四章 闇を抱える後輩
『黒』よりも黒いと言うべき『漆黒』と呼べる空間を俺は彷徨っていた。
ここはどこかの部屋なのか、トンネルなのか、異空間なのか。
辺りには何もなく、何も見えず、何も聞こえず、何も匂わない。
誰かが傍に寄り添ってくれるわけでもなかった。
俺はたった一人でそんな空間をあてもなく歩み続け、見えない光を探していた。
自分の精神が朽ちようとしている。
それを理解していながらも、俺はやはり、ただ歩くだけだった。
「私の話、ちゃんと聞いてる?」
「しけた面してんなぁ。何をぼーっとしてるんだよ」
どこかに飛んでしまっていた意識は、柊と都乃衣先輩の声を聞いて、ようやくあるべき場所へと戻ってきた。
俺はいつも通り、放遊会の一人として放課後の進路資料室に出向いていた。
最近は全員で集まる機会がなかったのだが、今日は珍しく三人が揃っていた。
「ああ、すみません。考え事してました。なんの話でしたっけ?」
まともな話ができる都乃衣先輩に問うたつもりなのに、柊が部長面して割り入ってくる。
「放遊会の存亡についての話だよ。結局新入部員来てないからね」
「そんな話だったか。オーケー、思い出した」
「んもー、しっかりしてよ。そもそも部員探し、きちじょーに頼んでおいたんだけど?」
「できるだけでいいって言ってたじゃないか」
「何それぇ。君には期待してたんだけどなあ」
知らん。そもそも部長を名乗るなら、お前自らが率先して探してこいよ。
俺が内心反論の弁を述べていると、都乃衣先輩も似たようなことを考えたらしく、
「グダグダ言っても仕方ないだろ。で、どうするんだ?」
相変わらず資料に目を落としたままだが、話にはちゃんと参加しているらしい。
器用な人だ。
「きちじょーはどう思う? どうすれば新入部員来るかな?」
「だからさぁ、まずお前が具体例を挙げろっての。放遊会の活動方針、中途半端だし、そう簡単に寄って来ないぞ」
「うーむ。やっぱりここはさ、いつかのひったくりを捕まえたときみたいに、何か成果を上げるしかないかなー」
「あー、あったなそんなことも」
都乃衣先輩が懐かしむように声を上げた。
たしかにちょうど半年前に、そんなことがあった。そのときも放遊会は廃部の危機に瀕していたのだが、ひったくりを捕まえ感謝状を貰ったことが理由となり、延命することができていたのだ。それも柊と都乃衣先輩の手柄であり、アレに関しては柊に感銘せざるを得ない。
「かもしれませんけど、成果を上げるってどうやるんですか? それって、犯罪が起こるのを待つってことでしょう? 得策とは思えないです。何より考え方が汚い」
「何も悪者退治だけじゃないでしょ。例えば重い荷物を抱えた年寄りを助けるとかさ」
「それっぽっちじゃ成果とは言えない。ちょっとした人助けだ。放遊会の株が上がるとは思えないな」
「うわ。きちじょーも中々汚い考え方してんねー。人のこと言えないよー」
「正論を言ってるまでだ。やるならもっと堅実なことにするべきだろ」
都乃衣先輩は一息ついたらしく、資料から顔を上げた。
「堅実って言うと、やっぱ部員募集のビラ配りじゃないか? 一つずつ教室を回って勧誘したり、許可を得て校舎内にポスターを張ったりな」
「ですね。そういうのがいい塩梅だと思います」
「ちまちましててなんかカッコつかないけど、やっぱそうなるか」
カッコつかないってどういうことだ。頼むから真剣に考えてくれよ。
やはり都乃衣先輩と相談した方がいいと判断した俺は、都乃衣先輩用の喋り方をする。
「問題はそのプリントとポスターの内容ですね。誰が書きますか?」
「はいはーい。じゃー私が書いてくるよ!」
またも割り入ったのは柊だ。
「あのな。文化祭の話し合いをしてるわけじゃないんだぞ。しっかりしてくれよ」
「だいじょーぶだいじょーぶ。私そういうの得意なんだよ。それにさ、逆に私じゃなかったら誰が書くの?」
「俺はそんな暇ないからやらん」
都乃衣先輩は真っ先に選択肢を除外させる。
「俺は……」
正直言うと自信はなかった。
文字を書くだけなら及第点は出せるだろうが、勧誘となると絵を描く必要も出てくるだろう。他人にはひた隠しにしてきたが、俺は絵心が壊滅的なのである。
「わかったよ。柊に頼むよ」
「おっしゃ! この部長サマにまっかせなさーい!」
柊が楽しそうに腕を振り上げると、都乃衣先輩は薄っすらと優しい笑みを浮かべた。
数十分後、柊の作った原本を元に、プリントとポスターの印刷を任された俺の姿は、コンピューター室にあった。『情報』の先生には事情を話して許可を取ってある。
『『放課後を楽しく遊んで過ごそうの会』新入部員、絶賛募集中!
あなたの学校ライフをより良いものにしよう!!!
詳しくは二年A組 柊まで!!!!!』
およそ高校生の作った代物とは思えない印刷物が、一枚ずつ機械から吐き出される。
よく見ると細々と小さな文字で色々と書かれているようだが、目につくのは上にでかでかと書かれたこの三行の文言だろう。
活動場所も活動時間も、大事なことが何一つ明記されていない。まあたしかに集合場所が進路資料室というだけで、不明瞭な点は多いが、勧誘するためのプリントとしてはお粗末な気もする。強いて言うなら、『場所:校外 時間:連日の放課後』になるか。
極めつけというか、この異常なビックリマークの使い方も気になってしまう。
一行ごとに数が増えてるし……。勢いだけで書いたろ、これ……。
だが、かといって最悪というわけでもなく、それさえ目を瞑れば、さすが令嬢ということもあり、文字そのものは非常に洗練されていてレイアウトもよく、可愛らしい挿絵も散りばめられており、引き付けるような何かを感じる要素を多分に含むプリントだった。
だから一概に作り直しを要求することもできず――。
「……」
こうして、部長の命に従うのみなのである。
「これだけあればいいだろ」
それぞれのクラスに配る用が二十枚、校内に張り出す用が二十枚の計四十枚。
こんな同好会に資源を費やすのも申し訳ないと思い、それくらいで打ち切ることにした。
中々に厚みを持つ、柊作のプリントを両手で抱えて教室を後にする。
「今日の活動がこれだけなら、さっさと終わらせて帰るか」
その際俺は、プリントを一枚取り忘れ、机の上に置きっ放しにしてしまったことに気付かなかった。そしてそれが開いていた窓から外へと飛び出し、一人の少女の手に渡るということを、後に知ることになる。
2
二十枚のプリントすべてを校内に張り終え、ようやく帰路に着くことができた。
安堵と疲労とで、大きなため息が出る。
柊と都乃衣先輩は、すべてのクラスを回り、校内に残っている生徒に勧誘をしているらしい。今ごろそれも終盤に差し掛かっていることだろう。
ようやく家まで辿り着き、建付けの悪い玄関の扉を手前に引く。
日が暮れるまでパソコンでも弄って時間を潰そうかなどと考えていると、廊下の奥から蓮が歩いてきた。
「お、叶真おかえりー」
「ああ蓮。どこか出かけるのか?」
珍しく外用の服に着替えており、そんな疑問が口を突いて出てくる。なんだか普段着と相まって、オシャレをしているようにも感じた。
「まあ……。オフ会に行ってくるわ」
「オフ会? それって、ネットで知り合った奴とオフラインで会うアレか?」
「そうそれ。昨日フレンドとオンラインゲームやってるときに、ファミレスで軽く会食でもしようかって話になってさ、近くに来てるらしいから行ってくるわ」
「本気で行くのかよ」
どうもコトがトントン拍子で進んでいるようで余計なことを懸念してしまう。
例えば相手がかなり年上だったりしたら、蓮はどう対応するつもりなんだろう。
もしかしたらただのオタクでは済まないかもしれない。ヤクザとまでは言わないが、野蛮な相手だった場合には蓮の命が危ぶまれる可能性も十分ある。
「なんで? ダメなの? 友達に会いに行くようなもんだよ」
「いやいや、それは友達じゃないだろ。顔も見たことないような奴に会うんだろ。大丈夫なのか?」
「叶真が考えている事態にならないよ。タイマンで会うし、そもそも女性だから」
「なんで女性って言い切れる?」
「いつもボイスチャットでやり取りしてるから」
「……美人局じゃね、それ。お前、騙されてるんだよ」
「おい叶真。俺の相棒を悪く言うと許さないぞ」
「えー……」
ダメだこれ。ネット民特有のノリって奴なのか知らんが、相当毒されてるぞこいつ。
「わかったよ。そこまで言うなら行って来いよ。夕飯は食うのか?」
「ああ、うん。軽く話すくらいだから日が暮れる前には帰るよ」
「そうか。気を付けてな」
「はいはい」
蓮は最後までなんの危機感も持たずに、階段棟の方へと姿を消した。
さて……。
まあ言うまでもないだろうが、わかったと言っておきながら納得はしていない。弟がオフ会などという謎の会合に出向くのであれば、それを最後まで見届けるのは、兄のすべき努めではないかと思う。
何より家族が面倒に巻き込まれて俺まで手を煩うのは甚だ御免だ。
「ふぅ……時間はあるし、様子見がてら付いて行ってみるか」
人生で初の尾行というものをやっていると、まもなくして『サイゼリア』に辿り着いた。
イタリア料理を中心に低価格で提供する、中高生の財布に優しいレストランである。俺も放遊会のメンバーと何度か行ったことがあるが、キノコのスパゲッティがお気に入りだ。
店員に席を案内される際にそれとなく要望をして、蓮の見える位置に着く。
ここからなら蓮の席は素通しでよく見えるし、蓮の背中に位置しているから向こうから気付かれる心配もない。即ち探偵の素質があるんじゃないだろうかというレベルでベストポジションだった。
「よし。あとはそのオフ会に来る相手がどんな奴か確認するだけだな」
尾行の目的をあえて口に出して確認する。別に相手の女性がどんな人か気になっているわけではなく、あくまで蓮を気遣っているからだ。いや、ホントに。
「吉祥。何やってるの?」
「……ぐっ、お前こそ何やってるんだよ」
真横から俺を呼ぶ声が聞こえたかと思って振り向くと、伊吹が我が物顔で俺の隣に座っていた。店員が傍でお辞儀をしているところを見るに、知り合いだとか言ってわざわざこの席に通してもらったのだろう。
「吉祥に用があって家まで行ったら、ちょうど団地から出てくるところでさ、気になって付いてきたんだ」
「尾行してたのかよ。趣味の悪い奴だ」
「それ、吉祥が言うの?」
小馬鹿にするように笑う伊吹。尾行しているところを尾行されていたわけか。なんだか醜態を晒していたみたいで恥ずかしいな。
「あの中学生くらいの男の子を尾行してたの?」
「ああ。つってもそういう趣味があるわけじゃないぞ。あいつは俺の弟の蓮だ。オフ会で女性と会ってくるって言うから、様子を見ておこうと思ったんだ」
「へぇ、弟思いだね」
「巡り巡って俺のためになるんだ。そういうんじゃない」
れっきとした理由を説明しても伊吹は適当に返事するだけだった。
「それで、相手の女性っていうのはまだ来てないみたいだね」
「だな。まあしばらく待ってりゃ来るだろ」
そもそも軽く話すくらいだって言ってたし。
「お前、何か飲むか? ついでに持ってくるぞ」
どうやら伊吹もドリンクバーは頼んだみたいだ。無駄にしないためにも何か飲んでおかないと。
「あ、じゃあ、コーラとメロンソーダとオレンジジュースを一対一対一で混ぜた奴をお願い」
「お前ガキかよ。本気で言ってんの?」
「うん、お願い」
「はいはい、わかりましたよっと」
ディスペンサーの前で他の客に白い目で見られつつも、伊吹が御所望のドリンクを調合する。俺の方は無難にアイスコーヒーを淹れて戻ってくると、伊吹は不自然なくらいに蓮の方を見つめていた。少しは遠慮しないとバレるぞ。
「ほれ、特製ミックスジュースだ」
「うん、ありがと」
濁った色をした液体を美味しそうにストローで啜る伊吹。
「見て吉祥。相手の人来たみたいだよ」
言われて蓮の席に視線を移すと、対面の席に一人の女の子が座っていた。
翡翠色の目。ブロンドを含んだ髪。西洋の血を含んでいるのではないか端正な顔立ち。長髪は見るだけでもさらさらとしていて、よく手入れがされているのだとわからされる。
正直言って、蓮には不釣り合いなくらいに、絶世の美少女だった。
「あれが……オフ会の相手? あの子がオンラインゲームをやってるっていうのか?」
「人を見た目で判断するものじゃないよ。やっていたとしてもおかしくないでしょ?」
「そうなのかなぁ……」
これは本当に美人局の可能性が濃厚になってくるぞ。実は近くに女の子の彼氏がいて、出てくるタイミングを狙っているんじゃ……。
「なんか楽しそうだね、あの二人。普通に趣味の話をしてるって感じだけど」
そう言われて耳を澄ませてみると、聞こえた単語を繋げた限りでは、どうやらFPSゲームの話をしているようだ。だからと言って気を抜いてはならない。
「落ち着かないね、吉祥。そんなに気になるなら話しかけてみれば?」
「はあ? お前、それガチで言ってる?」
「弟さんのことが心配なんでしょ? いいんじゃない? 直接話を聞けばいいじゃん」
「さすがにそれは……」
蓮と愉快そうに会話を続ける少女が気になってしまう。
たしか蓮は、あの少女のことを『相棒』と表現していた。それがオンラインゲームの中での正当な二人の関係なのだとしたら、水を差すのは無粋な気もする。
いや、かといってこのまま黙って見ているのも如何なものか。
少女は徐にスマホを取り出すと、素早く画面をタップした。誰かと連絡でも取ったのだろうか。さらに釘付けになっていると、少女の視線がこちらに及んでくる。
「……ヤバっ」
慌てて俺は窓の外だけを見るように意識した。この嵐が去るのを静かに待つ。
えーと、勢いで尾行したのはいいけどここからどうしようか……。伊吹の言う通り話しかけるのが手っ取り早いのか……。
「ねぇ吉祥、二人、店を出て行っちゃうよ」
「……え?」
言われて店内に視線を戻すと、レジのところで、蓮が二人分をまとめて会計しているのが目についた。話に耳を傾けていた伊吹曰く、ここでの会食にはひと段落ついたらしい。
「どうする? 私たちも追いかける?」
「まあ、不健全なところでも行ったらマズイしな」
「ははは、ないない。……で、会計はどうするの?」
「普通にそれぞれ払うのでいいだろ」
「ドリンクバーだけなのに、男らしくないなぁ。弟さんを見習いなよ」
「うっせ。それぞれが払うってのも俺なりの気遣いだ」
サイゼを出ると、二人は別々の方向に歩き始めた。
「えっ、もう解散するのか?」
実際にはサイゼ内で三十分ほど会食していたのだが、オフ会にしては早い解散に感じる。いや相場など知らんけども、もう少しは膝を突き合わせるものではないのか。
「んー、なんかゲームの話で盛り上がってたし、この後はゲーム内で楽しむって感じなのかな」
「そういうことか。今回のはあくまで顔合わせ程度ってことかよ」
「でさ、何回も聞くけど、女の子に話しかけないの?」
「なぁ女ってそういうのが好きなのか? 俺とあの子をどうしても会わせたいのかよ」
「うん」
うんって……。はっきり言うなぁ。
「まぁ、ここで別れるってことは、本当に悪い子ではなさそうだし、俺の考えすぎだったってことみたいだし……なら、いいか」
「念のため私は弟さんの方を追っておこうか? 非行に走ったりしないように」
「あいつに限ってそんなことはないと思うけど……じゃ念のため頼むわ」
「任せて。じゃあ吉祥とはここで一旦お別れだね。頑張りなよ吉祥」
何を頑張ればいいのかわからないが、伊吹は最後にそうとだけ言い残すと、蓮が歩いた方向へと足を向けた。
伊吹が蓮の動向を追うのであれば、やはり俺は少女を追うべきか。
俺は小走りで蓮の相棒とやらの足跡を追った。
「あの! そこの君! ちょっと待って!」
ある程度距離を詰めたところで、ちょっとだけ声を張り上げる。
「ん?」
翡翠の目が俺を射抜いて委縮してしまうが、俺は覚悟を決めて切り出した。
「君、蓮と話してたよね」
「あ、もしかして『レン』さんの知り合いなんですか?」
「うん、俺はあいつの兄弟なんだ。だからちょっと君と話がしたくて」
「お兄さんからわたしにお話しですか。どうかされました?」
「えっと、その、なんていうかさ……」
若干言葉に詰まってしまう。こういうシチュエーションを経験するのは初めてだった。
「君と蓮は真剣に付き合ってるんだよね?」
「付き合ってる?」
だから俺は、こんな感じで、少し歪んだ聞き方をしてしまった。
「付き合ってるいうか、プレイしてるっていうか……」
いや、『プレイ』はもっと違うように聞こえてしまうな……。
「あはは、そういうことですか。それでしたら大丈夫ですよ。わたしとレンさんは、あくまでゲームの中だけの関係ですから。今日は試しに顔を合わせてみただけです」
「オンラインゲームをやってるんだよね? 蓮が君のことを相棒って言ってたよ」
「レンさんがそんなことを言ってたんですか? それは嬉しい言葉ですね」
少女は無垢な笑みを零す。そこに虚像である要素など含まれてはいなかった。
「そっか。本当にあくまでゲーム上の関係ってことなんだね。それが確認できてよかったよ」
「わたしの方こそ、レンさんの秘めたる思いを聞けてよかったです。あ、ちなみに『レン』っていうのは彼のゲーム内の名前です。もしかして本名をそのまま使ってるんですか」
「あー、まあそうなるかな……」
なんか勢い余って明かしちゃってるけど、さすがに悪用されたりはしないだろう。というか信じるしかない。
「わたしは『ユーカ』って言います。今後ともレンさんとはお付き合いすることになると思うので、よろしくお願いしますね」
「……え? 『ゆうか』? 『ゆいか』じゃないの?」
「どういうことですか? わたしはゲーム内では『ユーカ』と名乗っているってことですよ?」
「ああ、そういうことね……気にしないで」
違和感のあるラリーが終わると、急に少女は目つきを変えた。
いや、変えたような気がした。
「あの、お兄さん。出会って急にお願いするのも生意気なんですけど、わたし、この後行きたいところがあるんです。アスカ町について詳しかったりしませんか」
心なしか声色まで変えて上目遣いに問うてくる。それにしても美人な女の子だ。頭が一つ分小さく蓮と同じくらいの身長だが、全身に纏っているオーラを鑑みる限りでは蓮よりは年上に見える。
「ずっと住んでる町だから詳しい方だとは思うけど。どこに行きたいの?」
「『アスカ町第二ガラス工場』というところに行きたいんです。この近くにあるというのは知ってるんですけど、この辺はあまり詳しくなくて」
「ああ、あの工場か。それなら何度か前を通ったことがあるよ。何か用でもあるの?」
「まあ、色々と」
言葉を濁す少女。
しまった。つい質問してしまったが、完全に余計な詮索だったな。
「わかった。こっちも後ろめたいことがあるし、それくらいなら案内するよ」
「後ろめたいこと?」
「いや、なんでもない。行こうか」
「あ、ありがとうございます!」
少女が深くお辞儀をしたとき、腰に巻いている長袖ティーシャツの袖が小さく揺れる。
なんというか久しぶりに見るファッションだ。
少女が俺の少し後ろに付く形で、二人で歩道を歩いていく。
俺の方は高校の制服を着ているわけだが、傍目から見たらカップルのように見えたりするんだろうか。クラスメイトに発見され、あらぬ誤解を生むのも面倒なので、カップルじゃない風を前面に出しておく。イヤホンを嵌め、音楽プレーヤーを操作する。
果たしてこれは合っているのだろうか。音楽を堪能しながらそんなことを心配していると、無言で後ろに付いてくる少女が気がかりで、やっぱり話しかけてしまった。
「君は、年はいくつなの?」
「……え、年? あ、そっか、言わないとダメなのか……」
「へ……?」
急に口調に違和感が混ざるが、少女はすぐに冷静に返す。
「十六ですよ。高校一年生です。先輩は?」
「『先輩』……。ああ、俺は十七だよ。高校二年生」
「そうなんですね。じゃあ先輩になりますね」
「うん……」
どうも質疑応答の仕方が不自然だ。知ったように先輩と呼称しておきながら、次には『じゃあ』などと初めて知ったような接続詞を付けてくる。
もしや彼女は俺との知り合いで、何か演技でもしているのか。
「あのさ、俺と君って知り合いだっけ?」
「え、わかるの?」
「『わかる』……?」
質問の意図が理解できずに息苦しくなり立ち止まってしまう。
わかる? わかるってなんだ? 覚えているか、ではなく、わかっているかと聞いてくる意味がそれこそわからない。
そんなのわからないに決まってるだろ。そうだ。俺はお前なんか知らないんだ……。
「あー……まだソレ続けるんだ」
「え……?」
「――いえ、何でもないです。気にしなくていいですよ。わたしの喋り方が不自然だったんですね。早く行きましょう」
「う、うん。そうだね。そうしようか」
そこから先、少女が急ぎ足になったのが気になった。
3
『アスカ町第二ガラス工場』の看板が掲げられた工場の前で、俺たちは足を止めた。
「よし着いた。うん、ちゃんと書いてあるね。ここで間違いないよ」
「ありがとうございます。わざわざここまで付いてきてくれて。実は一人で隣町まで来たので、少し不安だったんです。本当に助かりました」
「いいよ別に。帰り道をちょっと遠回りしたくらいだからさ」
「あの、迷惑じゃなければお礼がしたいんですけど、せっかくですからどうですか?」
「お礼? いいよそんなの。大したことしてないんだし」
「そういうわけにはいきません。付いてきてください。実は父親がここで働いているんです。お茶くらいなら出せると思います」
「君がそこまで言うなら……。じゃあ、御馳走になろうかな」
にしても工場で茶をするのか。親が働いているのであれば、事務所に通される形でそうなるのかな? どうであれ、工場前で茶の誘いを受けるとは不思議な話である。
俺があれこれ予想を立てているのに反し、少女が先導して向かったのは、正面の大きなスライドドアだった。てっきり小脇にある通常サイズの扉から入ると思ったのだが、そうではないらしい。
「こっちです」
「ああ、うん……」
人が一人通れるレベルに片方のドアをスライドさせ、暗闇の中から手招きする。
俺が中に入ったことを確認すると、少女はあたかも仕組みを知っていたかのように、操作盤を弄って灯りをつけ、ドアのカギをロックした。
「えっと、次はどこに行くのかな……?」
「次なんてありませんよ。そもそもこの工場、休業中ですし」
「休業中?」
「――ねぇ、叶真さ、ここまで来て、まだソレ続ける気?」
「さっきから言ってるその『ソレ』っていうのはなんのことだよ。しかもなんで名前まで知ってるんだ?」
「……そっか。はいはい。わかったよ。相変わらずのスタンスで行くわけね。……ったく、やっぱここは徹底的にボコした方が早いのかなー」
「どういうことだよ……」
「ふふん。いいよ。じゃあ叶真にもわかりやすいようにわたしも付き合ってあげる。実はね、わたし異端能力者なんだ。だから、機関の人間であるあんたを倒しに来たんだよ」
「異端能力者……」
そこで俺はようやく違和感の正体に気が付いた。
俺と少女はすでに一度会っていたのだ。『小さな公園』で俺と伊吹を襲った能力者、それこそが目の前の少女なのである。前回は長髪をハットに隠していたため、今回との違いに気付くのが遅れてしまったが、他の容姿はすべて同じだ。間違いない。
「お前、あのときの温度を操る能力者か」
「なるほど。叶真の中ではそういう設定になってるのね。ならちょうどいいかな」
「機関の人間だってなんで知ってるんだよ」
訳のわからないことを抜かし続ける少女に対し、これ以上御託を並べられるのを嫌った俺は、明確にすべき点を問いただす。
「叶真のことはなんでも知ってるよ。『わたしが知ってるってことを、叶真が知ってるのか』それは謎だけどね」
「どういう意味だよ……」
「わからないなら気にしなくていいよ。今からわたしたちは戦う。ただそれだけだからさ」
頭がこんがらがってきた。思考が追い付かない。
少女は工場内にたくさん積まれていたガラス板の山に歩み寄った。
「初めから、それが目的でここへ誘導したんだな……」
「逆にそれ以外何があるって言うの」
そうしてその一枚を手に取り、遠心力を使ってこちらに投げる。
ガラス……?
そう思った矢先、それは手から放たれる直前に液状と化した。
前回の鉄棒と似たような一撃。しかも今回は予備動作がない。
「チッ! 相変わらず厄介な能力だな!」
距離はある程度あったからかわすことは容易だった。
「『相変わらず』ねぇ……。それは前回の一回だけに対して? それとも『今までのすべて』に対して?」
「さっきから変な言葉ばかり使いやがって! ふざけるのはやめてくれよ……!」
目頭が熱くなっている気がする。
ダメだ……言い聞かせないとダメだ。
俺は少女のことを何も知らない。
少女は異端能力者なんだ。
俺は機関の人間として、異端能力者である少女を倒す――。
そういうことにしておくんだ。
「ふざけてるのはそっちでしょ! 今からわたしが、叶真の目を覚ましてあげる」
「ゆいか……」
……少女は努めて冷静に装う。
「一応言っておく。わたしの能力は、触れている対象の温度を弄ることができる。有機物でも無機物でもなんでもね。――今からわたしは全力で叶真に触れようとする。だから、叶真が『ソレ』を続けたければ必死に抵抗すればいい」
「抵抗……」
「行くよ、叶真?」
少女は再びガラス板を投擲する。
「はっ! そんなわかりやすい攻撃が当たるわけないだろ!」
かわしながらも、二投目に思わず吹き出してしまう。
そもそも狙いがかなりずれているのだ。
液状化したガラス板は後方の扉に直撃し、熱と蒸気を伴ってスライムのように粘着する。
「さぁて、それならこれはどうかしら?」
「!?」
少女の不敵な笑みの理由はすぐに行動となって表れた。
工場内に鎮座していた、巨大な箱型溶鉱炉の土台を溶かし始めたのだ。
「ウソだろ……。お前、正気か!?」
「……っ!」
肉体への負荷が大きいのか顔色は悪い。
いや、今はそんなことを気にしている場合ではない。
土台が意味をなさなくなり、バランスを崩す。
くっ、くそっ! 自分の能力を生かすには絶好の状況ってか!
そもそも、もしかしたらそれを考慮した上で、この場所を選んだのかもしれない。
先刻放ったガラスのせいで、扉は出入りが不可能になっていた。
こちらに倒れてくる鉄の塊から逃げる。
しかし安全地まで間に合いそうにはなかった。
「……くそっ! こっちだって重力を弄れるんだ!」
慌てて重力を緩和し、倒れる速度を落とす。
だがそれも数秒稼ぐだけで精一杯だ。
「……ぐっ!」
なんとか野球選手ばりの飛び込みを見せて難を逃れた。
なんでこんなことになってしまったのか――それを知っているようで、わかっているようで――俺はそれから目を背けている。
それが最良の選択だと言い聞かせているのだ。
俺ができるのは、少女の言うように、生きるために抵抗することだけだった。
攻撃してくるなら、こちらからも攻撃するだけだ。
うつ伏せに倒れたまま周囲を見渡し、使えそうなものを探る。
「よし、あれだ!」
工場ということもあり、机にはスパナやトンカチなどの工具が放置されていた。
それに手を翳し、弾丸として射出する。
「フッ」
少女はその一撃を笑い飛ばした。
金属はすべて直撃すると同時に、またもスライムのように粘着する。
「なっ……!」
そのときの気分は言い得難いもので――。
俺は圧倒的な差を見せられているに過ぎなかった。
少女は顔色一つ変えず、溶けた金属を片手で払い落とす。
洋服の一部には焦げ跡が残っていた。
「それで攻撃してるつもり? 堕ちたもんだね、叶真も。攻撃っていうのはこうやるんだよ」
その言葉に呼応するかのように、地面に当てた少女の手から変化が生じる。
今度は地面もろとも溶かそうというのだ。
それは俺の足元まで広がっていく。
「……っ!」
間一髪のところで、倒れた機械に飛び乗る。
どうすりゃいい? 経験値は相手の方が上だ。あいつに勝つ方法を見つけないと。
穴が空くほどに相手の動向を観察する。
そこで俺は気が付いた。
そういやあいつ、最初いたところから殆ど動いてないな。いや、動くことができないのか?
今までの行動パターンを想起すれば、おのずと解答は絞られた。
……そうか! あいつの能力はあくまで対象の温度を変化させること。移動性は皆無だし、性質上、下手に動き回れないのか。だったら……!
重力の方向を上向きにさせ、天井に張り付く。
「ちょっと! 逃げる気!?」
「それはどうかな? そこにいちゃ、手出しはできないだろ」
金属は効かないってことはわかったし、ちょうど試してみたかった応用技があったんだ。
「今度はこっちの番だ!」
鮮明なイメージが発動の条件ならこれもいけるはず。
俺は重力の塊を手に込めて、今度はそれを弾丸として攻撃した。
「……うっ! 姑息な真似を!」
思いつきで突発的にやったにしては上出来だ。
片手で持てるくらいの球体が少女に直撃する。
まだだ。もっと相手を弱らせるんだ。
「もう! 大人しく降りてきなさいよ!」
「焦ってるようじゃ、お前に勝ち目はないぞ」
数発当て、体勢が崩れたのを見計らってから、次の行動に出る。
過重力が決まり、ようやく自分が優位になっていることを実感する。
「……うぐっ」
「これ以上戦ったってなんにもならない。頼むから降参してくれ」
「ははは……。現実逃避してるクソ野郎のくせに……本気を出したときの能力の使い方は一丁前だね、叶真。――ねぇ叶真、どうして異端能力者に降参をさせようとするの? 機関の人間は相手を無力化して捕まえるのが任務だよね?」
「それがなんなんだよ……」
「まだそうやって逃げるんだ。わたしはそんな奴に負けない……。今、叶真の目を覚ましてあげる……」
少女は重圧に耐えながら、再び地面に手を押し当てた。
「何度やったって無駄だ!」
「無駄じゃない!」
気迫に満ちたその意志は本物だった。
今度は地面だけでなく、壁や天井にまで能力が及んでいく。
「チッ!」
やむを得ずその場から離れる。
「だったらこれで終わらせてやる!」
そして宙を落ちている最中に、トドメの一手を見出した。
天井が歪み、落ちそうになっていた鉄骨の軌道を操作し、奴の脳天を狙う。
大きな衝撃音が鳴り響く。
直後、周囲は砂煙にまみれた。
この際ある程度のケガは必要経費だ。
全てを懸けた最大の攻撃。
これで確実に勝ちが決まったはずだった。
「ウソだろ……」
しかし目の前には予想外の光景が広がっていた。
コンクリートできた、コロニーのようなドーム状のものが形成されていたのだ。
少女はそれを盾として自らを守ったのだと理解できる。
コンクリートの壁は、地面に戻るように溶けていく。
「はぁ……はぁ……」
「虫の息じゃないか。その体でどうするんだよ」
連続の発動で、かなり体力を消耗したらしい。
立っているだけでやっとのようだ。
「まだよ。まだ手は残ってる……!」
千鳥足もいいところで、なんとか体勢を保ちながら、こちらに向かってくる。
「そうまでして俺の体に触れる気か。たしかにお前の能力を人体に発動させれば、俺は何もできなくなる。だが、今のお前に触れられるわけが――」
その場を移動しようとしてようやく気が付く。
あいつ! いつの間に、足を拘束しやがった!?
地面を溶かした折に行ったのか、両足が動けない状態になっていたのだ。
「くそ! 諦めろよ! もう本当は限界なんだろ!」
再び重圧を仕掛ける。
しかし少女は歩みを止めようとしない。
「頼むからもうやめてくれ……。そのままその場で寝ていてくれよ……」
俺は少女に両肩を掴まれていた。
「お願いだからちゃんと質問に答えてよ。叶真は、まだソレを続けたいの?」
「わからない……。これ以上おかしなことを言わないでくれ……」
「わからないわからないってさぁ。さっきからそればっかりじゃん叶真!」
少女はそこで、肺が割れんばかりに息を吸い込んだ。
「いい加減にしろよ叶真! そうやって過去から逃げ続けて、なんになるって言うんだよっ!」
「……」
「誰だって少なからず闇を抱えて生きてるんだ! 自分だけが不幸人みたいな面してんじゃねぇ!」
「お前は何を言って……」
口調がまるで安定していない。もうこれ以上、こいつと口を聞くのは嫌になってきた。
「叶真がそんなんで、伊吹さんが喜ぶと思ってんの!?」
とうとう俺は、歯止めが利かない域に達しようとしていた。
悲しみと怒りと後悔と、マイナスの感情が一気に押し寄せてくる。
俺は能力を解除していた。
「叶真に会おうと思って学校に行ったらこれを拾ったよ。これを見てもまだ逃げるの。ほら、『放遊会の現在の部員は三人』って書いてある。部長が柊さんで、副部長が都乃衣さん。あと一人は叶真だよね?」
どこかで手に入れたらしい、放遊会の勧誘プリントを突き付けてくる。
「……うるさいな。お前に何がわかんだよ! お前に、大切なものを失う悲しみを理解できんのかよ!」
「お願い……これ以上目を逸らさないで」
「お前が失ったものなんてただの友達だろ。親友を失ったくらいで大層なこと抜かしてんじゃねぇよ!」
「叶真、それは本心から言ってるの?」
「うるさいって言ってんだろ……。頼むから一人にしてくれよ……。こっちだって努力はしてんだよ……」
「叶真……」
少女の憐れむような目がきつくて、俺は視線を逸らした。
なのにこいつは、まだ言い寄って来る。
「お願い叶真。いつもの叶真に戻ってよ……」
「ごめん、結香……。それはできない」
とうとう感情が抑え切れなくなって、俺はそこから――また逃げ出した。
4
俺は荒ぶる感情をどうにかして鎮めたくて、でもどうすればいいのかわからなくて、転がり込むように『小さな公園』にやって来た。
いつの間にか完全に日は沈んでおり、さらには雨がしとしと降っている。
大木の周囲を囲む丸いベンチに腰を下ろし、項垂れる。
『コレ』に関してどう折り合いをつければいいのか、いくら考えても答えが出せなかった。
息を吸って、息を吐いて、また息を吸って、また息を吐いて――。
そんな風に意味のないことを繰り返したところで、ただ時間が過ぎるだけだった。
「吉祥!」
静寂を打ち破ったのは、とある女の一声だった。
顔を上げて公園の入り口を見ると、青いリボンなのか赤いリボンなのか、判断に困るそれをぶら下げた女の姿がある。
後ろには先刻の能力者を名乗る少女の姿もあった。
二人とも息を切らしており、どうやら俺の後を追ってきたらしい。
「なんだよ、お前か。蓮の後を追ったんじゃなかったのか?」
女は俺の問いに答えてはくれず、静かに近くまで歩み寄った。
ベンチに座るこちらの目線に合わせるためか、姿勢を低くして、俺の顔を覗き込んでくる。
「もうやめようよ、吉祥。本当は吉祥だって限界なんでしょ?」
「……なんの話だ? 放遊会の話か?」
「私は放遊会の人間じゃない。そうやってまた現実から目を逸らすの?」
「……」
女は静かに俺を諭す。俺の心を覆う殻をどうにかして破ろうとしていた。
俺は下手な作り笑いをして、この空気を誤魔化そうとする。
「それより、後ろの女には気を付けた方がいいぞ。異端能力者って言ってな。さっき工場で襲われたんだ」
「違うよ吉祥。結香は私の仲間だよ。鶯谷結香っていうの。前回と今回とで、二回も協力してくれたんだよ。そして吉祥も私の仲間。私たちは三人で一つのチームでしょ?」
「……」
違う……。俺たちはまだそこまで行っているような仲じゃない。俺はついこの前機関に入ったばかりで、お前とは数回話した程度の仲なんだ。
「この一週間、色んなことがあったよね。都乃衣さんの家に行って、こはるちゃんさとるくんまいちゃんと遊んだり、柊さんの家では桜満さんから柊さんの話を聞いて、夜には社会科見学をしたりした」
「……」
「吉祥は異端能力者と二回戦うことになったけど、ピンチになったときには、陰ながら私がサポートしてたんだよ。気付いてた?」
「うん、してたな……。その件は助かったよ」
段々と自分の記憶が正しい色を織りなしてくる。
結局俺は、自分で消していた色を元に戻そうとしていた。
「ねぇ吉祥。吉祥にとって私は誰なの? だって吉祥はこの一週間、私の名前を呼んではくれなかったよね。あなたにとって、私は誰なの? 私の名前をちゃんと呼んでよ」
「名前……」
俺は重く感じる頭をどうにかして持ち上げて、優しく微笑む女の目を見つめた。
首元には、青いリボンがぶら下がっている。
「お前は……お前、は……」
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