第6話

 仕事がサクサク進むねぇ。日曜のダンジョンアタックでさらにレベルが一つ上がった事も影響しているんだろうけど、とにかくフィジカルの負担が今までと段違いだ。

 つくづくもっと早くアタックしていれば良かったと思った。

 会社の同僚になんでダンジョンアタックしないのか聞きたかったけど、それを聞いたら俺がダンジョンに潜っている事、ひいてはどこかで冒険者登録していない事がバレるのも怖かったので聞けていない。どこかの掲示板でも聞いてみるか?でもIPから特定されたら死ぬな。



 月~金曜は何事もなくいつものように始業~終電コンボで過ぎた。現在業務は繁忙期の真っただ中。この忙しさも来月には少しは落ち着くはずだ。落ち着くだろう。落ち着きたい。


 業務が落ち着けば今までのような週末の限られた時間のアタックではなくもう少し時間も取れるだろう。散々サビ残してるんだからちょっとくらい有給使わせてもらってもバチは当たらないはず。


◆◇◆◇


先週同様に金曜は少し早上がりした。とはいっても会社を出たのは21時前だが。

帰宅して夕食を食べ、少し仮眠する。体力は十分あるけれど、アタック中に集中が切れたら怖いので仮眠は絶対だ。

前回アタックで得た魔石でレベルアップしたクロは、槍をさらに強化してくれた。前回よりも強度も切れ味も上がっている。物は試しとばかりにリンゴを宙に放って落下点で槍を向けていたらサクッとリンゴが二つになってビビった。切れ味良すぎじゃね?



早朝4時、俺はダンジョン前に立っていた。いつものように人の気配は無い。まぁわざわざ春道ダンジョンにアタックなんて誰もしないだろうからね。職業探索者にとって春道ダンジョンは如何せん旨味が無さすぎる。

 俺の今回の目標はコボルトを余裕を持って倒すこと。単独戦闘なら待ちの戦法で問題ないけれど、複数体で現れた時が問題だ。前回は運が良かっただけだと思おう。初戦闘の時のゴブリンは恐怖でしかなかったからな。あの時死にかけたにも関わらずこうやって毎週アタックしている自分の精神状況にもびっくりしているけど。


 誰もいないダンジョン前でしみじみしているのも中々に虚しいな。もうちょっと戦闘に余裕が出てきたら絶対にクロも連れてこよう。今まで独りの生活で不便も寂しさも感じたことがなかったのに、こうして家族が出来たら変わるんだな。いま、無性にクロに会いたい。


「とまぁ、いつまでもここにいても仕方ないし入りますかね……ん?」


 俺が感傷に浸っていると、不意に人の気配がした。

 背格好は150cmくらいか?中学生ぐらいの女の子がボロボロになった服と右手に血にまみれたショートソードを持って、前髪が綺麗に切られ過ぎて逆に歪ささえ感じるおかっぱ頭からは血を流した状態でダンジョンから出てきた。

 中々にシリアスな恰好してる。初アタックでゴブリン戦を終えた時の俺ぐらい重傷だ。


「お、おい…大丈夫…?」

「う……うぅ……なんとか出、れた…」


 おかっぱ少女はそう言って、そのまま身体が前のめりに倒れてきた。

 慌てておかっぱ娘を抱き上げて、そっと地面に寝かせる。

 軽いな…。これもレベルアップしたからか?いや、それにしても軽すぎる気がする。


「目立った外傷は頭の傷と、手足などに細かい傷が多数。でも目に見えない内臓や骨をやられてる可能性もあるかもなぁ…」

 女の子の身体をつぶさなく見る事に若干の申し訳なさがあったが、俺にはロリコンの気はなかったので触診だと割り切る事にした。頭の傷はかなり深い。ちょっとこのまま放置出来るレベルの傷ではないな。


「そういえばポーションが二つあったな」

 リュックの肥やしになりつつあったポーション二つを取り出す。万が一怪我した時用に保管していたものだ。使ってしまう事にためらいが無かったといえば嘘になるが、人助けだと割り切ろう。探索者協会HPにも『相互協力は探索者の基本』って書いてたし。俺はモグリの探索者だけど。


 ポーション二つを両手で持ち、濃度を確かめる。改めてこうやってみると、やはり初回アタックの時に手に入れたポーションの方が明らかに濃い。色はいずれも青みがかっており、なんとなく回復してくれそうな色合いだ。


 一応、毒があったりしたら怖かったので、薄い方のポーションを数滴地面に垂らして反応を見る。うん、なんとなく雑草が元気になった気がする。

 続いてほんの少しだけ指に付けて、ぺろっと舐める。うーん爽快だな。美味し。薄めの味だけど、めちゃくちゃ爽快なスポーツドリンクって感じ?これは毒無いな。

 少女の腕に出来ていた切り傷に少し垂らしてみたところ、しゅわしゅわ~と煙を上げながら切り傷が少し小さくなった。よしよし。どうやら飲んでも塗っても効果はありそうだ。


 改めておかっぱ娘の頭の怪我を見ると、刃物ででも斬られたのか、思ったよりパックリいっちゃってるな。ゴブに斬られた?こうやって見ていても血がドクドクと出続けている。

 このままだと病院に連れていっても縫合は間違いないだろう。でもこの年の女の子の頭に一生物の怪我が残るのはあまりにも可哀そうだ。本当ならポーションを飲ませるんだけど気絶してしまっているので、いっそのこと頭にかけてしまう事にした。

 少しずつ頭の怪我にかけていく。先ほどの腕の切り傷を治癒した時よりも煙の量が半端ない。


 薄いポーションを全て頭にかけ終わっても、怪我は完全には治癒しなかった。血は止まっているし、少女の顔色も先程までの土気色よりは血色が戻ってきている。

 もう一本のポーションもかけてしまうか?でもそれだと頭の怪我だけが治って他の部分の治癒が進まない。頭や色んなところにこれだけ怪我をしているんだ。どこかを痛めたり折れたりしていてもおかしくはない。


「おい君、意識はあるか?薬は飲めそうか…?」

 少しだけ少女の頬を軽く叩きながら問いかけてみる。飲めそうなら飲んだ方がいいだろう。頭からもう一本のポーションをかけて外傷が治ったらそのまま放置してもいいけど、もしも後で少女に何かあったとしたら目覚めが悪いしな。それに俺は少女を病院に連れていくところまでするつもりはない。行くとしたら自力で行ってもらうしかない。病院に同行までした日には、なぜ俺が春道ダンジョン前にいたのか聞かれる事は間違いないからだ。


「ぅんん……、い、いたい、です……」

 まだ目は開けられないようだが意識はあるみたいだ。受け答え出来るようになっただけ十分回復していると言えるだろう。


「よし、それじゃ今から口から少しずつ薬を流し込むからゆっくりと飲むんだ」

「えっ…あっ…」

「口に当たってるのは薬の瓶だから気にしないで、そのままゆっくり、ゆっくり流し込むから。少し粘っこいかもしれないけど詰まらさないように気を付けて」

 内心、なんでこの子にここまでしなきゃいけないんだろう?と若干思いつつ、ゆっくりとポーションの瓶を傾けて少女の口内に流し込む。こちらのポーションは粘度があるので一気に流し込んだら苦しいだろう。ゆっくりと流し込む。

 唇にひんやりねばっとしたポーションが当たった時に少し驚いたようだが、観念したのかポーションをゆっくりと嚥下し始めた。

 途端に少女の身体中から、もうもうと煙が上がっていく。頭は勿論だが、身体中から煙が出ているのを見ると、やはり身体内部や骨にも異常があったのかもしれない。

 ってかこれ、早朝の誰もいない時間だったから良かったけど、他の人に見られたら通報待ったなしだな。いたいけの無い少女に何やら怪しい飲料を飲ませてもうもうと白煙を出しているとか絵面がどう贔屓目に見てもヤバすぎる。自分でもそう思うわ。


 そうこう言っているうちにおかっぱはポーションを全て飲み干したようだ。軽く頭を見るとあれだけパックリと裂けていた頭が綺麗になっている。斬られた事によって少しだけ毛が抜けてしまったみたいだが、まぁその内に生えてくるだろう。若いんだし。俺なら悲鳴を上げるレベルだけどね。これだけ綺麗に傷が無くなったのは、逆に綺麗に裂けていたからかもしれない。中途半端な傷だったら跡が残っていたかもしれないな。

 腕や手や顔などの小さな切り傷なども綺麗さっぱりなくなっており、顔色も完全に問題ない状態まで戻ったみたいだ。


 心拍も問題なさそうだし、ポーションを飲み干しても起きないからまた気を失っているのかと思ったら、寝てた。めちゃスースー言ってるわこの子。思ったより神経図太いのか?


 とりあえず怪我はぱっと見て問題なさそうだけど、どうしようか……。


 車に乗って自宅へ帰っている。

後部座席に少女を乗せて、だ。ポーションを飲み終わらせ、治癒が終わった後に改めて少女の姿格好を見て気付いたことがあった。

 それは恐らくは俺が想像している事と違いないと思う。

もしかしたらおかっぱ少女を助けたこの状況下は、俺のダンジョンアタックにプラスに転んでくれるかもしれないな。


◆◇◆◇

 出ていったはずの俺が全く傷も汚れも付いていない状態で、片手に槍、もう片手に女の子を連れて帰ってきたのでクロは目を点にしていた(ような気がする)。


「ちょっとダンジョン前で会ってね。怪我してたから治療して連れて帰ってきたよ」

 ここだけ聞いたら完全に誘拐です。ありがとうございます。


 ベッドに寝かせた少女を放ってどこかに行くわけにもいかないので、クロと少し戯れつつ探索者協会HPをいつものごとく閲覧する。

気になった項目を見つけ、いくつかを内容を頭に入れる。

なんだかんだと昼前になっていたので、早めの昼食を取る事にした。外に出るわけにも行かないし、作るのもめんどいからたまにはピザでも食べるか。


「ん、んん……。うん……?うわっ」

 ピザが届いて暢気に食べながらはむはむしていると、少女が目覚めたようだ。

自宅のベッドに寝かせてすでに3時間が経っていた。

念のためクロには隠れていてもらおう。


「あ、起きた?おはようございます」

 挨拶は大事。

「…え、あ、はい。おはようございます」

 はい、おはようございます。きちんと返事出来て偉いですね。めっちゃきょろきょろしているから無意識で返事したんだろうけど。

「ここは俺の家。君が怪我した状態でダンジョンから出てきたから応急処置をして連れて帰ってきたんだよ。目覚めそうになかったから悪いとは思ったけど連れて帰って来ました」


 一頻り室内に視線を張り巡らし、一瞬、片隅に立てかけられた数本の槍で視線が止まったが、すぐに俺の方に視線を戻した。

「あ、ちなみに君の服ボロボロになっていたからそのままブランケットを下ろさない方がいいよ。うん、首筋まで掛けた状態にしておいてね。下着見えるから」

 特に君の姿に欲情は抱きませんが、変な言いがかりされるのも嫌なのでやめてください。

言葉には出しませんが。


「わ、わかりました。状況がまだよく理解出来ていませんが、とりあえず助けて頂いたみたいでありがとうございます。ご迷惑をお掛けしてすいませんでした」

「いや、助けたこと自体は全然大丈夫。身体の外傷は大したことなかったけど、頭だけパックリいってたから心配だったんだ。治ってよかったです」

 少女は俺の言葉に驚いて自分の頭をしきりに触って怪我の場所を確かめていた。

そうそう、そこそこ。ちょっと毛が抜けてるでしょ?

「ちょっと抜けちゃったみたいだけど、若いからそのうち生えてくるでしょ。それまでは我慢してね」

「…あ、たぶんゴブリンに斬られた時ですね。走馬灯が見えて死んだと思いました」

 走馬灯…ね。

「その時に見えたのは何だったのかな?小さい頃の思い出?お父さんお母さんの記憶でも残っているの?」


 俺の言葉に少女は固まってしまったが、すぐに、はっ、となった。

「な、なんでわかったんですか…」

 ブランケットを強く握ってベッドの端まで後退る。

「だって君、冒険孤児でしょ?」

 俺の言葉に少女は目を見開いた後、キッと睨んできた。

「なんで知っているんですか。私が冒険孤児だってことを」


 少女が寝ている間、俺は探索者協会HPで冒険孤児のページを見ていた。正確には探索者協会が運営するNPO法人探索者孤児救済会、通称【探救会】のサイトだが。

 そもそも書状の格好は探索者にしては色々とおかしかった。

まず若すぎること。探索者登録は13歳から可能だが、普通の一般家庭で育った子供を登録する事はまず無い。あまりにも危険すぎるからだ。

 ではなぜ13歳から登録を可能としているのか?

 13歳から登録を必要としている人がいるからだ。そしてその答えが冒険孤児と呼ばれる者たちである。


「君はダンジョンをアタックしているにしては軽装過ぎた。武器は古びたショートソードが一本だけ、防具類は一切無し。それに他の道具を入れるリュック類すら全く持っていなかった。まるで散歩でもするかのような恰好だったでしょ?君ぐらいの年齢でダンジョンアタックするのなんて、冒険孤児ぐらいだと色んな所にも書いてたよ」


 冒険孤児の歴史は浅い。世界中にダンジョンが出現してから生まれた言葉で、法的に整備されてきたのはこの10年程だ。

 冒険孤児とは、探索者の両親が死んで身寄りがいなくなった子供たちの事を指す。最近整備されてきたダンジョン基準法が施行されるまでは本当に酷かった。

 漠然とダンジョンが危ない所だという認識はあっても、どこかゲームの中のような感覚を誰もが持っており、自分が特別な存在なのでは?と思いつつダンジョンにアタックして、そしてあっけなく死んでいった。

 ダンジョンに挑む者が急増した背景には、経済が落ち込んでいた事も挙げられる。スタンピード発生とともに、陸上は今までのような安全地帯では無くなったからだ。

 従来のような生活を送れなくなり、それに伴って様々な業種が衰退していった。戦争が無くなった事で最も衰退が予想されていた軍事産業が逆に好景気に沸き続けているのは皮肉に思えるが。

 ナミブスタンピードの件で効果は弱いと理解していても、防衛の為に軍備増強をする国が非常に増えた為だ。日本でも警察官は全て拳銃ではなく自動小銃に切り替えらえれている。


 そういった頃にダンジョン基準法が施行され、同時期に冒険者協会は探索者協会と名を変えた。それまでは冒険者各個人に対してダンジョンの早期発見および殲滅を奨励していた方針を変え、ダンジョンの早期発見に大幅に比重を置くスタイルに変更したのだ。協会全体の意向としてダンジョンの殲滅をほぼ諦め、定期的な間引きを行う事で小康状態を保つ方針に切り替えたと言えばわかりやすいだろうか。

 冒険者があまりにも冒険し過ぎた結果、死傷者が大量発生し冒険孤児も多数生まれてしまった。このままではダンジョンの殲滅はおろかダンジョンの早期発見すら叶わないかもしれない。そう危惧した冒険者協会は、協会名の変更および規約等を大幅に加筆修正したのだ。冒険者は冒険をするのではなく、あくまで第一任務は探索であり、ダンジョンアタックは二の次。定期的な間引き等も協会が中心となって行い、探索者の損耗率を引き下げる。そういったところだろう。


 この話には後日談がある。冒険者協会改め探索者協会の目論見は見事にはまった。探索者の損耗率は大幅に下がり、死傷率は下降している。ではなぜそれでも探索者を目指す者が少ないのか?

 まず一つには稼げない職業として位置づけられたからだ。探索者の積極的なダンジョンアタックを奨励しなくなり、結果として探索者全体のレベルが上がらなくなった。さらに戦闘ノウハウが堪らないから新規参入がしにくい。徒弟制度などがあればいいのだが、人に教えられる程度にはレベルが高い探索者は一年を通して定期間引きに徴収されており時間が無い。なのでレベルアップを目指すなら危険を承知でダンジョンアタックをしないといけない。

 ダンジョン発見時の報奨金は莫大なものだが、そう易々と見つかるものでもない。現在のダンジョン界隈はそれなりに積んでいる状況だと言えた。

 死傷率が低いとはいえ、一般市民に比べれば遥かに高い。忌避されるのは当たり前の事だった。そこで探索者協会が目を付けたのがくるみ達のような冒険孤児達だ。

 死別で残された子供たちを指す『冒険孤児』というワードについては極力そのまま残したらしい。探索者に対して冒険はするな、という想いかららしい。子供たちからすればたまったもんじゃないけどな。平時であれば間違いなく問題になるだろうが、それ以上に冒険孤児達自体にも問題が非常に多かった。社会全体も冒険孤児の問題は目に余るものがあったということか。

 

 社会のはみ出し者となってしまっていた冒険孤児達に探索者への斡旋を積極的に行い、使い潰しのように前線へと送っていく。社会も半ばそれらを受け入れている風潮があった。

 俺が冒険孤児だった時に同じ施設にいた子供達は一体何人が生き残っているだろうか…。



「私をどうするつもりですか…」

 おかっぱ少女がわなわなと震えながら俺に問う。え、そんな事聞かれても

「どうもしないけど」

「えっ」

 全然、もう帰って頂いてもいいですよ。春道ダンジョンまでちょっと遠いけど。

「特に君を助けた事に理由は無い。これは本当にそう。ちょうど入ろうと思ったら君が死にかけて出てきたから便宜上助けだだけで、誓って何の理由もない。かといって別に治療代を請求しようとかも無い。というかそんなお金も無いでしょう」

 自分で言っててめちゃくちゃ厭味ったらしく聞こえた。最後の金の件とか絶対言う必要無いもんね。後でいちゃもん付けられたら嫌だからきっちり言うけど。

 この辺りは社畜リーマンでもわかっています。あ、あんまり虐めすぎて下を向いてしまった。

 俺は善意で少女を助けたが、その治療代を【探救会】に請求は出来ない。探救会にメリットが無いからだ。

 日々、冒険孤児は生まれる。そんな一人一人に丁寧に対応する時間も金も無い。病気や事故での事ならまだしも、冒険孤児は完全に親の責任だ。

理由はどうあれ、ダンジョンアタックで死亡する事によって子供たちは一人になる。また、ダンジョンアタックで死んでも保険金も一切下りない。



「お金は…治療費は必ずお返しします」

「どうやって?ゴブリンにすら苦戦して死にかけてるのに?」

「…次は負けません!」

 そんなに睨まなくてもいいじゃない。別に俺は返していらないって言ってんだから。

「君は不幸な立場だろうけど、それは結局親が悪いんだよ。どんな理由であれ君を置いて死んだんだから。…死んだら終わりだよ」

「私のパパとママを悪く言わないで!あんたなんかに言われたくない!」

「…でも、俺が助けなかったらそれなりに危なかったと思うよ?そしてその原因は突き詰めたら君の両親なんじゃないの?」

「…っ!」

 年端もいかない少女に本気で睨まれるのは中々堪えるのだと気付いた俺だった。



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