王子との出会い

奥へ進んでいくと、昔の家主の書庫があった。

「一冊くらい貰ってもいいよね。」

その本には、古代魔法について書かれているらしい。表紙の書かれているから多分そうだと思う。帰ってから読もう。


廊下に出ると、スライムが三匹現れた。でもこれ、どうやって倒すんだ?

「羅人様、スライムは体内にある丸い玉、【角】を突くのです。」


なんで知ってるんだ?あそうか、ドラって魔物の母って呼ばれているもんな。

「でもドラ達の仲間を討伐しちゃっていいの?」

「はい。底辺の雑魚モンスターは、私どもの存在なんて知りませんよ。」

なんか悲しい。まあ、討伐しちゃっていいんだよな。


「ズサッ!」

角を突くと、スライムがどんどん萎んでいく。正直キモい。


他の二匹も王累は魔法で、筋利は短剣で仕留めていく。二人とも上手いな。

スライムを全員討伐して、廊下を進み、階段を上っていくと、またスライムが出てきた。


今度は五匹だ。同じ様に仕留めていく。でも、さっきから大量発生ってほど出てきてないけど。どこかにまとまっているのかな。まあいいや、とりあえず、三階に向かおう。階段見つかったし。


三階に上がり、サーチを発動すると、奥の部屋に反応があった。やばいな、魔物の反応もある。しかも結構大きいぞ。


今知ったが、魔力の大きさも、サーチで、感知できるんだな。ってそんなこと言ってる場合じゃない!俺はみんなに伝え、奥の部屋に向かった。


「だいじょうぶか⁉︎」

中に入ると二人の女性と一人の男性が魔物に襲われているところだった。三人とも魔法で対抗しているが、魔物はもろともしていなかった。とりあえず障壁を張って、ドラに弱点を伝えてもらうか。

「【障壁】!」

「美稲!三人に回復魔法を!ドラ弱点は?」

「この魔獣はゾルバです。弱点はスライム同様胸の近くにある角です。」

スライムみたいに透けていないから難しいな。

(羅人様、超能力、透視を発動してください!)

(わかった。透視!)

あ、見えた!よしこれでトドメを!俺はゾルバに向かって思いっきり剣を振り上げた。

「ズサ!」


ゾルバが倒れていく。やった!ふう。よかった。というか、俺、魔物から人を助けすぎだろ。

「だいじょうぶだった?」


美稲にヒールで治してもらった三人の人たちに聞く。

「かたじけない。何か褒美を与えていたいのだが。」

「というか、あなたは?」

「お、すまない。名乗るのを忘れていたな。私はこのデレパキラ王国の王子クース=デレパキラである。」


まじか、王族を助けたのか。しかもきずいたら、マリーとネリー、ひざまずいてるし。そんなに偉い人なんだ。


「ここで話すよりも、王国で父上と話す方が良いかもしれん。王都へ向かうぞ。」

「待ってください。ここにいる魔物を討伐してから出ないと…」

「あ、それなら私がかたずけたぞ。」

「えっ」


クース王子ってだいぶ実力者だな。

「それならば、クース王子は、先に王都にお戻りください。私どもは、準備が出来次第王都に向かいますので。」


確かにレイカの言う通りだ。正装で行かなきゃ。この前ネリーに服を選んでもらったからな。

「そうだな。いきなりこの様な事を言って悪かった。そうしてくれ。」

そうして俺達は、クース王子と別れた。このあと、大変なことになる事を知らずに。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る