30 聖女さん、飛ぶ
シルヴィにハーレムパーティーの皆さんの保護を。
ステラに片側のドラゴンの相手を任せ、私は私の仕事をする為に動き出した。
……さて、どう攻めていこうかな。
流石にレッドドラゴンは、さっき蹴散らした雑魚達と比べると比較的強者だ。
攻撃、防御、機動力。どれを取ってもハイレベル。
……流石にさっきみたいに纏めて全員とはいかないと思う。
風の塊を打ち込んで炸裂させるあのやり方も、確実に有効打になるって言えるのは炸裂地点のすぐ近くにいたドラゴンだけで、残りを余波で倒すのは難しい。
だから一体一体確実に迅速に。
そして極力シルヴィの負担を減らすように。
「よし、飛ぼう」
地上で戦えばその余波がシルヴィの方に向く。
まあ向いた所で問題無いと思うけど、じゃあ何もしなくてもいいかって言われたら話は別で。
頑張ってくれてる仲間の負荷を減らそうって考えは間違っていないと思う。
だから飛ぶ。
足元に風の塊を作り出し、上空のドラゴン一体に狙いを定めて踏み抜いて高速で飛び上がる。
そして両手から風を噴出させてさらに加速し、そのままドラゴンの懐へ潜り込み。
「っらあ!」
そのままドラゴンの腹部を推進力の全てを乗せた拳で突き上げた。
そして殴られた衝撃でぶっ飛んだドラゴンに追い付き上を取り、頭上に風の塊をゆっくりと放つ。
それに追い付き再び踏み抜いて急落下。
「せーの!」
回転しながらドラゴンの頭部にかかと落としをぶち込む。
そしてトドメ。
落下するドラゴンに向けて風の塊を打ち込み、着弾炸裂。
「まず一体……っと」
風の力でホバリングしつつ周囲を確認。
視界の先には私と同じように……というか私よりも激しくドラゴンを素手でシバいているステラと、地上で予想通りうまくやってるシルヴィが見えて……そして。
「うん、流石に休む暇無いね」
まだ一体。
倒さないといけない相手は山のようにいる。
だから攻撃も四方八方から飛んでくるわけで。
次の瞬間、周囲から炎の塊が無数に飛んでくる。
それを風を操り飛び回りながら回避していくわけだけど……此処で一つ問題発生。
「……ちょっとまずいな」
攻撃は激しい。
だけどそれは別にいいんだ。
こっちがそれ以上に激しく動けばどうにでもなるし、結果うまく行ってるから。
だけど、流石に長時間超アクロバティックな動きを続けていくと……うん、流石にね。
「……この戦い方、酔うじゃん」
短期間なら良いけど……このペースでこの戦い方してると、絶対酔う。
既に若干気持ち悪い。
だから……ちょっと戦い方を変えようと思う。
ドラゴン一体に対し蹴りを叩き込んだタイミングで全体の攻撃に少しだけ隙が生まれた。
その隙に足元に結界を展開。
そこに着地する。
「これで行こう」
飛ぶのは必要最低限。
ここから先は地に足をつけて戦っていこうと思うよ。
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