇にソリアの唇が重なる。妹に見せつけるように長い時間唇が重なる。これはしゅごい。
想里愛「サオリ?真樹さんはサオリだけのお兄ちゃんじゃないんだからね?あたしと真樹さんは深い愛で結ばれてるんだからっ!」
咲桜里「むぅぅぅ~~~~!!!」
姉妹のバトルが白熱する中、僕はこれから起こるであろう姉妹による僕の奪い合いに心が落ち着かなかった。ヒートアップする事によるボディータッチの熾烈さも予想され、僕の僕も落ち着かなくなるのは時間の問題だろう。
想里愛「自分で食べるよりも、真樹さんに食べさせてもらったほうが料理が美味しいですぅ~♪」
真樹「良かったよー、いくらでも食べさせちゃうぞ♪」
すでに全ての料理を食べさせて、3巡目に入っている。
咲桜里「も、もういいでしょ!次はサオリの順番なんだからっ!」
なんとサオリが僕に横から抱きついてくる。
真樹「そうだね、サオリにも食べさせないと。」
想里愛「もう、サオリは甘えん坊なんだからっ。」
ソリアとのラブラブタイムを堪能しおわり、サオリにも料理を食べさせてあげる。待ちわびたような笑顔にときめいてしまう。ソリアも可愛いけどサオリも可愛いな。
咲桜里「えへへ、真樹おにーちゃんからサオリをナデナデしてくれた♪」
真樹「だいぶ待たせちゃったからね、いっぱい食べさせちゃうぞ♪」
ソリアは3巡分あ~んできた事で満足しているようだ。唇を重ねる以上のラブラブにはならないだろうし嫉妬されずに済むだろう。
咲桜里「ほんとだ、真樹おにーちゃんに食べさせてもらうと料理がすっごく美味しい♪」
ソリアの視線を定期的に感じる。ずっと放っておくわけにはいかないだろう。サオリも3巡分料理を食べさせてあげた。その後はみんなで和気藹々(わきあいあい)と夕食を楽しむ。片手ずつ使って二人の頭を撫でる。二人にもあ~んして食べさせてもらった。ここは天国です。
真樹「美味しかったね♪」
想里愛「そうですね♪大満足の夕食でした♪」
咲桜里「そうだね♪サオリこんなに楽しい夕食初めて♪」
僕がちょっと横になった隙に、二人が僕の広げた腕に横顔を乗せてくる。しゅごい、顔でも姉妹に挟まれている。どっちを向けば良いんだ。
想里愛「真樹さん♪」
咲桜里「おにいちゃん♪」
交互に呼ばれ阿修羅の如く顔を振る僕。首がヘルニアになりそうだけど幸せだ。ちゃっかり二人共僕の頬に唇を当ててくる。ありがとうございます。
真樹「ジュースおかわりする?♪」
想里愛「もうちょっとこうしてたいです♪」
咲桜里「サオリもこのままが良い♪」
その後20分程天国を満喫した。
真樹「ちょっと食器を片付けて来るね~。」
想里愛「あたしも手伝います♪」
咲桜里「サオリも手伝うよ♪」
3人で洗ったらあっという間に片付いた。とても助かる。ソリアもサオリも優しさに溢れてて良いな。
真樹「2人共優しくて好きだよ。」
あっ・・・つい口走ってしまった。
想里愛「ぁぅぅ・・・えっ!」
咲桜里「サオリも真樹おにーちゃん好き♪」
想里愛「で・・・でもあたしが一番好きなんですよね?♪」
真樹「もちろんソリアが一番好きだよ♪」
想里愛「良かった♪」
咲桜里「むぅぅ・・・そのうちサオリが一番になるんだからっ」
危ない危ない、危うく戦場に突入する所だった。さて、食器も洗い終わったしもうすぐお風呂に入ろうかな。
真樹「お風呂はどうしよっか?」
想里愛「うーん・・・3人で入ります?」
渋々な顔でソリアが言う。
咲桜里「サオリも3人でガマンしてあげる♪」
うん、3人で入る事に決まった。2人だと仲間外れが出てしまうから3人で良かった。決してソリアとサオリの生まれたての天使な姿を見たいからではない。今日は僕の家のお風呂に入ったほうが良いかな。精霊の人形を持ってくる。
真樹「サオリ、今から僕の家のお風呂に行くから一緒に来たいって祈ってね。」
咲桜里「うん、祈る♪真樹おにーちゃんの家行くの楽しみ♪」
想里愛「あたしも真樹さんの家で過ごすの楽しみです♪」
3人で祈る。僕の腕に二人の横顔を乗せたまま祈る。・・・無事僕の家に着いた。
真樹「お風呂すぐ沸かして来るね。」
想里愛「あたしとサオリはゆっくり待ってますね♪」
咲桜里「すぐ戻るよね?おにーちゃんすぐ帰って来てね?」
ソリアの笑顔も可愛いけど、寂しそうなサオリにもグッとくるものがある。普通にサオリも可愛い。二人を待たせてはいけない。すぐにお風呂の準備を済ませて二人の元へ戻る。
真樹「おまたせ~♪」
想里愛「真樹さんおかえりなさい♪」
咲桜里「おにーちゃんおかえり♪」
なんと二人共女の子座りして、膝枕いつでもОKな姿勢になっている。僕の自意識過剰なのか?
想里愛「真樹さん、こっちに来てください♪」
咲桜里「真樹おにーちゃんサオリのほうにおいで?♪」
僕は迷いに迷ったが妥協案を提案して10分交代で交互に膝枕させてもらう事にした。最初はソリアの膝枕に寝かせてもらう。
想里愛の心の声「ふふ、一番はやっぱりあたし・・・♪」
ソリアの逆ナデナデが嬉しい。たまに頬に唇を重ねてくれる。照れた笑顔がすごく眩しい。頬に唇が重なり、ギューしたいと言われてソリアの地球と最高に柔らかいふとももで顔が挟まれる。天国のサンドイッチや~。
真樹「ありがとうソリア、僕は嬉しいよ♪」
想里愛「あたしも毎日嬉しいですよ♪真樹さんのおかげです♪」
モフモフのサンドイッチ最高です。
咲桜里「次はあたしがおにーちゃんを枕してあげる番だよ♪」
スイっとサオリの手が僕の頭を包んでふとももの上に移動させてくれる。こちらも申し分のない柔らかさだ。見上げたところ、大地の恵みの成長も悪くない。いずれソリアと同じぐらいになるのではないだろうか。
咲桜里「料理のお礼や助けてもらったお礼いっぱいしてあげるね♪」
サオリの逆ナデナデと頬へのキスが始まった。すごくたまらないです。さすがにソリアのように思い切り挟まれるまではいかないけど、ギューされた時に大地の恵みと少し細めながらも柔らかいふとももに挟まれる。ここも天国や~。
咲桜里「真樹おにーちゃん安心した顔してるね、そんなにサオリの膝枕が好きなの?♪」
想里愛「あたしの膝枕の時のほうが安心してるもん!そうですよね、真樹さん?♪」
また阿修羅の如く二人に愛想笑いを振りまく僕。どちらの膝枕も最高だけど比べると甲乙付け難がたいな。
真樹「二人共優しくて良い匂いのする100点満点の膝枕だよ~♪」
想里愛「ほんとはあたしの枕の方が良いって真樹さんは思ってるんだからね?」
咲桜里「サオリのほうが真樹おにーちゃんニコニコしてるもん♪」
早沸きにし忘れたおかげで長い時間二人のふとももと甘い果実のサンドイッチを堪能できた。10分交代を3往復した時にやっとお風呂が沸いた。
真樹「あ、お風呂沸いたしみんなで入ろう~。」
後書き
精霊騎士隊 (凛梨花)リリカ観測隊の記録7
誰かが間に立っている。魔龍の攻撃は防ぎきれないだろう。犠牲者を増やしてしまった。
魔龍が膨大な魔量を孕んだ術式を高速で展開し頭上から凝縮された魔力の塊が私達の頭上に現れる。途端にその黒い球体に吸い込まれそうになり足に強化魔法を重点的に掛ける。
凛梨花「あの塊はブラックホールだ!吸い込まれたら二度と出てこれない!」
リレインスターが吹っ飛ばされているリスドールを含め味方全員に重力魔法をかけて耐えさせる。
このままじゃ攻撃も守備もない、全滅するぞ・・・!
精霊魔術会 (霧雨流星)リレインスターの報告書7
救いようのない事態に直面している。その場に踏みとどまるのが精一杯で手も足も出ない。
魔族はその光景を一瞥したが、その場に座り地図を広げている。街を襲う手筈を考えているのか・・・?もはや私達を脅威として認識していない。リスドールが前に出てペンダントを開く。
彼女が詠唱を始めると中身の鉱石は彼女に力を与え魔力を大幅に増幅させていく。文献で読んだ事があるが・・・あれが魔法石?しかしこの世界がはるか古の黎明期に脅威が訪れ危機に瀕した際、全て使い尽くし現存しないと聞いている。
やがて淡い水色の光が私達を包む。まるで晴れ渡った地上に居るかのように穏やかな暖かさで何者の干渉も受けていない。魔族が振り向き臨戦態勢に入るが青い光に反射された黒球は彼と彼の眷属の元へ還り激しく地を揺るがし先程の私達のような状態になる。魔龍が口を開け閃光を放つが球状の中へ取り込まれてさらに熱を帯びて膨張し悪化する。
霧雨流星「これ以上この場に居ては私達も危険だ!」
皆に伝え脱出する事が最優先課題となる。つまるところ対する彼女らをけん制しつつ、私が転移魔法を展開し合流すれば良い。しかし戦闘での消費を除いても転移魔法の展開には大量の魔力が必要だ。どうすれば良いのか・・・リスドールが口を開く。
(霊澄人形)リスドールの手記9
霊澄人形「このペンダントは両親が精霊信仰の街で買った貴石なの。使い方も教えてもらった。この石が共鳴するのは私だけなんだ・・・、だから私に転移魔法を教えて!」
リリアとリリカが魔族達の抑えに尽力する中、私はリレインスターに転移魔法を教わる。しかし彼女の残った魔力では実演はできない。基礎となる術式やイメージを教わり後は自身で発動させるしかない。私だって誇り高い精霊魔術会に所属する会員だ。このペースなら発動はできるが抑えがそこまで持つかにかかっている。精霊の恩恵の籠った反射魔法もそこまで持つかわからない。私は静かに瞑想しイメージを持ち魔法を構築していく。
霊澄人形「皆準備ができたよ!私の近くまで来て!」
(凛里愛)リリア精霊騎士隊の系譜5
魔龍の潜在的な能力が凄まじく奴の魔法一つで情勢がめまぐるしく変わる。
何を考えたのかまた黒球を浮かばせ二つの黒球が猛烈な勢いでぶつかり吸い込み合う。相殺させる気?
しかし意図した結果かは知らないが上空の二つは激しくぶつかりあった後に片方が全てを飲み込み先程の倍の力を得る。魔族は耐えきれず勢いよく吸い込まれていく。
アリキーノ「馬鹿野郎!!!全員ぶっ殺す!!!」
突如上空で彼女が爆発した・・・いや、何かを爆発させた!?
ブラックホールは消滅し彼女が降り立つ。どうやら防護服にある程度の魔力を込めて防御を固めた後に全ての魔力を解き放ったのだろう。完全に防御できた訳では無く彼女の足元はふらついている。
アリキーノ「っち・・・これじゃ分が悪いな・・・退かせてもらおう。」
魔龍がまだ暴れようとするが、彼女が制止すると大人しくなり傍に寄り添って行く。
魔龍に乗るとすぐに力強く羽ばたき閃光で地上までの道を切り開き見えなくなるまで高く飛んで行った。
リスドールは急いで術を覚えたのに意味が無くなったと愚痴をこぼし初めて場に笑いが訪れる。
そして淡い光に包まれて仲間達の元へ戻り仲間達を近くに固めリスドールがペンダントを開き静かに魔法を詠唱すると、その場を綺麗なアクアマリンのような水色が優しく温かく包み万年樹の空洞の入り口まで転移する事ができた。
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