第四十話 鍛錬の成果
そこから俺はハウエルとひたすら模擬戦を続け、ハウエルにボコボコにされては宿で体を休めをただひたすら繰り返した。
1ヶ月ほど鍛錬を続けたが、吸収した
だが代わりに
技によってはハウエルを
レナ、セリカ、フェラルとはあの後特に進展はなく、本当に俺はあの3人とキスなんてしただろうかという感じだ。
セリカは以前よりモゾモゾする様になったが、レナとフェラルは仕事が忙しい様でそんな素振りはない。
モテ期到来か?と若干ながら期待してしまった一面もあったが、またいつも通りの生活に戻っていた。
あの支配人との戦いからついには約3ヶ月、また今日も俺はハウエルと模擬戦をしている。
「そろそろ私を倒せるかしらねェ?」
「あと一押しってところですかね……!」
「ふふ、いい自信よ。 嬉しい反面、私のプライドが負けなんて許さないんだから。 さあ、かかってきなさい」
「行きますよ……!」
俺は
ハウエルは俺が
俺は
当然ハウエルは
落氷がハウエルを襲う、がハウエルは落ちてくる氷を溶かしていく。
辺り一面、溶けた氷の水蒸気で満たされている。
「あら、これが狙い?」
受け答えなんてしてる余裕はない。
俺は水蒸気の中、
背後からの攻撃にも関わらず、ハウエルは俺の攻撃に対して受け身をとる。
「これでも受け身を取りますか」
「あなた後ろから攻撃してくるの好きよね、見え見えよ」
ハウエルは着地した俺目掛けて渾身のパンチを放つ。
だが俺も
「最初の頃は今のパンチも避けられなかったのに成長したわね」
「お陰様で」
「これならそろそろワタシの奥義を披露しても大丈夫かしらね、当たったら死んじゃうから絶対避けてね?」
「自信はありませんが、頑張ります」
ハウエルを中心に炎の柱が立つ、建物の天井にまで炎が届き、難燃性の素材でできているであろう天井の色が紅く変わっていく。
あまりの熱量に呼吸が苦しい、ハウエルはここから一体どんな技を使ってくるんだろうか。
俺は
——なるほど、そういう技か!
「じゃあいくわよォ」
ハウエルが纏っている炎が右腕に集まっていく。 ハウエルの右腕は赤色を通り越して、白く
ハウエルがその場で思い切り正拳突きをすると、豪炎がまるでビームの様に迫ってくる。
その豪炎は俺の体を突き刺した、爆音が室内に響き渡る。
「え、なんで避けないのよ!!!!」
俺の体に大きな穴が開いている。
ハウエルはその場で愕然としている。
「これでお終いです」
「え?」
俺は背後からハウエルの頭部に向かって
ハウエルはその場で膝をつき、倒れた。
俺は遂にハウエルを倒す事に成功した。
——数分後、軽い
「ワタシ遂に負けたのね、さっきのはどういう事……?」
「
ハウエルはキョトンとした顔をしたあと、笑い始めた。
「なるほどね、これはしてやられたわ。 音もワタシの技の爆音で全く聞こえてなかったし、気づけなかったわ。 それにしてもワタシの奥義がどんなものなのかも分からないのによく背後を取ろうと思ったわね」
「実は
「そ、そんな
「でも今までこの
「まさか奥義が仇となるとはねぇ…… とにかくおめでとう。 あなたは十分強くなったわ」
「これまで色々とありがとうございました」
俺はその場でハウエルに向かってお辞儀をした。
「さて、これからアンタはどうするの?」
「諸事情がありまして、王都に向かおうと思います」
「なるほどね、今のアンタならそこそこ戦えると思うけど、あまり無理はしないようにね?」
「はい、そのつもりです」
「あとワタシに勝った記念にいいコト教えてあげる」
「いいコト……?」
ハウエルはじっとりとした笑い顔を見せる。
「王の
「王の……
俺はハウエルから王の
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