鉄塔の下で

春汰

プロローグ

 鉄塔、と言っても色んな種類があるのはご存じだろうか。



 平坦で障害物の無い通常の場所に設置する鉄塔のことを標準鉄塔と呼ぶ。

 形状だと骨組みの外形が四角錐の形状となって最も広く使われているのが

 四角鉄塔だ。


 などと、説明してて鉄塔について詳しいんですね!と言われたら、そうでもない。

 少しかじった程度だ。



「あの鉄塔、なんていう名前なんですか?」



 なんて聞かれてみろ。私は何も答えれない。一般的な、先ほど挙げた名前を言う程度だろう。


 世の中にはもっと詳しい人間がいる。



 毎日見ている鉄塔は色々な顔をする。晴れていれば気持ちよさそうにその場に立っている。雨が降っていれば、泣いているような感じで立っている。そんなに嫌なことでもあったのか、と思うぐらい。



 夏の夕方に見る鉄塔なんて、すごく綺麗なもんだ。夕日に照らされてなんと表現したらいいか悩むぐらい、綺麗だと。




 ああ、今日も鉄塔はそこに立っている。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る