『小さなお話し』 その85

やましん(テンパー)

『マッサージチェア』 その2

 さて、読者諸賢は、そもそも、ごきは、人間と、コミュニケーションできないはずではなかったか?


 と、お思いになったでありましょう。


 しかり❗


 しかし、科学の発展は早いでのであります。


 ごき科学院は、画期的な、人間語翻訳機を開発したのである。


 ごき一等兵の、おせんべ通訳法は、わずか、半年たらずで、あたらしい、科学的なテクニックに、その、栄光の地位を奪われたのだ。


『あ、あ、そこ、そこ、も、ちょっと下。』


 と、奇声を、あげる、やましんさんを見ながら、はとさぶろは、その、空しさをかんじていた。


 新発売、即、時代遅れ、である。


 まあ、だいたい、政府とか、いうものは、そういうことに、なりがちである。


 マシク事件がそうであろう。


 しかし、やましんさんは、意外と高く評価していたが。


 どこの世界に、じっと、ただ、静かに、マシクを待つ国民が、ほかにあるだろうか。と。


 その事実だけで、諸政府のどぎもを抜いたに違いない。


 表政府は、図らずも、我慢強い国民の実力を示した結果となった。


 ま、それは、やましんさんだけだろかな。


 はとさぶろは、そう、思いを新たにした。


 彼の偽装工作は、まだ、半ばにさえ、至らない。


 しかし、下準備は、そろそろ、しなくては。


 血判状にサインするのは、どのくらいいるのか?


 まだ、判然とはしない。


 裏政府をぎゅーじる、地球側代表、地球ごき『なら麹漬けの佑』こそ、はとさぶろの敵である。


 きゃつこそが、派遣職員だった、はとさぶろ一族の地位を剥奪し、路頭に迷わせた張本人なのだ。 


 『宇宙ごき本体』は、はとさぶろには、あまりにも、おおきすぎである。


 そんなこと、考えてもいないやましんさんは、マッサージチェアに、くぎずけである。


『あ、あ、足も、もんでくらさい。』


『はい。追加料金、30ドリムです。』


『うわ。高くなってきたな。まあ、いいや。うちのが、壊れてるからな。じゃりーん。』


『入りました。足に、移動します。』



   じゅんわ〰️〰️〰️〰️〰️〰️♨️


   もみ、もみ、


『あ〰️〰️〰️〰️、快感。うん、なんか、だんだん、上手になる感じだな。やれやれ。ごくらく、ごくらく。』


『地球人類の終末は、近いのか。または、このひとだけなのか。ふ〰️〰️〰️〰️む。』


 はとさぶろは、つぶやいた。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


              おしまい




 



 


 


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