第9話 死に戻りとユキちゃんのオッパイ
「本当に翔子ったらずるいよね」
「なんでよ、公正な抽選の結果でしょう」
「それはそうだけどさあ」
「てっ言うか、いい加減この話題も飽きたんだけど」
「まあねえ、翔子にとってはそうよね
でもね、ゆう坊のお姉ちゃんとしては悪い虫にはしっかりと釘をさす義務があるのよね」
「もう、亜美やめなよ
その話はもういいわよ
それより時間も遅いんだから寝ましょうよ」
もう深夜だもんね
パジャマパーティもお開きね
それにしてもみんなゆう坊のことになると引かないんだから
亜美の入れ込みようは弟へのそれというよりは恋い焦がれる相手への物よね
亜美はゆう坊が自分の弟っていう自覚があるのかしらね
「ほら、電気を消すよ」
電気が消えてやっと静かになったわ
それにしても翔子にはやられたわね
昨日の脱衣所イベントで私のおっぱいをゆう坊に押し当てて魅了するまでは完璧だったわ
『ユキちゃん離してよ、恥ずかしいよ』
あの上ずったゆう坊の声にゾクゾクしたもの
あれは、私のおっぱいから離れがたいくせに無理してた声よね
それが可愛かった!
でも、私のおっぱいの感触はすっかり翔子に塗り替えられちゃったみたいね
おっぱいでゆう坊の体を洗うとか絶対に反則よ
おっぱいの大きさなら翔子とか目じゃないのに
翔子の技ありってとこよね
ここからどう巻き返すか
思案のしどころね
「わあああああああ、いやだあああああ、戻せ、戻せよ」
なに、さけび声よね
こんな夜中に誰が叫んでる……
ゆう坊、ゆう坊の声じゃない
ゆう坊が叫ん出るんだ
その声には狂気が感じられる
「ゆう坊、何があった」
亜美が飛び起きて走り出したわ
「くるな、くるな、死なないぞ、死んでたまるか、馬鹿野郎、ふざけるな」
だだだだだ
亜美が階段をかけあげる
そんな亜美の追って私たちも2階にあるゆう坊の部屋へと急ぐ
私が着いた時にはゆう坊の部屋のドアは開け放たれて
その先にはベッドの上で体を丸めて
両腕で自分を抱え込みながら震えるゆう坊が見えた
そして時折ゆう坊は叫び声をあげる
亜美はそんなゆう坊をどうすれば良いのか解らないのだろう
途方にくれた表情で動けないでいる
ダメ、ゆう坊を放っておいてはダメよ
あんなに震えて怯えている
そして助けを求めて叫んでる
だから私はゆう坊がいるベッドにと向かう
そして震えるゆう坊を抱きしめる
「うわあああああ、誰だ、いやだ、離せ、離せ」
「ダメ、ユキ、ゆう坊が余計に怯える!」
「なに言ってるの、ゆう坊が怯えて助けを求めているのが解らないの」
亜美がなにを言おうと関係ない
私はゆう坊を抱きしめる
「ゆう坊、平気、平気だから
ここは安全よ
ゆう坊を傷つけるような悪い人はいないの」
「嘘だ、嘘だ、女神様だって優しそうな顔をして僕を恐怖に突き落としたんだ
いやだ、いやだ、僕にかまうな、僕は信じないぞ」
ゆう坊が私に怒鳴りつける
私を怒鳴りつけるゆう坊の顔が見える
そこには怯えきったゆう坊の顔がある
だから私はゆう坊の顔に私のおっぱいを押し付ける
左のおっぱいだ
「ねえ、ゆう坊、ゆう坊は大丈夫、死んだりしない、生きてるの
だから心臓の音が聞こえるでしょう」
ドクっ、ドクっ、ドクっ
私の心臓の音
それがゆう坊に届くはず
「えっ、えっ、うわああああ」
ギュッ
ゆう坊の腕が私の背中に回り私を強く抱きしめる
ドクっ、ドクっ、ドクっ
規則正しい私の心臓の音がゆう坊を落ち着かせる
「お母さん……」
私の心臓の音が幼い頃にお母さんに包み込まれていた記憶を思い出させるのか
「まあ〜、まあ〜、きょわい、きょわいの」
まあ坊が赤ちゃん言葉になる
そしておっぱいを必死に求める
「まあ〜、まあ〜、まんま、まんま」
おっぱいに顔を埋めたまま、まあ坊の口が何かを求めて動き回る
「ゆうちゃん、ぱいぱいですか」
「ちょう、ぱいぱい、ぱいぱいほちゅいにょ」
恐怖のあまり、幼児退行しているゆう坊
お母さんの庇護を求めてるのかしら
その象徴がおっぱいなのね
だから私はパジャマを捲り上げる
「ユキ、あんた何してるの」
五月蝿い、亜美黙れ
そしてゆう坊の口が私の乳首を見つける
もにゅ、もにゅ、もにゅ
おっぱいなど出ない私の乳首をゆう坊が無心に咥えておっぱいを飲もうとする
「ゆうちゃん、いっぱい飲みなさい」
「ユキ、あんたバカ!
あんたのおっぱいから乳なんか出ないでしょう!」
「亜美、静かにして」
翔子が亜美を諌めてくれる
「ねえ、勇くんを見なよ
あんなに怯えて叫んでたのに
今は落ち着いてる
きっとお母さんに抱かれて守られてると思ってるの」
「嘘、だってユキだよ
ママじゃないのに」
「ゆうちゃんは良い子ね」
私はゆう坊に話しかけながら頭を優しく撫でる
私のおっぱいに埋まって頭を撫でられてゆう坊から怯えの雰囲気が消える
「部屋の電気を消して
みんな出てって」
私はみんなにそう指示する
「ユキ、なに言ってるの」
亜美はやっぱり怒りんぼだ
ゆう坊を取られるって思ってるのかな?
「亜美、お願いだから静かにして、ゆう坊を刺激しないで」
「亜美、ユキの言う通りにしようよ
亜美だってあんなゆう坊はもう見たくないでしょう」
「そ、それは……でもだって」
「いいから行くよ」
そして電気が消えて部屋には私とゆう坊の二人
ゆう坊は相変わらず無心で私の乳首を咥えてムニュムニュと唇を動かしている
乳首はちょっと痛いけど
私の赤ちゃんもこうして乳首を吸っておっぱいを飲むのかなって思うと子宮のあたりが熱を帯びる
私は暗闇の中でひたすらゆう坊の頭を抱きかかえておっぱいで有望を癒し続ける
★★★★★
あれ、僕って死んだはずじゃあ??
なんで意識があるんだろう
まだ、生きてる??
そういえば、血も出てない
それどころか痛くない
お腹の傷口は……
ないぞ、お腹に開いた穴がない
パジャマも綺麗なもんだ
なんでだ??
ああ、ここは死後の世界か
だから傷もないし、痛みもないのか
嫌だな
また女神様とかいる世界なんだろうか
もう女神様とか関わりたくないんだけどな
でも、僕はおっぱいに包まれて抱きしめられている
これってやっぱり女神様??
あれ、でもここって
ここは僕の部屋だ、僕のベッドだ
じゃあ、このおっぱいは??
「ゆう坊、目が覚めたのかしら」
僕を慈しむような声
この声はユキちゃんだ
ならこのおっぱいは
「うわあ、ごめんなさい、ごめんなさい」
「もう、ゆう坊ったら
大きな声は出さないのよ」
「だ、だって、僕、ユキちゃんのおっぱい」
「そうよ、ゆう坊ったら私のおっぱいに夢中なんだから
乳首も一生懸命に吸うし
ほら、だから乳首が少し腫れちゃったのよ」
「嘘、嘘でしょう、僕、ユキちゃんを傷つけたの?」
「ゆう坊、落ち着くの
私は平気よ
ゆう坊のパニックがこのおっぱいで治ったんだもの」
パニック、そうだ僕は死ぬのが怖かった
そんな異世界に僕を放り込んだ女神が憎かった
でも、今はユキちゃんが僕の女神だ
優しくて、僕を慈しんでくれる女神
「ねえ、ユキちゃん
ユキちゃんのおっぱいをまだ握っててもいいかな」
「いいわよ、可愛い私のゆう坊のお願いですもの」
あれ、お母さんみたいだ
だから僕は安心してユキちゃんのおっぱいにすがる
今の僕の頭はそれで一杯だから
異世界を拒んだら大変な生活が待っていた 雅 @tam2kun2001
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