リオンと誰か
@rairahura
あ
彼女は手にした得物を振るう
たった一振り
それだけだというのに周囲には空気が揺れて歪んでいるように思えるほどの衝撃が走る
過剰なまでの破壊を向けられた罪のない木人は一暴でボロボロの木屑と成り果てた
すぐに不思議パワーで元に戻るとはいえその姿は哀れという他ない
「ど どうしたんだい、、、?」
思わずロをついて言葉がこぼれる彼女は声をかけられて初めてこちらに視線を向けた
すぐにリオンはなにも考えずに声を出したことを後悔する
リオンを見据えるその瞳は煽々と剣呑な輝きを湛えていた
これ以上何か一言でも余計な言葉を発すればあの哀れな木人と同じ末路を辿ることは想像に難くない
それを悟ったリオンの背中を冷たい汗が伝った
まずいことに自分には木人のような不思議パワー(そういえば前これは不思議パワーではなくれっきとしたエーテル学の結晶でありエーテルがなんやかんやで元の形状を保とうとしてなんとかかんとかで元に戻ると聞いた気がするが正直よくわからなかったのでよく覚えていない)を持っていない
つまり非常に良くない状況だった
数々の戦いを潜り抜けてきたリオンの頭の中ではこの状況を打破するためか今までの記憶が瞬いては消えていく
が途中でリオンは気づく
これ走馬灯だ
リオンと誰か @rairahura
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。リオンと誰かの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます