『小さなお話し』 その86

やましん(テンパー)

『理想の国民』

『これは、まったく、フィクションである。』



         👨‍🎤



ごきなら麹漬けの佑


『原稿以外のことは、しゃべらないアナウンサー。


 私の讃歌以外は歌わない歌手。


 なにも、語らず、ただ、私を賛美する市民。


 私の讃歌しか、書かない小説家。


 私以外には、投票しない、有権者。


 これこそ、理想の民であり、理想の国民のありかただ。


 あと、一歩。だ。』



副官


『やましんちの地下の動きについての、情報があります。スパイのカージンゴからです。はとさぶろは、毎日、酔いつぶれていて、まともに行動できない。やましんさんは、落ち込んでいて、そう、長くはなさそう。ごき大将が、一番危険だが、歳のせいか、最近はやや、ボケぎみだとのこと。』



なら麹漬けの佑


『ふん。まあ、あそこは、たかが知れているが、よくわからん部分がある。監視は怠るな。』


副官


『は。しかし、先にぶち壊したほうが、良いのでは?』



なら麹漬けの佑


『それでは、つまらん。みのほどの哀れさを、いやというほど、味あわせねば。』


副官


『なるほど。あ、最新型の、マッサージ器が、入りました。』


なら麹漬けの佑


『リラックスルームに設置せよ。』


副官


『は。あなた以外は、有料でよいですか?』


なら麹漬けの佑


『きみも、無料でよい。』


副官


『恐れ入ります。』


なら麹漬けの佑


『ことが成れば、わたしは、皇帝、きみが、首相だ。いよいよ、邪魔で、役にたたぬ人類の排除にかかろうと、『宇宙ごき総統』と、先ほど、話したのだ。』


副官


『なるほど。いよいよ、ですな。』


なら麹漬けの佑


『なに、簡単だ。ぱらぱら、さ。きききききききのきききき❗』


副官


『ぐふふふふふふふふふふふ』



 ふたごきは、三度で、ハモったのである。


 なんだか、みたような、シーンだが。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・


               おしまい










 





 

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『小さなお話し』 その86 やましん(テンパー) @yamashin-2

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