第3話ユラとメイド(改)
ボクは、町に出ていろいろな事を体験して、益々自分のいろいろなスキルを身につけて町の人達に尊敬される領主になりたいと思った。
『この前の事もあるし町の治安絶対何とかしたいなぁーそれに食糧事情とか衛生面とかいろいろ改革したいなぁ』
そのためには勉強だね、書庫から本探して、知識を身につけて、武術鍛練もしていろいろスキル身につけたいけど、レスターさんボクの時は本気だしてすぐ終わらせてくるし、魔法指導のマーラさんは魔力循環のやり方教えてくれただけで後は、何も指導してくれないから全然進まないし
でも弟のトータスなんか剣士としての才能があるみたいで、剣術訓練もレスターさん熱心に教えてるし、魔法もマーラさんトータスの魔力を見て凄く丁寧に教えて、すでに無属性の身体強化も身に着けていて、ボクなんか比べ者にならないくらい強くなってる
ボクは、毎日鍛錬してても未だに何もスキルが習得できなかった。
正確には習得できた…
工芸と料理と掃除が…
毎日数時間使用人たちと一緒に作業をしていたからそりゃね…
だっていろいろ勉強になるし楽しいし、使用人も優しいしそんな感じで毎日やってたらいつの間にかスキルを習得しスキルレベルも上がっていた
なんでボクが料理や、掃除をしていたのか、それはボクの母様が病弱でずっと寝たきりで、父上がお仕事しでお出かけしてる間は、家のことは代わりに第二婦人のサマンサ母さんが仕切っていたからだった。
サマンサ母さんは、ボクが3歳くらいから家のことを仕切るようになって、サマンサ母さんがメイドや執事達に家事や修繕の命令するときは、ボクは一緒にやるように命令された。
その事もあり、ボクは武術の鍛錬する時間を、家事やいろいろな箇所の修繕の手伝いをしていた。
『これってほとんど使用人と同じ扱いじゃん』
このままだと武術や魔法系のスキルが覚えられないと思い、サマンサ母様にお願いしたら、余計家事手伝いの量が増やされてしまった。
「いいわよ、武術鍛錬のつもりで屋敷の使用人の手伝いをしなさい!」
「そんなぁー鍛錬しないと・・ 」
「何か文句あるのかしら?手伝いも真剣にやれば鍛えられるはずです!やりなさい!」
「わかりました・・・」
ボクは、メイド達の手伝いをしながら広い屋敷の家事、庭の手入れ、修繕箇所の補修、買い出し、いろいろな業者や商人の対応とメイドや執事達の仕事量を知りボクの渡り人として記憶にある知識を使い手伝いをしていった
ボクは、掃除の効率があがるようにいろいろ考え作った、大きい屋敷だから特に家事が大変で、長い廊下は時間もかかり重労働で腰を痛めるメイド達も多い、高い所にある窓なんかは梯子に登って拭いている
まずこの長い廊下の掃除だね、床板かぁ… これなら作れるぞ♪
ボクは執事のセバスに屋敷の中にある工作所に連れて行ってもらい、掃除道具を作り始めた。
後日出来上がってメイド達に集まってもらった
「あんな長い廊下をメイド達は膝をついて手で拭いてるんだよ、腰を痛めるのもわかる、そこでじゃーん♪幅広モップ~♪」
メイド達が興味深く見てくる
「ユラ様これはなんでしょうか?」
「これはね、床を拭くモップって言うんだ、さっきマリ達に雑巾を縫い合わせてもらって出来たちょっと長い雑巾をこのモップの先の横長の板に挟んで、ずれないように、 こことここを固定すると… 出来たぁ♪」
メイド達が回りに集まってくる
ボクはマリにモップを渡して使い方を説明する
「マリ代表して実演してみて、雑巾をつけたモップを床に当ててこの棒の端を持ってゆっくり押して行って見て」
マリは、言われるようにモップを押して行く、メイド達は立ったまま床がきれいに拭き取られていく様子を見て歓声をあげ喜んでいる
「ユラ様凄いです!立ったままで床掃除が出来るなんて!しかも一度にこれだけも うわ~~♪」
ボクは笑いながら
「これなら腰を痛めずに楽に早く床掃除が終わるでしょ♪」
メイド達は揃って頭を下げる
「「「「ユラ様素敵な掃除道具ありがとうございました」」」」
「アハハハ・・喜ぶのはまだ早いよ、これも使ってみて」
メイド達は少し大きめの桶に何かついてるのを見て尋ねる
「ユラ様これは何ですか?」
「みんな毎日たくさんの洗濯物絞って干すの大変でしょ?これはそれを助けてくれる道具だよ、ボク木工は得意だけど金属加工は出来ないから木で作ったけど、たぶんこれでも大丈夫なはずだよ」
メイド達は出来上がった道具を見つめて触って確かめている
「みんな使い方説明するね、これは濡れた布を絞る道具だよ、名前は脱水ローラー~♪」
「脱水ローラー?」
「使い方はこの上下にある長いローラーの隙間にこの濡れた雑巾を入れてローラーの端に付けてるハンドルをこうしてぐるぐる回すと濡れてた雑巾の水が絞られて出て来るとどう?」
みんな固まったまま見つめた後驚きの声を上げる
「「「「・・・すごーい!」」」」
「ユラ様ほんと凄いです洗濯の後この絞る作業がどんなに大変か!ほんと素晴らしいです!」
「マリそんなに興奮しないで」
ボクは嬉しそうにするメイドを見つめ今度はセバスに二つの道具を渡す
「セバス達にはこの高枝切りハサミだよ」
長い柄の先にハサミがついた道具を渡されセバス達は驚いている
「アハハ・・ この高枝切ハサミは、トムスさん達庭師の危険を、少しでも回避できたらって考えたの。
使い方はここに同じ長さの棒があるから、これを差し込むようにしていくと長くなるから、あとはこのハサミに付けた補助の紐を使えば…
〈バチン〉
って切れるんだけど、ただちょと使いにくいけど今はある物で作ったからこれが限界かな」
セバス達も深々と頭を下げる
「ユラ様はほんとにお優しい、庭師のことまで考えて下さりありがとうございます」
トムス達も渡した道具を嬉しそうに持ちお礼を言ってくる
「私トムスはユラ様の作ってくださった道具大切に使わせてもらいます」
「よかった喜んでくれて、あとこれ屋敷の外回り担当してるボルフさんに説明するね」
ボクは、高いところの窓を拭く道具を渡し説明する。
ボルフさん達は、真剣に見て来る
「まずこの特殊な形をしてる短い道具にさっきと同じように棒を差し込んでいく、長さはつぎ足すことで調整できるから高いところでも使えるからね、この先端の特殊な道具の使い方は、実際の窓でやってみるね。
まず先のモフモフした雑巾に洗剤をつけて、窓に当てこうして軽くなぞるようにするだけ、これで窓に洗剤が付いたから、あとは別の同じような道具に変えて洗剤のついた窓をなぞるだけで・・ どう綺麗になってるでしょう」
おお…
「凄いですユラ様!」
メイドもセバス達も感心してボクを見て来る
ボクはメイド達にも説明する
「気が付いたと思うけど、先端の道具は、取り外して使えるからね。
だから屋敷内の窓も同じようにすれば早く綺麗になるからね。
こっちのやわらかくケバケバは、ちょっと雑巾を加工してるだけだし、取り外しもこうして差し込むだけだから簡単にしてあるから、こっちは布を重ねて挟み込んで硬くしてあるから傷つくことはないからね」
メイド達は頷きながらボクの説明を真剣に聞いている
「ユラ様数々の道具をほんとにありがとうございます、特に高所の作業をする者は落下してケガをする心配がなくなりました」
「うん、みんなの手伝いをするようになって感じてたことを改善出来てよかったよ」
ボクはこの後同じ道具をいくつか作り使用人たちに渡した
『なんかこう言う感じいいよなぁ・・ 渡り人が持つ前の世界の記憶かぁ、お父様にボクは役には立たないって言われたけど、確かにボクは神様にも会うことなく渡り人として、こっちに送られた?
のかな?わからないけど…
そんな凄い力もないみたいだけど…
ボクはこれでいいや、強い力あったら何かいろいろ巻き込まれそうだし戦争とか?
絶対嫌だよ、冒険者?魔物怖いし、のんびりがいいよ。楽しくこの世界を生きていけたら』
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます