第14話 またがんばりますか!
ついに日曜になり、イケメン三人衆が僕の家にやってきた。
「太一の家、はじめてやわ〜」
「そうだな、結構広いな」
「今日は誰もいないの?」
能天気なイケメンたちが話しかけてくる。
「親もにいちゃんも今日は出かけてるよ」
「太一〜、俺、腹減ったわ!なんか作ってや!」
野球部の智が野球部らしいことを言ってきた。本当に能天気だなこいつら。僕は今日、戦争をする心持ちだったのに。興が削がれたぜ。
「しょうがないなぁ〜、じゃあ、とりあえず適当にチャーハンつくってくるからそこらへんに座ってて」
僕はイケメンたちをリビングに案内し、しゃーなしでチャーハンを作りにいった。
「はいできたよ、太一特製チャーシューチャーハン!」
作ってる間に僕も腹が減ってきて、めちゃくちゃうまそうなチャーハンを作ってしまった。
「やば!めっちゃうまそうやん!」
「確かにうまそうだな」
「太一、意外と料理できるんだね!」
「意外とはなんだ!僕はスペック高いんだぞ!!」
なんてお喋りしながら、楽しくみんなでチャーハンを食べてしまった。いかんいかん。今日はこの鈍感イケメンたちに説教をせねばならんのだ!!
「ところで、今日集まってもらったのは、話があるからなんだけど」
「え!もしやあの3人の誰かと付き合ったんか!!」
「めでたいな」
「おめでとう太一!」
こいつら〜!舐めたこと言いやがって!ぶちかますぞ!!もうこの鈍感たちにはストレートに言ってやったほうがいいな!!バカ野郎たちだからな!
「だから違うって!!まあその話なんだけど、彼女たちが僕のことを好きっていうのは本当に誤解なんだよ!もうはっきり言うけど、あの子たちは、お前らのことが好きなの!!白石さんは智のことが好きだし、神崎さんは悠真のことが好きで、楠木さんは裕二のことが好きなの!!ほんとにお前ら、今時、鈍感主人公をすんなよ!!女の子たちが可哀想だろうが!!」
ふぅ、すっかりした。ついに言ってやったぜ。鈍感バカたちにはこれくらい言ってやらないとね。でもちょっと待って。昨日、美少女三人衆には気になってるぐらいにぼやかして言うって話したな。完璧に好きって断言してもうたな。まあ、いいや。僕、し〜らない!めんどくさい!で、こいつらの反応はどうだ。
「え、ほんまか、白石さんが俺のこと好き?」
「え、神崎さんは俺のこと好きなのか?」
「楠木さんが俺のこと好きなんて」
めちゃくちゃびっくりしてる〜!なんだこいつら!イケメンは告白され慣れてろこの野郎!!僕みたいな童貞っぽい反応するな!てか、ほんとに気付いてなかったんだな!
「ほんとだよ!だからさ、彼女たちが僕のこと好きっていうのはありえないから!付き合うのか断るのかわかんないけど、ちゃんと彼女たちに向き合ってあげなよ?」
「そっか、ごめんな。太一」
「悪いな、ありがとう」
「ごめんね太一、ちゃんと考えるよ」
「で、1つ言っておくけど、僕的にはマジで付き合ったほうがいいよ!!あの子たちは本当にいい子だから!」
こいつらもそうだけど、あの美少女三人衆もみんなほんとにいい子なんだよなぁ。だから、好きになりかけたし、いや、好きだったし!絶対幸せにしろよこの野郎!!
「「「うん、わかった」」」
うん、3人ともいい返事だ。これでまぁ一件落着かな。いや、1つだけ解決してないな。僕に彼女ができないじゃないかーーーーーーー!!!!はぁ、まぁ、あんな美少女たちと釣り合うわけないとは思ってたけども。また一からがんばらないとなぁ。でも、これから先も恋愛対象になれないと思うと茨の道すぎるなぁ。はぁ。
「やっぱり僕が彼女作るのは無理なのかなぁ」
なんてこと考えてたら、口に出してしまった。でも弱気になるのも仕方ないよね。
「太一なら絶対できるで!勘違いはしてたけど、白石さんたちと太一がお似合いだと思ってたのはほんまやから!」
「太一は面白いし、めちゃくちゃ優しくていいやつだから絶対モテるし、大丈夫だ!」
「太一なら絶対めちゃくちゃいい彼女ができるよ!!自信持って!!」
こ、こいつら。やっぱええやつやんけ!
「みんな。うん!僕もう一回がんばってみるよ!!」
鈍感クソバカイケメン三人衆とか思っててごめん!!こいつらは見た目とかじゃなくて、中身で人を見てくれるんだな。本当にいいやつらだ!うん、みんながこいつらのことを好きになるのも仕方ない!!どこかに僕のことを好きなってくれる人もいるはずだ!!うん、そう信じよう!女の子たちの恋愛相談も多分これで終わるし、これからはまた彼女を作るためにがんばるぞ!
僕はぽっちゃりいじられキャラだけど、中身はめちゃくちゃイケメンなんだぜ!!多分。自信持ててきたけど、やっぱあの鈍感イケメンたちの言葉だから不安になってきたなぁ。まあ、とりあえずがんばりますか。
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