「ぼくら」以前

あなたとぼくは生まれる前

きっと一つのいのちだった

それでもぼくらはこの世を選んだ

それぞれの寂しさとかなしみを背負って


時の刻みに追いたてられて

心ゆるせず意地を張る

矛盾を抱えるこの日々に

遠い記憶は錆びついてゆく


忘れたって大丈夫

二人だけで分かち合った

あの透明な眩しい痛みは

見失ってもなくならない


あなたの行方に思いを馳せ

ここから再び始めよう

いずれにしても歩かなきゃ

あなたに会えないと言い聞かせ


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る