ユラの思い女神エルリエル様の思い

 ☆・☆・☆

 カラリエルの世界を見つめる女神エルリエルは、キャサリンによって新しい国ができた事を喜んでいた。


『私が手を下した、あの荒廃した地域を引き受けるなんてねぇ、バカなのかしら、それにあの人間人気があるからほとんどの女性が付いて行くわね、いい事だわ、馬鹿な男が統治する国の女性が減る、どういう事かわかってるのかしら、しかも離れて行った女たちは、荒廃した土地で作物も育てることが出来ず、餓死していくのよ、実にいい展開じゃない、私の人間を滅ぼす計画が、これから手を加えなくても、勝手に滅んでいくなんて、最高じゃないフフフ』


 それをそばで見つめる聖女テレス


『エルリエル様・・ 私はあの人たちが怖かったけど、この人たちは何か違うような気がします』


『テレスあなたに酷い事した人間は、どの時代も同じよ!この者達も絶望を知りやがて神である私に、暴言を吐くようになるわ、人はこうして不幸が重なると、自分が悪くても他の者のせいにするのよ、新しい国で病気や飢えで困ってる人々を救い、国を立て直すつもりでしょうが、状況が改善されず絶望に変わるでしょ、その時彼女たちどういう行動取るのかしら、楽しみだわ、


そうだわ少し男たちの国に豊穣の祝福を与えましょう、男たちの国は食糧が潤い、女たちの国は飢饉が続く、さあ女たちはどうするでしょうね、酷い扱いを受けても男たちにすがるのでしょうか・・


 今までいろいろやり過ぎてこれ以上手を出すと、さすがにあのお方にばれるからできないけど、いろいろ仕込んでるから、まぁあの子がいくら頑張ろうが変わるのは最初だけすぐに絶望に変わるわ、あの子どんな顔するのかしら、楽しみだわフフフ


 しかし最近あの子のいる場所が、よく見えなくなってるのよね、なぜかしら?まぁいいわ、ユラちゃん私の荒廃させた土地を、あなたがどうできるのか見せて見なさい、スキル以外魔力の使えないあなたが、どう私に抵抗するのか見せて見なさい!』


 ☆・☆・☆

 大陸に新しい国家ができたことは王都から全ての領地の領主に通達された、領地を管理してた領主はヤマタイコクに関しては全て解任本国に移動となった。

 領主たちは領地の悲惨な現状を目にしていたため、ほとんどの領主が、喜び王都に帰って行ったのだった。


 ヤマタイコクの国境も決まりキャサリン達は、一旦テレストに移動しそこで話し合う事にしたのだったが、キャサリンが女王として統治する国に多くの女性たちが移動を希望したため、キャサリン達は希望した国民たちに比較的食糧事情が安定してるテレスト、モントペールに移動してもらう事にした。


キャサリン達は同行を希望したメイドと各部署の補佐をしてる文官女性を含め城内の9割の80人を連れテレストに移動した。領主はすでに王都に戻っていた為領主は不在。


キャサリンはテレストに着くと、至急連れて来た文官に、領主代理を決めすぐに会議に移った。


イレリーナが立ち上がり話し始める


「キャサリン女王様これからヤマタイコクを治めるにあたり至急いろいろ取り決めしたいと思います」


「そうね、早急に決めないとね」


「まずこのヤマタイコクの各町村の状況の把握ですね、人口、食糧事情、農地、その他ですかね、急ぎ手分けして調べ対策を考え、そして妖精さんへの要請も必要です」


キャサリンも頷く


「恐らくほとんどの村町は、何らかの問題を抱えているはずよ、私達はこの国の人達を助けて豊かな国を造る事よ」


「キャサリン女王様、後優秀な人材も確保が必要かと思います」


「そうねこの町から探してみてはどうかしら」


「では、調査隊の振り分けをします、ブロックを4つに分けて調査に向かってもらいます」


西部地区レクレス、モントペール、キーエフト、マヤ、キワシ、コートモール、はケシーの所属小隊が担当


北西部地区サザンシスト、パルテノス、ビーストモル、カムラ、は、パケル所属小隊が担当


北東部地区ブランドール、アエロス、キロロ、チェルキスはバルチェ所属小隊が担当


東部地区ラクラトス、ケレフ、リスズ、セントラーズ、ワスラ ピケットは、ミレリアが担当


「いいみんなできるだけ早く情報がほしい、頑張ってくれ」


「「「「はい!わかりました」」」」


皆が担当地域ごとに別れて打ち合わせを始めた


「後は、ユラちゃんね… 」


その途端皆が、一斉にキャサリンを見る


「私達が森を離れてもうすぐ文月、ユラちゃんの様子も気になるから誰かに行ってもらいたいのだけれど、城にいた補佐・・・?どうしたのかしらほとんどが悔しそうにしてるわね」


イレリーナが教えてくれる

「恐らく皆自分たちが調査の役割が決まりユラちゃんをお迎えに行くことが出来ないからだと思います」


「なるほどね、でも文官の子達は嬉しそうじゃないわね、どうしてかしら?」


「あの子達は、ミラブル大森林地帯が危険な場所だと知っていますし、ユラちゃんの存在も私達からの話ししか、聞いてませんから、不安で仕方ないのでしょう」


「あら、イレリーナは、ユラちゃんにあまり興味がないのかしら?」


「そうですね、確かに助けていただいた事には非常に感謝していますが、やはり容姿が …私やはり男らしくて強い男性が好みですから、お子様はちょっと、でも一番は、頭脳が優れ、私を従えるくらいの方がいれば最高ですけど」


あれ?この子森で何やってたの?ユラちゃんの作った物見てないのかしら?それにユラちゃんの秘密も?


「イレリーナ、あなた森で何してたの?」


「私魔物が怖くてずっと、倉庫のようなところに引きこもってましたけど、何か?」


はぁー まさか引きこもりとは…


この子がユラちゃんの知識を知らないのはもったいないわね、どうしたものかしら


キャサリンが話し合ってるところにメイドが来訪者の知らせを持って来る


「キャサリン陛下、冒険者ギルドからご挨拶したいと来られてますが」


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