別世界への幼馴染へ

勝利だギューちゃん

第1話

テレビの中では、アイドルたちが、元気に唄い踊っている。

髪をなびかせて、ミニスカートをひるがえしている。


僕は、アイドルには興味がない。

アイドルよりも、身近にいる女の子のほうが、かわいい。


そういう考えだ。


そう・・・

身近にいる女の子が・・・


テレビの中で、唄い踊っているアイドルグループ。

その中に、見知った顔がある。


「さなちゃん・・・」


思わず声に出た。


「わたし、おおきくなったら、アイドルになるの?」

「すごいね」

「うん、おうえんしてね。ひろくん」

「さなちゃんなら、なれるよ」

「そうなっても、なかよしだからね」

「うん」


幼稚園の頃に、仲の良かった女の子、結城さな。

とても、自由奔放で天真爛漫。

「ぜったいにアイドルになる」

いつも、宣言していた。


有言実行なのか、当時から児童劇団に入っていた。

でも、小さかった僕は、よくわからなかった。


幼稚園卒園と同時に、さなちゃんは引っ越して行った。

とても、悲しかった。


「ひろくん、さよならはいわないよ」

「どうして?」

「いつか、アイドルになったわたしにあえるから、だかられんらくさきも、おしえないよ」

「どうして?」

「アイドルになったら、わかるから」


わかるといのは、事務所の連絡先の事だろうと、後に知る。

実際、さなちゃんの所属しているアイドルグループの事務所は、かなり大きな事務所で、サイトにも公開されている。

ファンレターの宛先も記載されていた。


平等に見るためか、プレゼントは受け付けていないようだが・・・

それでいいだろうう。


僕は、本来筆不精だ。

しかし、自分の生存報告をしたい。


そう想い、ペンをとり、さなちゃんにファンレターを書いた。

彼女の元に届くように・・・


返事はいらない。

元気に活動している姿を見せてくれる事が一番の返事だ。


数日後


僕宛に、一通の手紙が届いた。


今は遠い世界の存在となった、かつての隣にいた、あの女の子から・・・

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別世界への幼馴染へ 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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