第5話 入浴を楽しんだら温もりの中へ



前書き


ソリアの日記4


2階のテラスで真樹さんと夕食をとる。

森の樹々の中に夕陽が沈むのを二人で眺める。

もし虹色の花を見つけたらあたしは何を願うのだろう?

真樹さんなら何を願うのだろう?

真樹さんに頭を優しく撫でてもらいながら、あたしはそう考える。

あたしはこの幸せがより強くなるように願いたい。

庭の樽から湯気が見えてきた。

もう少し小さい樽のほうが真樹さんと近くなれて良いのにな…。

さっそくお風呂に誘い、タオルの代わりの「水着」をもらう。

見た感じ背中に巻いて付けるのかな…?

でもチャンスだ、初めてなのを口実に手を繋ぎ引き止めて真樹さんに付けてもらう事にした。

真樹さんの前で着替えるのは2回目だけど、あたしの胸の高鳴りは2倍を超えている。

水着を女の子に付けるのは初めての様で付けるのに時間がかかるようだ。

あたしが初めての相手だと理解り嬉しくなる。

あたしが前を向いて真樹さんが水着を付ける。

恥ずかしくてくすぐったくて、真樹さんに胸の鼓動が伝わるぐらいドキドキした。

この薄着で真樹さんと寝る事になる。

寒いフリをして抱き付く口実は作れたが、実行する勇気が足りていない。

チャンスは毎日あるし、そんなに焦らなくても良いのかもしれない。

残りの水着を生着替えして真樹さんを誘惑しつつ、お風呂へ向かう。

誘惑の返事は言葉で誠実に返してもらえた。

あたしも真樹さんが大好きだ。

真樹さんが湯船よりも暖かくあたしを包んでくれる。

あたしの気持ちを真樹さんにもっと伝えたい!

大好きどうしなんだから、良いよね…?

あたしの胸の高鳴りを伝え、これからもずっと二人で過ごす約束をする。

嬉しすぎて心がはちきれそうだ。

気持ちも身体もどんどん熱くなり、暖かい大きな手に胸を包まれて幸せで気持ちも良くなる。

気が付くとのぼせてしまい、真樹さんに介抱してもらう。

良いところに水を差したと思ったけど、純粋に心配してくれてますます大好きになる。

休んで落ち着いて美味しい苺を食べて、話すだけで幸せを感じて真樹さんに背中を預けて甘える。

真樹さんに抱きしめてもらったまま次のデートも決まり、あたしはさらに甘える。

前から抱いてくれて、そのまま布団に連れていってもらう。

唇が重なりそうな距離が緊張するけど、それ以上に嬉しい。

あたしは積極的に真樹さんを口説いて、真樹さんもその気になってくれた。

そして念願の甘い一時を味わう。これから毎朝と毎夜あたしを愛してくれるので、楽しみで仕方ない。

あたしは遠慮なく抱き付いて、眠たくなるまで真樹さんに愛を伝えラブラブな甘い夜を過ごす事ができた。




第5話 入浴を楽しんだら温もりの中へ


ソリアと夕食を食べながら今日の話をする。あの大きさの樹は滅多に見ないらしい。あの樹が万年樹なのだろう。山桜の近くには危険なモンスターは出現していないそうだ。こちらから攻撃を仕掛けなければ襲ってこないモンスターと、積極的に襲ってくるモンスターに分かれるという。危険なモンスターは後者だ。


真樹「そうなんだ、外に出てる時は気を付けないとね。」


想里愛「そうですね、気を付けて移動しないといけませんね。」


やはりここは異世界。素敵な世界であると同時に危険な世界でもあるのだ。いまさらだがひとつ気になった事を聞く。


真樹「そういえば僕とソリアの言葉が通じ合っていたけど、魔法か何かのおかげなのかな?」


想里愛「あ、それはですね。虹色の花を見つけた1人目が、異国の恋人の為に言葉が通じるよう願いを込めたそうです。自分の事じゃなくて相手の為に願いを込めるなんて・・・素敵ですよね。そのおかげであたしたちも・・・♪」


ソリアは恋する乙女の顔をしている。うん、話も素敵だけどソリアはもっと素敵だ。


真樹「そうだね、素敵だね。お願いした人のおかげで僕たちもこうして過ごせてるし・・・良かった♪」


いっぱいソリアの頭を撫でる。えへへと喜んでくれている。話しているうちに庭に用意した樽のお風呂が沸いたようだ。庭にはあまり虫も入って来ないので良い場所を見つけたと思っている。ソリアも庭から湯気が出てるのが見えたようだ。


想里愛「お風呂・・・一緒に行こっ?♪」


上目遣いで可愛い仕草や声で話すソリア・・・たまらない。スマホで録画しておきたいぐらいだ。(んほぉっぉぉっぉぉぉっぉ、しゅごいぃぃっぃっぃぃぃぃ。)←真樹まさきの中の人の声

おや何か幻聴が聞こえたが・・・気のせいだろう。一緒に行こうと返事をしつつ、ソリアの頭を撫でるのはしっかり継続する。


想里愛「・・・今日は・・・どうします?」


きっと着替えの場所と、タオルを着るか着ないかの話だろう。


真樹「僕は部屋の外で着替えるね、ソリアは中で・・・あっ、今日はお風呂でも着れる水着を持ってきたよ。」


想里愛「わぁ、素敵な苺柄・・・水着って言うんですね。あたしに似合うと良いな。」


真樹「きっとソリアに似合うよ。じゃあ・・・え?」


外へ出ようとするとソリアに手を握られる。え、どうしたのかな?手が柔らかくて温かい、ドキドキ・・・


想里愛「あ・・・水着の付け方がわからないので・・・教えてくださいっ♪」


真樹「あ、そうだよね・・・ま、任せてっ!」


動揺を隠しつつ、ソリアの着替えを手伝う事にした。背中だが、ソリアが服を脱いでいく現場を見れてしまった。これはしゅごい。ラッキースケベってレベルじゃないぞ。


真樹「えっとね、上の水着はこのホックを背中に回して固定して着るんだよ。でもその前に、前の方を合わせないと・・・」


想里愛「あ・・・つ、続けてください。最初は見て覚えようかなって・・・」


真樹「う、うん・・・こ、こうかな・・・」


想里愛「あ、んぅ・・・」


しばらく悪戦苦闘・・・いや、至福の一時を味わうのだが、背中からだとどうしても前がピッタリと合わないようだ。水着の布越しとはいえ、全てを包み込むような柔らかさと大豊作の大地の実りを感じる。僕の理性と本能が戦う中その比率は全体を1とすると、理性が1‰(パーミル)本能が999‰になっていた。


真樹「どうしよ・・・背中からだとうまく合わせられないみたい・・・」


想里愛「じゃ、じゃあこれなら・・・」


手でペタリと前を隠してからこちらを振り向くソリア。その小さい手では雄大な大山脈は、ほんの一部しか隠せていない。


真樹「あ、ありがとう・・・じゃあ、つ、付けるね・・・」


想里愛「はぃ・・・。」


恥ずかしさの為か俯いたまま返事をするソリア。この状態なら間違いなく見放題で触り放題だ。しかしソリアを裏切るわけにはいかない。ここまで心を許してくれている相手に・・・水着を付けるという大義名分があろうとも・・・指や視界に山頂を修めさせるわけにはいかないのだ。しかし山頂の位置を正確に把握するのは難しい。うまくいくだろうか・・・僕は葛藤しつつ、数秒間自分の右手を左手で抑える。よし大丈夫だ。少し当たってしまうのは仕方が無い。


ソリアの手をうまく使って、山頂と大地の恵みを隠しながら水着を付けていく。水着が途中でズレてしまわないように、しっかり合わせる。その過程でどうしても柔らかい感触を手のひらで確かめる必要がある。しゅごい柔らかい・・・じゃなかった、うんズレてないな・・・。だいぶ時間がかかったがなんとか両方合わせた。時折ソリアの抑えきれずに小さく漏れる甘い声が聞こえてきていたが、集中力を切らさずにうまくこなした。


想里愛「んぅ・・・ぁっ・・・、ピッタリ合いました・・・ね。」


真樹「うん、じゃあ後ろのホック付けるね・・・キツくないかな?」


想里愛「後ろもピッタリです・・・可愛い水着を着れてよかったです♪」


真樹「すごく似合ってるよ♪毎日見ていたいぐらいソリア可愛いよ♪」


想里愛「えへへ、真樹さんが良ければ毎日部屋の中でも着ますよ?♪」


真樹「やった、寒くなかったら・・・寝るときも水着で過ごす?♪」


想里愛「布団の中は暖かいし・・・水着でも一緒に入れば温まって良いですね♪」


精霊にお願いする時を除けば、これが二人の初めての共同作業だといえる。無事水着を付け終え、えへへと二人で微笑み合う。


ビキニの水着の下は僕が目を閉じてる間に着替えた。次は後ろ姿なら見ても良いと言われた。少し際どいセリフが飛び交っている気もするが、多少恥ずかしくても互いにそうしたいという気持ちの方が大きいのだろう。二人で手を繋いで庭においてある樽たるの湯船まで移動する。


真樹「入浴剤が無くても・・・水が良いからかな、良い匂いがするね。」


想里愛「そうですね、温度もちょうど良いですね♪」


温度は充分だったので、僕は少し薪を減らし火力を下げる。よし、入ろう!ソリアと一緒に入っていく。周りの風景も自然がいっぱいでとても良い気分だ。


想里愛「温まりますね♪真樹さんと一緒にお風呂入るの好きです♪」


真樹「僕もソリアと一緒にお風呂入るの好きだよ、お風呂じゃなくても大好きだよ♪」


湯船の中でソリアをギュッと抱きしめる。あたしも大好きですと答えて、えへへと喜んでくれている。良かった。僕の家でのお風呂も悪くないが、こちらは露天風呂に入ってるようで気持ちが良い。


想里愛「あたしすごくドキドキしてます・・・真樹さんは利き手はどちらですか?」


真樹「そうだよね、僕もだよ・・・左手だよ~」


想里愛「じゃあ少しお借りしますね・・・」


ピトッ。え???一体何が起こったんだ。手のひらで感触を確かめる。こ、これは・・・この山のふもとまで指先が届かない感触は・・・!!


想里愛「あっんっ・・・ドキドキしてるの・・・わかりますか?」


しゅごい。赤い顔でソリアに見つめられる。某CMを思い出す。わかーるわかるよ君の気持ち・・・はっ!危ない一瞬意識が飛んでいた。視線をソリアに戻す。お湯の中だから少しわかりにくいが、確かに大地の恵みから伝わる鼓動を感じる。ドキドキしているのがわかる。


真樹「わかるよ・・・ドキドキ・・・してるね。」


想里愛「はい・・・これからもずっと・・・あたしをドキドキさせてください♪」


真樹「うん・・・ずーーっと一緒にドキドキしようね♪」


ゆっくり手を大山脈から離陸させる。手の甲に水着の感触が伝わる。あっ・・・(察し)

水中ということも手伝い、いつもよりものすごく柔らかく温かかった。僕は一生この感覚を忘れないと心に誓った。

想里愛の心の声「まだ離さなくても良いのに・・・でもそんな可愛い真樹さんも好き・・・♪・・・今日はもう少し頑張っちゃおうかな・・・えいっ!!」


想里愛「も・・・もう少しだけ・・・あたしのドキドキ・・・お、覚えておいてください。」


!?!?!?なんと、また手が大地の恵みへ着陸する。しゅごい、しゅごしゅぎる。僕は悪くない×無量大数・・・・・・うん、これは夢じゃないな。紛れなく現実だ。受け止めよう。どうする、どう会話を繋げる?いや、もう別の場所を繋げるべきか?また思考が混乱する中、なんとか理性を呼び戻す。


真樹「あ・・・うん・・・これだけ大きくて柔らかいのは・・・健康な食生活と適度な睡眠で・・・ソリアの生活が規則正しいからだね・・・ソリアは偉いねっ」


あれ、僕は何を言っているんだ?よくわからないけど返事はしたから良いよね?


想里愛「そ、そうだったんですね・・・あたしが真樹さんに気に入られたみたいで・・・良かったです・・・」


秋の豊作の為にゆっくりと大地を耕すように、僕は指先でその大山脈を優しく解きほぐす。ここまでされて、何もしないのも悪いし・・・うん、これが正しいんだよね?僕もソリアもすごい真っ赤だ。その赤さは林檎のそれを超え、その大きさも林檎では当然足りない。感触を確かめて改めて理解わかったけど普通にメロンサイズはあるぞ。うーん、下手すると体育館のソフトボールは・・・。解きほぐしながら大きさを考え続ける。


想里愛「ぁっ・・・はぁはぁ・・・恥ずかしいけど・・・とても気に入ってくれて・・・嬉しいです。」


はっ!無我夢中で耕してしまった。


真樹「ご、ごめんね・・・触りすぎちゃったよね・・・?」


想里愛「だ、大丈夫です・・・真樹さんの想いがしっかり・・・あたしに伝わりました♪」


ソリアがフラッとよろめく。いけない、のぼせてしまっている。咄嗟にソリアを抱きしめる。怪我しなくて良かった・・・。


想里愛の心の声「あ・・・しっかりあたしを守ってくれてる・・・嬉しい・・・」


真樹「しっかり温まったし・・・少し休んでから部屋に戻ろう。」


想里愛「そうですね・・・体も心も温まり・・・ました♪」


湯船を出て二人で座って休む。・・・うん、心配だったけど一時的にのぼせてしまっただけの様だ。しっかり休んだ後、二人で部屋に戻っていく。


想里愛「さっきはすみません、落ち着いてきたんで、もう大丈夫ですよ♪」


真樹「良くなってよかった♪そうだ、お昼にソリアが採集していた野苺を持ってくるよ。」


想里愛「良いですね、甘くて美味しいんですよ♪」


話しながら、苺のタオルでソリアの体をふいてあげる。体調を崩さないよう気を使う僕。まあこのぐらい当たり前か。タオル越しでも良い感触が僕の手に伝わる。次はもっと薄いタオルを用意しよう。その後、二人で山桜の帰り道に採集した野苺を水洗いしてから食べる。とても美味しい。味も香りも深みがあり大きさもある。


真樹「お風呂も満開の桜も良かったね♪」


想里愛「そうですね♪花と言えば…帰った時にも少し話したんですけど、あたしの世界には素敵な花があるそうです。」


真樹「そうなんだ~、どんな花なの?」


想里愛「虹色の花です。葉も花びらも虹色に輝いている花で、今までに3度見つかってます。発見者の話通りなら…一度だけ願いが叶うそうです。」


真樹「そうなんだ、僕は今のままで幸せだし…新しく願う必要はないかな。」


想里愛「真樹さん…♪あたしも今のままで幸せです♪」


野苺を食べ終えて、ソリアが僕の前で座って僕に背中を預ける。甘えてくれているんだ…そうわかり、そのままギュッと抱きしめる。ソリアの温もりを感じる…ずっとこうしてたい。


想里愛「えへへ…あったかいですね♪」


真樹「うん…このまま話そう?♪」


想里愛「はい…♪」


抱きしめたまま話をする。明日は僕の世界でドライブする事になった。雑貨屋のぬいぐるみを見てみたいそうなので、デパートに行く事に決めた。


想里愛「あの、真樹さん…」


緊張した声だ。返事をしながら頭を撫で続ける。少しの間を置いてから声が続く。


想里愛「…ま、前から…ギュッてして…欲しいです…」


ソリアが前をむき、僕を見つめる。緊張している。僕はにっこり微笑んで頭を撫でてソリアに言う。


真樹「大丈夫だよ…ずっとソリアのこと…大切にするから。」


想里愛「…はい♪」


安心してくれたみたいだ。背中に手をまわしてくれている。前からギュッと…優しく抱きしめる。華奢な体を壊さないように優しく…。


想里愛「もう少し強くしても…良いですよ♪」


真樹「ありがと…甘えてくれて嬉しいな♪」


想里愛「んぅ…♪えへへ、あたしも嬉しいです♪」


ソリアの顔がすぐ近くにある。見つめ合ったり、えへへと二人で照れたりする。恥ずかしさはあるが、喜びのほうが大きい。ちなみに別の意味でも大きいモノが2つ当たっている。後ろから抱きしめた時はunderboob(ネイティブな発音)が手に当たっていたが、いまはその比ではない。これはしゅごい。この大きさはそう、僕のソリアへの想いと比例しているに違いない。そしてまたソリアに見つめられて…


想里愛「真樹さん…このままお布団はいろ?♪」


真樹「うん♪」


たまに口調をくだいて甘えてくれるソリアがすごく可愛い。正直たまらない。温かくて甘くて良い匂いがする。抱きしめたまま枕にソリアの頭を乗せてソリアを下に寝かせる。その後僕も布団に入る。眠るときは…ソリアと僕の位置を交代するか、二人共横になるほうが良いな。


想里愛「…ドキドキしますね♪」


真樹「…そうだね、毎日ドキドキさせちゃうね?♪」


想里愛「はい…♪」


ずっと見つめ合って話す。ソリアは今日は水着で寝る。布団をかけているので見れないけど感触はよく伝わる。


真樹「水着だけど…寒くない?」


想里愛「大丈夫ですよ、心配してくれて嬉しいです♪」


えへへと満面の笑顔を見せてくれるソリア。


真樹「良かった、僕も嬉しいよ♪」


頭を撫でる。この笑顔をずっと守りたい。僕だけに笑っていて欲しい。その想いが抱きしめる強さに反映される。ソリアも力強く抱きしめ返してくれる。キスができる距離でソリアが話す。


想里愛「何か…しないんですか?」


真樹「えっ・・・?」


想里愛「あたしが真樹さんだったら・・・そう思うかも・・・、あたしは・・・何かされたいって思ってます・・・」


顔を赤らめながらも真剣な表情の美少女の顔がある。14歳だからと言って決して精神的に幼いわけではない。厳しさもあるこの世界で生き抜いてきた女性なのだ。僕は覚悟を決める。


真樹「この温もりも・・・このドキドキも・・・ずっと僕だけがソリアを・・・独り占めするからね」


強く抱きしめて、柔らかな感触の中に手を埋うずめて高鳴る鼓動を確かめながらソリアに言う。


想里愛「はい…あっ・・・あたしを独り占め・・・してください。」


しっかりこたえてくれるソリア。今思えばこんな彼女の優しさに僕は惹かれたのだろう。


真樹「ありがとう・・・ソリア…ゆっくり目を閉じて…?」


想里愛「………はいっ」


改めてソリアを見つめる。整った顔、肌理の細かい肌、こんな可愛い女の子が僕の為に・・・、僕は幸せ者だ。そしてゆっくり唇を重ねる。永遠とも一瞬とも理解わからない時間が過ぎてゆく。


真樹「これからは・・・寝る前と起きた時に毎日・・・こうするね?」


想里愛「はい・・・毎日・・・してくださいっ♪」


名残惜なごりおしいが、この体勢だと一睡も出来ないので二人で横になる。


想里愛「あっ・・・離れちゃダメです・・・よ?♪」


ソリアが僕の上から抱きしめてくれる。ありがとうソリア、僕は嬉しいよ。甘くて柔らかい感触が僕を包み込む。どうやら抱きつく時の勢いが良すぎて、大山脈が僕の視界を全て覆ってしまった。火山が噴火する勢いで圧迫されているようだ・・・これはしゅごい、毎日お願いしようかな?間違いなく一睡もできなそうだがむしろ大歓迎だ。これから毎日こんな日々なのだろう、幸せだ。そうして二人の甘い夜は過ぎていった。




後書き


精霊騎士隊 (凛梨花)リリカ観測隊の記録3

下へ降りると精霊魔術会のかつての行方不明者の骸を含め、悲惨な状態で見つかる。死後どのくらいの時が経ったのだろうか。生態観測係が持っていた植物の花を手向け、私達は道を進む。

近辺を探索したが、おそらくリスドールは下へ落ちる穴の先には居ないだろう。

所々にリスドールの使った氷結魔法の痕跡が残っている。

リレインスター達と共に壁に空いた穴の先を探索しに行く事にした。


精霊魔術会 (霧雨流星)リレインスターの報告書3

今はリリカ達と壁の向こうを歩いている。

見た事の無い龍と思われる足跡が下へ続く穴に向かっていた。

もしリスドールが龍に追い詰められて共に落ちていたと思うと心配で気が気で無い。

壁の向こうを進むと焼け焦げた臭いと燃え残った樹の枝を見つける。

ここで戦ったのか!この先を進めばリスドールに会えるかもしれない。

魔物に気を付けつつ、リリカ達を後方から援護して奥を目指していく。



(霊澄人形)リスドールの手記4

目を覚ますと壁の向こうに何かの影が見える。

私に死の迎えが迫るのが理解り震える。

氷の亀裂の隙間から見えるのは樹木。火の攻撃魔法が効果がありそうだ。戦うしかない。

隙間からこちらに来た小型の魔物に非詠唱で火を放つが威力は低く効果が薄い。

私の氷のせいで燃えにくくなっている・・・。

私は杖から突風を起こして距離を離した隙に詠唱に入る。

近づく度に杖を向ける。慣れてきたのかその場で耐えて近づいてくる。

私は一番後ろまで下がり焔を放つ体勢に入る。

ちょうど氷が崩れ大量の樹木の魔物が迫ってきたのに合わせて焔を放ち、服を被り地面に伏せた。

凄まじい焔と煙と共に、魔物の鳴き声が轟く。樹木の焼けるにおいを感じる、効果はあった。

私は煙から逃げる為、道の端を突っ切る。幹や枝を踏み掻き分け通りすぎる。

危機をひとつ脱したようだが残りの魔力が心許ない。早く回復する必要がある。

私は何があるか理解らない未知の先を進んでいった。

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