第2話 仕方なくイケメン紹介

 ここでとりあえず僕の親友であるイケメン三人衆を紹介しようと思う。正直、イケメンはマジで紹介したくないのだが、仕方なく仕方なく紹介しようと思う。


 紹介するなら学校がいい。僕は学校に行く。イケメンは僕が話しかけなくてもなにしてても勝手に話しかけてくる生き物である。


 そこで、


 「よっす!太一!」


と言われた。ほらイケメンがかかった。


 こいつは、竹内悠真。名前が結構似ているように、俳優の竹内涼真さんのような顔をしている。


 マジで結構似ている。うざいくらい。マジでうざいほど爽やかだけど爽やかだからウザくないという矛盾が生じている。


 そしてバレー部。1年なのにもう試合に出てるって話だ。身長高いってこと。190cmはあるんじゃないかな。見上げすぎて首が痛いのよ。


 つまり爽やかイケメンだ。僕の親友の1人だ。


「うっす、悠真」


と返すと、後ろから1人の男が肩を組んできて


「太一おはようさん!」


 と言ってきた。


 こいつは、宮田智。


 野球部でコミュ力が高い。そしてピッチャー。


 1年の春から即戦力としてもうベンチに入ったらしい。期待のルーキーって感じ。でかいし。


 髪は短く、目は大きく、顔は濃いが、体もムキムキで、EXILEにいそうなイケメンである。そして1つだけある短所がエセ関西弁みたいなよくわからない方言を使ってくるとこである。


 「朝から暑苦しいな」


 と言いながら肩に組まれた手を外すと、


 「太一おはよう!」


と爽やかにあいさつされた。


 こいつは、芦川裕二。


 茶髪で見た目はちょっとだけチャラいが、人当たりが良さそうな優しい顔をしていて、もちろんイケメンだ。例えるなら、志尊淳さんや千葉雄大さん系統のイケメンだ。勝ち組すぎる。


 そしてイケメンなのにマンガとかアニメ、ラノベとかも見ているという、憎めない部分もある。


 なによりいいやつだ。


「ああ、裕二おはよう」


 最後にそう返して、僕は席に座る。


 僕の親友はこの3人のイケメンたちである。イケメンはみんなヤリチンでうざいエセ勇者の生き物だという偏見をラノベから教えられていた僕だったが、こいつらはさすがにいいやつすぎてもう認めまくっている。


 こいつらがモテるのは必然すぎて嫉妬心すら湧かないのである。


 なぜイケメンでもない、ぽっちゃりな僕がこんなイケメンたちと親友になったのかは4月へとさかのぼる。

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