第7話ユラとサマンサ(改)
サマンサは、メイドにユラの状態を確認すると、軽く舌打ちをした後、何か考えるように自分の部屋に入って行った。
メイド達は、ユラの扱いがどんどん酷くなってるのを感じ、ユラを少しでも助ける方法がないか考えていた。
私マリがユラ様の小屋から戻って来て2日目に、サマンサ様から呼ばれお部屋に伺うと信じられない事を言われました。
「前回は私も忘れててあの子の食事の指示遅くなって申し訳なかったわ、次からは3日に一度にします。量も少し増やしてもいいわ」
「… わかりました … サマンサ様お願いがあります。
3日に1度では弱ってるユラ様は、死んでしまいます。
せめて毎日パンだけ持つて行く事を許可下さい」
サマンサは暫く考えた後返事をする
「わかりました。では毎日確認にだけ行く事は許可します。
ただしあなた以外の者が行きなさい!
あなたはメイド長としての仕事がありますからダメです。
あぁそれと食事を運ぶ時、これも一緒に持って行って飲ませてあげなさい」
マリは、サマンサから液体の入った容器を渡される
「はい、これはなんでしょうか?」
サマンサは、微笑みながら説明をする
「それは薬草茶です。これを飲ませてあげれば弱った身体も回復するでしょう。
私のせいで酷くなったようなので、お詫びです。」
私は、サマンサ様の言葉が信じられなかった。
3日に一度って… 回復用の薬草茶?
嘘でしょ何考えてるの?
今までユラ様の身体の事なんて気づかいもしなかったのに、でも明日からは毎日誰かが確認に行ける事が、私は嬉しかった。
明日はユラ様に頼まれてた種もお持ちしましょう。
楽しみです。ユラ様元気になって下さいね
☆・☆
「お母様いいですか?」
「あらトータスどうしたの?」
「さっきメイドが嬉しそうに出て行ってましたが、何かいわれたのですか?」
サマンサはニヤリと笑い答える
「あの生意気なユラに3日に一度食事と薬草茶を運ぶように指示し、毎日確認だけ行く事を許可しただけよフフフ」
トータスは、意味がわからず聞き返した
「え?どう言う事ですか?それでは、あいつが衰弱しませんよ?」
サマンサは、理由を説明する
「使用人達があまりにも騒ぐから、旦那様にばれそうだったので、作戦を変更しただけですよ、前から考えてたことですよフフフ」
トータスは、わかったように答える
「以前言ってたことですね」
「そうよ、食事と一緒に回復する薬草茶を飲ませてあげなさいと言ってありますフフフ」
「なるほど薬草茶ですか、じゃ僕もちゃんと飲ませたか確認します。」
サマンサは微笑みながらトータスを見る
「トータスは、賢いわねちゃんと私のする事理解してるから」
トータスもニヤニヤ笑いながら答える
「これであの生意気なユラが原因不明の状態異常で回復する事なく死ねば、メイド達を僕が好きにできます」
サマンサは、ユラの事を話し合ってた時に何かを思いだし突然愚痴り出す。
「あの生意気なユラの何が気にいったのかしら、うちのトータスの方が断然素敵なのに… どうしましょう」
トータスは、何の事かわからずサマンサに尋ねる
「お母様どうされたのですか?説明してください」
「ごめんなさいねトータスちゃん、実は王家から第一王女エレン様の成人の祝いと第二王女グレープ様のお誕生会の招待状 が来てたのを思い出したのよ」
トータスは、王家からの招待状に驚く
「第一第二王女様お二人からですか?凄いですね。お母様僕なら大丈夫ですが、いつですか?」
サマンサは首を振りながら答える
「それが招待状は、生意気なユラを指名していますのよ、何でかしら」
「お母様、でも次期嫡男は僕なんだから、僕が行っても問題ないのでは」
サマンサは、首を振り腹立たしげに答える
「それがどうも違う見たいなのよ、必ずユラを連れて来るようにって…
どこで王女に気に入られるような事したのかしら、ほんとうに腹が立つわ」
トータスは、指定された招待状の意味もわからず、自分の方が行くのにふさわしいと思ってる。
「でもあいつより僕の方が断然魅力あります!お父様にお願いして僕が代わりに行くのはどうでしょうか?」
「そうね旦那様にお願いしてみましょう」
☆・☆・☆
ブリンカー王国王都タスペニアの王城では、第二王女のグレープが、楽しそうにキャサリン王妃と楽しそうに話しをしていた
「お母様、前にダマスカス領のフェアールに行った時に、会った可愛い女の子また会いたいの、どうすれば会えますか?」
キャサリンは、娘が楽しそうに話してくるのを見て尋ねる
「フフフ、グレープはホントにどうしてその子のこと気にいったのかしら?話してくれる」
グレープも母に聞いて欲しくて嬉しそうにその子との出会いを話す
「はい!お母様♪是非聞いてほしいです。前にフェアールに、エレンお姉様の傷の治療のためお忍びで行った温泉のその途中の町で出会いました。
その子は、孤児の女の子ががらの悪い男達に嘘の行動に騙されて、言いがかりをつけられ暴力を振るわれてました。
その子は、孤児の子を庇い男達の前に立ち嘘を言葉で暴き、男達が怒り殴りかかってたところにアイテムを投げつけて、男達を撃退して、女の子を助けたのです。」
キャサリンは以外な女の子の行動に感心していた。
「そんなに可愛い女の子が、男達を撃退したの?ほんと凄いわね。
慌てる事なく言葉で嘘を暴き、暴力にも怯えることなくアイテムで撃退って…
男の子なら好きになるわね」
コンコン
「お母様エレンです」
「入りなさい」
ガチャ
そこにエレンとあの時一緒だった護衛騎士のニース、ターニヤも入って来た。
「ちょうどよかったわ、今グレープの出会った王子様のような素敵な女の子の話を聞いていたところなのよ」
エレンも思い出したように頷き答える
「あぁあの子ですか、お母様に報告した通り、あの子の行動には驚き胸がときめきました」
ターニヤもあの時の事を思い出しながら話す
「キャサリン様あの子の行動は素晴らしかったです。ほんと驚きました」
キャサリンは話を聞いて益々興味を持ちニースに尋ねる
「あなた達がそんなに言うなら私も是非とも会ってみたいわ、ニースはその子の事調べてくれたのでしょ?」
ニースは、頷き答える
「はい!言われた通りに第一王女エレン様の成人の祝いと第二王女グレープ様のお誕生会の招待状を指名して送っりました。」
ニースは、キャサリンに近寄り小声で報告をする
「キャサリン様の予想通りでした。ダマスカス公爵家の子供でした。
容姿と大きさ名前も一致しました。ただ… 女の… では 」
キャサリンは、ニースの報告に驚き慌てる
「え?どう言う事?ちょっとこっちで報告しなさい」
キャサリンが隣の部屋に移りニースが遅れて入って来る。
「ニースはっきり聞かせなさい!どういう事?」
「はい!キャサリン様の予想通りでダマスカス公爵家の者でした。問題の少女は、実は男の子だったんです」
キャサリンは報告に驚く
「えーー!男のこぉーー?」
「キャサリン様!声を抑えて下さい!」
「あら、ごめんなさいオホホ」
ニースは公爵家での事を伝えた
「私も驚きました、公爵家のメイドからもよく間違えられると言われてました。
それにメイドたちの評判が驚くほどよく、便利な道具も作ってくれたと言ってました」
キャサリンは興味深い話も聞き益々ユラに興味を持った
「珍しくエレンが熱く語るから、私も興味あったから招待状用意させたけど、正解だったわね。私もその子に会ってみたいわ」
フフフ便利な道具を作る女の子のような可愛い男の子か楽しみだわ…
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