後日談⑤
四年前に我が家に天使が降臨した。何を隠そう俺と蛍との間に産まれた一人娘のことだ。
俺が横になって寝ていると胸の上に乗っかってきて
「パパ、だいすき!ちゅー」
ってキスをしてくるので抱き締めて頭をなでなですると頬をすりすりしてきて……本当に可愛らしい、世界一可愛いに違いない。
そのような時、いつもは起きて娘を抱き上げて一緒に遊ぶのだが今日はかなり疲れていたので半分寝ているようなぼんやりとした意識の中、俺の胸の上に乗って「ちゅー」してきたので抱き締めて頭をなでなでする……
「パパ、パパ、ちゅー」
グフッ!?……あれ?
「あれ?さっきもちゅーしてなかった?」
「さっき?ううん、してないよ?」
……そういえば娘が胸に乗ってくるときはドーンと勢いよく乗ってくるので……起きないわけがない……
あぁ……そうか、うちにはもう一人……天使がいたんだ。
「ねぇ、パパ!おねがいがあるの!」
と娘がおねだりしてくるので
「どうした?」と聞き返したら
「わたしね、おとうとがほしいの!」
と笑顔で言う。
「……弟かぁ……ママに聞いてみないとわからないなぁ……」
と俺が責任の所在を蛍に押しつけようとしたら
「ママはね、パパがいいよっていったらっていってたもん!」と娘が言う。
そうかぁ……ママがそう言っていたのか……
「……じゃ、夜はきちんと良い子にして寝るんだぞ、そうしたらきっと弟……か妹ができるから……」と言ったら娘は
「うん!」と凄く良い返事をした。
それならと天使を抱き上げ公園に鬼ごっこをしに行こうと連れ出した、疲れるまで遊んで……今夜はどんな物音がしても起きない位、しっかり寝てくれますようにと。
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