第24話 予想もしていない来客
「いや、なんで!」
俺が思わず声を出したのには理由がある。それは、インターフォンのカメラに予想外の人物が写っていたからだ。
とにかく、通話ボタンは押していないため、カメラに写っている当人には聞こえていないだろう。それは救いだ。とにかく、不満そうな顔をしてなにか言っているので、早く通話のボタンを押さないと。
「早く、開けてくれない」
堂々として、ややトゲがある声がインターホンのマイクから聞こえてくる。
「わかったよ。ちょっと待ってて」
そう言って、俺は玄関に足を運び、ドアの鍵を施錠して、ドアを開ける。
「遅いッ」
文句を言ってくる香恋。
「ごめんよ。それにしても、なんで来たの?しかも、いきなり」
俺は率直な疑問を投げかける。
「それは後から話すわ。とにかく中にいれて」
そう言われ、俺は香恋を自宅の中にいれる。
玄関の中にはいった香恋は、靴を脱ぎ、玄関に足をつける。
「いやいや、待って待って」
香恋の行動を見た俺はたまらず、香恋を静止するために、声をかける。
「なに?」
香恋はジロリとこっちを見る。相変わらず、目つきがあまり良くない。慣れてなかったら、恐いぞ。かのゆう俺もあまり慣れていないんだけど。
「なんでいきなりうちに来たの。理由を教えてよ」
俺は気になったことは、ほっておけないタイプみたいだ。
「敦宏、あんた明日の数学のテストやばいで
しょ」
俺が理由を聞いた後に、香恋は予想外の言葉を発してくる」
「な、なんで?」
俺は動揺しながらも惚ける言葉を発する。
「いや、あんた、昔から理系科目は壊滅的にできなかった覚えがあるから」
香恋は、俺の目を見ずに軽いかんじで言葉をぶつけてくる。
「香恋はどうなのさ?」
不利な状況だとなため、俺は話題を変えるために、香恋に話を振る。
「私は大丈夫よ。苦手な教科はないし」
香恋はいつもの声音でそう答えた。
「そ、そうなんだ」
そんなことしか言えない俺。香恋も俺みたいにテストに自信がないことを少しでも、期待していたからだろう。
確かに、香恋は幼稚園ときから勉強できたけど。
「それで、本当はどうなわけ?」
問い詰めるように聞いてくる。
「やばいです。数学を教えてください」
俺は正直に答えた。事実だから。
こうして、香恋に3時間ぐらい数学を教えてもらった。明日も来ると言っていた。
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