ユラのいなくなった公爵家(改)

ユラが公爵家を脱出した時、クリスはギルド会議室でユラの野菜を取り込んだマジックバッグを渡して報告していた。


「ユリスリーデ様、この中にユラ様の作った野菜指示通り入れて来ました。かなりの量あると思います。」


ドス


「やった、森の妖精の野菜だー!」

「モロコシ料理たのしみだよー」

「はぁーこれから毎日食べれるんだー」

「うぅ、よだれがぁー」


ユリスリーデ達は、大量のユラの作った野菜が入ってるバックを見て大喜びしていた


「あのー喜んでるところ申し訳ないのですが、ユラ様の魔力土壌から収穫しましたので、普通の野菜と同じようにほっとけば腐りますよ」


ピキッ!


その瞬間皆の動きが止まる


「そうだ!普通に考えたらそうだよな」


ガックリ

ユリスリーデが野菜の保管を指示する


「とにかく貴重な妖精の野菜だ、冷却魔石の入った保存庫に入れて置く、あそこなら10日は持つだろう」


アスティがマジックバックにケチをつける


「マスターのバックが時間も停止するバックならよかったのに…」


ユリスリーデも反論する


「そんなバックは、グランドボルス大迷宮の深層いかなきゃ手に入らないわよ!」


ユリスリーデの夢のようなバックがあると聞いて驚く


「あそこにあるんですか?成長してるとも言われてるんですよねあの迷宮」


ユリスリーデも肯定せず迷宮について答える


「ああ、あくまでも噂だ!SランクAランクの混成パーティー10人で進めた階層は50階層だ。

そこの50階層ボスのドロップ品が赤色のマジックバックだ。

だからもっと深層に行けば、時間停止のバックもあるんじゃないかとも言われてる」


「そんな苦労して出たドロップ品がマジックバックってショボ」


ユリスリーデはアスティを見てため息をつく


「はぁーやはり知らないか… 私のマジックバックは青だ。

王都のギルマスは、黄色のマジックバックを持っている。

私の倍の容量らしい、マジックバックは色によってランクがあり、中に入る容量が違うのよ」


アスティがマジックバックの色にランクがあるのを初めて知った。


「マジックバックにランクがあるなて知らなかった… じゃぁ赤は?」


「その上だ今知られてる最大容量のマジックバックは赤よ」


クリスは申し訳なさそうに話をさえぎり、ギルマスにポーションの件でお礼を言う


「あのーユリスリーデ様、貴重なポーションありがとうございました。

ユラちゃん危機は脱しました。

それでポーション持って来てくれた方は?」


ユリスリーデは、クリスに言われシェアルを呼ぶ


「ああシェアルね戻ってるわよ。シェアル来てくれる」


シェアルはユリスリーデに呼ばれて前に行く


「はい!ここに、もう一度ポーション持っていきますか?」


クリスは、顔をピクピクさせながらシェアルを見る


「私のユラちゃんにポーション飲ませてくれてありがとうシェアル」


シェアルは、クリスを見てニヤリと笑う


「あらクリスいたの?」


ピキッ!


「ひ・久しぶりにあってずいぶんな言い方ね!」


シェアルは、クリスをいじる


「クリスも変わったわね。私のって、あなたいつから少女趣味に変わったの?」


クリスはそれを聞きニヤニヤ笑う


「私の趣味って失礼ね!好みは変わってないわよ!

可愛い男が好きなのはね!この意味わ・か・る・か・なフフフ」


シェアルは一瞬固まる


「え?まさか… あの子 」


クリスはシェアルの驚く様子を見てニヤける


「あら!知らなかったのね。ユラちゃんは、可愛い男の子ですよ。

男嫌いのあなたが、まさかあんなことするなんてねぇーオホホ」


クリスの言葉を聞きシェアルがおかしくなる


「あの子が男?あの可愛い子が男?嘘あの子が? 嘘よぉー… はぁ~」


ユリスリーデもアスティも悶えるシェアルを可哀想に見つめる


クリスはわらいながら


「あら可哀想に、ショックだったかしらフフフ」


シェアルはクリスの思う反応ではなく違った反応をしだす。


「私のファーストキスがあの可愛い男の子に♥️

はぁ~ 最高だわぁ~ ユラちゃん♥️これからお姉さんが大人の女性を教えてあげるわ~」


シェアルの反応に驚くクリス達


「「「えーーーー!」」」


「あのシェアルが男に目覚めたの?」

「まずいわよ暴走が始まる気がするわ」


「な・何が大人の女性よこのでか乳女が!

ユラちゃんは、私が優しく教えるからシェアルは、せっかく男に目覚めたんだから、他の大人の男にすればいいじゃない!」


シェアルはクリスに反論する


「嫌よ!私のファーストキスをあげた男の子よ!

あの子もきっと初めてだ「私がもらったから」っ… え?」


クリスがシェアルに被せる発言をする。

それに反抗するように、シェアルもクリスに発言するも、二人のお馬鹿な論争は続く


「残念ねユラちゃんのファーストキスは、たぶん私が先にもらったからフフフ」


「くうー悔しいー!じゃ初添い寝をして「それもいただいた」あげ… 」


ぐむむ…


「残念ながらフフフ」


「じゃ初膝枕を「この前してあげたわ」し… 」


くぅー


「ちょっと遅かったわねフフフ」


二人の争いを見てユリスリーデとアスティは呆れかえる。


「あの二人何か低次元な争いをしてますね」


「ほんと、はぁーいつまでやるつもりかしら…」


「ならユラちゃんのまだ経験してない初めて、どう「させるわけないでしょ!」い…」


お馬鹿な言い争いで睨み合う二人


「ぐぬぬ… 」

「うう… 」


二人に意見するユリスリーデとアスティ


「二人ともいい加減になさい!」


「クリス!ユラちゃんまだ回復してないんでしょ?

早く戻ってあげなさい!

シェアルあなたもユラちゃんの回復具合を一緒に行って確認してきなさい!」


二人は頷き部屋を出て行く


「そうだ!戻ります」

「わかりました確認してきます」


バタン


ユリスリーデ達は一息つき、バックの中を確認する


「はぁーやっと静かになったわ私達はこのバッグの中の野菜を確認しましょうか」


「はい!ケレン呼んで来ます」


バタン


☆・☆・☆

その頃公爵家では


はぁやっと私がユラ様の様子を見る番だ。

サマンサ様が王都から戻られ、ユラ様の扱いが酷くなり、私達が訴えてもまるで取り合わなくて、むしろ余計酷くなるなんて…


ユラ様元気してるかな?作ってる野菜があるから大丈夫と思うけど…


コンコン


「ユラ様マリです。入りますね」


ガチャ


「え?ユラ様?小屋の中の野菜が全部なくなってる… どう言うこと?」


私は小屋の中を見回した、リュックがなくなってる… ん?手紙だ…


【大好きなマリとクリスへ】


突然いなくなってごめんなさい…

ユラは8歳まで今のまま我慢するつもりでした。

でもサマンサが王都から、 戻ってからユラの扱いが変わりました。

前はゆっくりと弱らせるような扱いだったのに、今は明らかに衰弱させて殺しに来ています。

だからユラはここを出ます!


少しだけど生き抜くスキルも身に付けたし、ほんとなら二人も一緒に連れて行きたかった。

ユラはここを出て一人で生きて行けるかどうかもわかりません。

でもここでサマンサに殺されるのは嫌だ!生き抜くために出ます!


だからちゃんと生き抜くメドがついたら二人を迎えに来ます。

その時は冒険者ギルドに連絡します。

二人共ダメなユラを今まで支えてくれてありがとう…


マリもクリスも身体気をつけてね。それとトータスには気をつけて、ユラがいなくなったらあいつ絶対何かすると思います。

そうなる前に公爵家を辞めて冒険者ギルドのユリスリーデさんを頼って下さい。

きっと何とかしてくれると思うから…


もし出て行くならこの小屋の野菜作ってた場所地面から30cmくらいの土持って行って下さい。

ユラの魔力なくなるまでなら、あの野菜作れると思うから…


じゃ元気でね 。必ず迎えに行くからギルドに連絡つくようにしててください。

大好きなマリお姉ちゃん。クリスお姉ちゃん。


バイバイ】


「うわーーん嫌だよぉーユラ様ぁーマリも連れてってよぉー」


大泣きするマリの声が聞こえて、小屋に飛び込んできたクリス達


「マリどうしたの?」


マリは泣きながらユラの手紙を渡す

クリスは手紙を受け取り小屋の中を見る。

ユラ様いない… 手紙? まさか!クリスは渡された手紙を読む


「え?嘘よー何で私も連れて行ってくれなかったのよぉーユラ様ぁーー!

うわーーん!バカよユラ様、あんな身体で一人で生きて行けるわけないじゃない!

町の外に出たら魔物に殺されるか、盗賊に捕まって奴隷にされ売り飛ばされるわよーバカー!」


二人の様子を見てシェアルもユラが出て行った事を知り、ショックを受ける


「あの身体で出て行くなんて無茶だ!早く探さないと死ぬわよ!」


シェアルは二人を見て


「二人ともこれからどうする?」


二人はお互いの顔を見て頷く


「もちろん、ここを出てユラ様を探しに行くわ!」


「私もここを辞めて、冒険者ギルドにお世話になりたいと思います。

できればクリスと一緒に、ユラ様を探しに行きたいのですが、私は戦う事は無理なので、クリスのサポートをしたいと思います。」


「わかった、一旦この事をユリスリーデ様に報告をしょう」


クリスがシェアルに手紙に書いてあったユラの土の事を話す


「ちょっと待って!シェアルは急ぎギルドに戻って、ユリスリーデ様からもう一度マジックバック借りてきて!

この小屋の中の地面はまだユラ様の魔力で溢れてる。

この土に種を植えるとあの野菜ができるらしいのよ。

こんな貴重な物、この屑公爵家に残してやるもんですか!

ユラ様が命を削るおもいで作った土壌です。全部持って行きます!」


マリも頷く


「そうです!ユラ様が命を削って作られた大切な土壌絶対持って行きたいです!」


シェアルも頷き行動する


「わかった、すぐ取りに戻る!」


こうしてユラのいた小屋とその付近の土壌は、マリとクリス達で、全て掘り起こされマジックバッグで持ち帰った。


ユラが出て行った報告をサマンサにするとサマンサは、憤る


「まあー!何ですって!あの生意気なユラが何も言わず出て行ったですって!

ほんと恩知らずな子供だこと!公爵家として一応捜索はします。


しかしあなた達二人は、よく様子を見に行っていたにもかかわらず、出て行かれるなんて、何をやってたの!

そんな無能はこの公爵家に必要ありません!あなた方は今すぐ辞めなさい!」


マリとクリスはお互いに頷く


「「申し訳ございませんでした。奥様のおっしゃる通り私達は責任を取り辞めさせて頂きます。では失礼します」」


サマンサは、二人が謝罪を入れて留まると思ってたため二人の言葉に驚く


「え?ああ… わかってたならさっさと出て行って頂戴!ほんとに辞めるのですね。」


二人はサマンサの言葉を無視して頭を下げる


「「失礼します」」


二人の態度にサマンサが反応する


「まぁー!まぁー!」



バタン


クリスは、マリに尋ねる


「マリ荷物それだけ?」


「ええ」


クリスは、マリを見つめ決意を伝える


「マリ!ギルドに戻って私達のユラ様の捜索会議するわよ!」


「はい!」


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