鈴蘭には再び幸せが訪れる
そんなことをひたすら土下座をして二階堂 鈴蘭さんに謝った、決して二階堂さんを蔑ろにするつもりはなかった、それでも俺は最低だったと……
「……もう、いいから……」
そう言った二階堂さんは鈴さんなのか、蘭さんなのか、それとも鈴蘭さんなのかはわからなかった。
「……鳴海君にとって衛藤さんは大切な人なんだから仕方ないよ。ついででも助けて貰った私は感謝しなくちゃいけないってわかってるんだ……でも」
「……あの人達を倒して、真剣な表情で私の目を見た鳴海君が私の……じゃないなんて思いたくなかったんだ」
と二階堂さんが何かを呟いたようだが、俺には聞こえなかった。そんな俺を見て二階堂さんは仕方ないなぁという表情で
「……鳴海君は……衛藤さんと付き合ってるんでしょ?それなら恋人の所に慌てて向かうのも仕方ないよね……」
と二階堂さんが俯いて言うので
「え?俺と玲楓は付き合ってなんかないぞ?」
と俺の方が驚いた。
「え?だって仲良しだし……あんなに真剣な表情で助けに行ったじゃない!衛藤さんの事が好きなんでしょ!?」
と、顔をあげた二階堂さんが言うが
「……本当に、恋人とかそんなんじゃないから、好きと言っても仲の良い幼馴染みだよ……もし、本当にそんな関係なら俺は他の人に告白なんかしないよ……」
と、つい先日、ある女性に告白して振られたことを白状した。
「……本当に?……これは衛藤さんも苦労するなぁ……でもそれなら……」
と言った二階堂さんは
「……鳴海君、本当にもう良いから……今度は私も
と笑ってくれたので「あぁ、勿論だ」と約束した。
「鳴海君、連絡先を交換しよう?」と二階堂さんが言うのでそれなら教室に戻ろうと言って二人で教室に戻ったら、教室の後ろに飾られていた花が綺麗に咲いていたので
「二階堂さんはいつも花を教室に飾ってくれて、偉いな」
と言ったら「えっ!気づいていたの?」と二階堂さんが恥ずかしそうに言う。朝、登校してきたときに誰が教室に来ているか、いつ花が交換されているかとか何日も観察していれば誰がやっているかなんて明らかだと思う。
「二階堂 鈴蘭さんって女の子がそういう心優しい人だってみんな知ってると思うよ?」
と言ったら「もう!鳴海君!そういうとこだぞ!?」とか顔を真っ赤にしながら言われたが何がそういうとこなんだ?
「……それじゃ一緒に帰ろうよ」と言うので二人で下校する、今日は二階堂さんに謝りたいから先に帰って欲しいと玲楓や月香さんに伝えてあるから問題はない。
「……鳴海君、鳴海君は……今のような格好と、以前のような大人しめの格好とどっちが好き?」
と、二階堂さんが何故か自身の装いについて聞いてきたので……
「どちらも似合ってると思うよ?あぁ、でも今の格好はスカートが短すぎるかな、さっきも見えちゃってたから……」
と階段の時と、土下座の時に見えていたと言ったら慌てて二階堂さんはスカートを押さえながら「えっ!見えてたの!?」と言うので
「ふふ、ギャルの格好なんだけど下着は可愛いやつなんだね」と言ったら
「な、鳴海君のエッチ!最低っ!」とか怒られたけど、怒って一人で帰ってしまうことはなく、二階堂さんに怒られながら一緒に歩いて帰宅した。
その日から、玲楓や月香さんに加わり、二階堂 鈴蘭さんも近寄ってきて良く話し掛けてくるようになった。
……何故か、二階堂さんはギャルの格好のままなんだけど、それを指摘したら「鳴海君はこういう短いスカートが好きなんでしょ?」と玲楓や月香さんの前でスカートの裾を摘まみながら発言して、三人に
「……創ちゃんのエッチ!」
「……創さんのスケベ」
「ふふ、鳴海君……ちゃんと可愛いの履いてきたからね?」
と三方向から攻められることになった、何故だ。
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