第16話 居残り勇者2
「勇者様、不精ながら申し上げます。勇者様は一度実戦を経験すべきかとおもいます。」
皇女とのんびり談笑していた凍也に騎士団長が意を決して告げる。
「勇者様には酷ですが、殺らなけば殺られる、殺らなければ何も守れないということを身をもって体験していただかなければなりません。」
騎士団長の厳しい言葉に皇女が目を伏せる。
「これは勇者様の為でございます。殺す覚悟がなければ必ず殺されます。殺す事が出来るようになれば剣術も昇華するでしょう。そうして剣術が昇華すれば、手加減ができて殺さずに制圧もできるはずです。」
「いきなり対人は難しいでしょうから、モンスターから始めるのがよろしいかと。」
騎士団長の話を目を閉じて聞いていた皇女が
その目をソッと開け勇者の目を見ながら話す。
「わかりました。ではとりあえず勇者様には街に行き、冒険者になっていただきます。もちろん公国が全面的にバックアップいたします。ですので勇者様、お願いしてもよろしいでしょうか?」
凍也は返事を一日まって欲しいと皇女と騎士団長に告げ、自分に充てられた部屋にもどった。
たしかに騎士団長の言った通り自分には覚悟が足りない、現場に甘えてたんだと思う。こんな事では世界を救うどころか幼馴染の日向すら守れないかもしれない。
だとすればどうする?
いつやるの?
今でしょ!
よし、覚悟は決まった!明日皇女様に伝えよう。俺は冒険者になりますと!
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