第26話
今日も蛍が遊びにやってきて昼食を作ってくれている。手伝えることはないかと聞いたのだが「先輩はゆっくりしていてください」と言われたので大人しく座っている。
料理をしている蛍をぼんやりと眺める。エプロンを着け、料理をするからと後ろに纏めた髪がゆらゆらと揺れる姿を見てると新婚のお嫁さんみたいだなと思う。
「先輩、お昼御飯できましたので机の上を片付けてください」
「あ、ああ」
ぼんやりとしていたらもう料理が完成したようだ。
ご飯に味噌汁、焼き鮭にツナとわかめとキュウリの小鉢……普段自分じゃ用意することなんてできない料理だ……
「……蛍、す、凄いな!」
「……そんなことないですよ」
蛍は謙遜しながらも嬉しそうだ。
「「いただきます」」
美味い、そして飽きずに毎日でも食べられる……なんというかホッとする味だ。
「……先輩、残ったご飯はおにぎりにしておきますので味噌汁を温めて夜に食べてくださいね」
至れり尽くせりだ……
「……蛍、ありがとう。これはお返しを考えないとな……」
「……先輩にいじわるから庇ってもらって勉強も教えてもらってるんですから……私の方が恩返しし足りないと思います」
そんなことないのだが……そうだ!
「……そう言えば蛍の誕生日っていつだ?」
「……6月20日です」
ふむ、それじゃ誕生日には何か用意するかな……
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