空気

空気になってた。息をしないようにしてた。


図書館に行っても、テーブル席で本を読むと、誰かに見つかって、何か言われそうで。


本を探すふりをして、本棚と本棚を行ったりしていた。


下校時間になって、皆が帰る時間になっても、帰り道誰かと会うのではないかと思い、一人廊下にいた。


友達が居ないわけではない。


だけど、この寂しく息苦しく心臓がギューッと掴まれてるような心は、誰にも分からないと思ってた。



分からないよ。


親にも、友達にも。


顔の知らないネットで知り合った人だけが

分かってくれた。


それで良かったんだ。


それが良かったんだ。

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