第16話 決意した!

 いや〜、一体、昨日の超絶えぐ美人さんは誰だったんだろうなぁ〜。

 あのオーラからして、1年生ではないはずなんだよなぁ〜。

 お名前だけでも知りたいなぁ。


 「おはようさん太一!」


 「太一おはよう」


 「太一おはよ〜!」


 なんてことを思いながら学校に着くと、今日も朝から眩しすぎるキラキラ青春オーラを放つイケメンたちがいた。


 「うん、おはよー」


 そうだ!あの美人さんが誰なのかリサーチしてみよう!


 「あのさ、昨日、ポニーテールで僕より身長が10センチくらいで凛々しいお顔をした高い超絶スーパー美人さんに会ったんだけど、誰か知ってる?」


 すると、3人とも「嘘だろ?」みたいな顔をしていた。


 「いや、太一、その人、生徒会長やん!なんで知らんの?入学式であいさつしてたやん!」


 びっくりした智が教えてくれた。ん?生徒会長?入学式であいさつしてた?そうだ!僕、入学式の途中で寝てたから知らないんだ!!


 「ごめんごめん、僕、入学式、途中で寝ちゃってたからさ。で、生徒会長の名前はなんていうの?」


 「太一はそれすらも知らないんだね。名前は、九条麗華。生徒会長兼剣道部の主将で、全国優勝したくらい強いらしいよ。それであのカッコいいルックスだから、女子にも男子にもファンクラブがあるんだってさ!」


 裕二が丁寧に説明してくれた。へ〜、九条麗華さんというのか。美しい名前だ。


 「それで太一はなんでいきなり生徒会長の話をするんだ?」


 いつもクールな悠真が興味津々という顔で聞いてきやがった。まあ、しょうがない。ちょっとこのイケメンたちに相談するとするか。


 「いや、昨日さ、」


 僕が昨日、廊下で九条先輩に初めて会い、いきなり「綺麗だ」とか言い放ち、ましてや「好きです」と告白してしまったことを正直に言った。


 「「「わははははは!!!!」」」


 3人とも大爆笑しやがった!クソが!いつも僕をいじってくるこいつら言った僕が間違いだった!!と思いながら拗ねていると3人とも笑いをがんばって抑えて謝ってきた。心が海よりも広い太一くんは許してやった。感謝しろよ!!


 「で、太一は会長のことが好きやねんな!うし!じゃあ、俺は応援するで!」


 「俺も。太一にはお世話になったからな」


 「うん!俺も応援するよ!付き合えるようにがんばろう!」


 「みんな。」


 嬉しいこと言ってくれるじゃあないか!でもあそこまで美人だとさすがに厳しすぎると思うんだよなぁ〜。


 「でも、僕なんかじゃ、あんな美人さんは無理そうだな」


 ついつい弱音を吐いてしまった。でも仕方ないよなぁ〜。あんだけ美人だと自信も粉砕骨折しちゃうよなぁ〜。


 「そんなこと言うなや!太一なら大丈夫やって!男は心や!!」


 「太一の良さが伝わったら、絶対大丈夫だ!」


 「うん!太一なら大丈夫!!」


 おいお前ら、いいやつすぎるだろ!!泣いちゃうよ僕!


 「あじがど〜、ぼぐがんばる!」


 いや、もう泣いていたようだ。うん、男はハートだ!!僕はモテる!いける!!絶対先輩と付き合ってみせるぞ!!がんばれ僕!いけるぞ僕!!


 「いきなりすまない、このクラスに小林という男子生徒はいるか?」


 すると、計ったようなタイミングで九条先輩が教室にやってきたのだった。

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