第2話 生き返る為の試練

『やっと、記憶を取り戻したようですね。貴方は今、仮初めの肉体に魂を定着させている状態です。』

『いつの間にか、目の前に変な人が!?』

 ワインレッドのタキシードを着ていて、顔は面食い系で黒い犬耳と尻尾が生えています。

『変な人とは、失礼ですね。私は犬神と申します。』

『犬神って、この地の伝説にある生き返りか、転生が出来るってあの?』

『ええ、その通りです。貴方を引き殺した老人は昔、犬を殺すと言う残忍な事をしたことがあります。その老人に引かれた者の中から、善人で未練だらけのまま死んだ者達は、この試練を受ける事ができます。』

『生き返りを選ぶと、どおなるの?』

『交通事故で、奇跡の無傷で生還した事になります。今、犬になっている記憶を忘れてしまうかは、個人差が在ります。』


『もう、さっさと生き返らせてくれれば、速いのに犬にするのはどおして?』

『貴方は普通の犬ではありません。困っている人の前では何でもできるし、人間の姿に戻る事ができます。このまま、試練を受けず普通の犬として人生を終えるのも自由です。』

『でも、私は室内犬で居なくなると、大騒ぎになるわよ。どうやって、困っている人を探せというの?』

『探索すると念じれば、犬山町内だけなら探索できます。』

『その探索の間、犬の体はどおなるの?』

『人が来たりしたら、只の探索中なら意識は、呼び戻されます。人助け中なら年相応の犬の反応を返します。』

『分かった、生き返りの試練受けるわ!』

『承りました。100の良いことをしてくださいね。』


 良いこと100と言うのは、あくまでも100回すると言う意味でなくポイントの事です。

 凶悪犯は最低20ポイントからで、犯罪者を捕まえた場合は5ポイントからです。やらかし度合いによるボーナスポイントが付与されます。


 犬として人の心を癒した場合、1ポイントが付くことがあります。後は、困った人を些細な事でも構わないので助けるだけです。人助けは、根本の物事の解決した場合と簡易なお手伝いによってボーナスポイントが付与される場合もあります。犬としての寿命が尽きる迄に、100ポイント貯める事が出来たのなら、転生や生き返りどちらも選べます。ポイントは、1ヶ月に1回更新されます。どのくらい溜まったのかを確認する事ができます。


 現在、ポイントが着いています。こんな感じで毎月表示されますよ。特ポイントと言うと、ゲームのウインドウ画面が目の前に現れました。

 

 トータルポイント 10ポイント

 内訳 飼い主がいる幸せボーナス 10ポイント

 生後3ヶ月のトイプードル メス

 誕生日 1月10日 体調 良好


 画面左側に犬の手紙を代行で書く画面があります。

それを選択すれば、目の前に飼い主に伝えたい事がある犬が現れますので手書きで思いを綴ってあげて下さい。その犬の記憶を垣間見る事ができます。書いた後は、封筒の表に飼い主の名を書いて、手紙に封をすると思い人の元へ手紙が届きます。では、頑張って下さいね。そう言い終わると犬神は目の前から忽然と姿を消しました。

 

 後、90ポイントが必要なのね。

今日は色々考えすぎて疲れたわ。明日は、複雑な事に私の葬式があるのね…


 扉が開きひなちゃんが中に入ってきました。

『チョコちゃん、ご飯持ってきたよ』

『わふっ』(丁度お腹減ってたのよって、犬だからドッグフードなのねww)

カリッ、カリッ (以外と食べれるわ!)

『いっぱいご飯を食べて早く、お散歩行けるようになろうね♪』

『きゃん、きゃん』(嫌よ、首輪を着けて繋がれてお散歩だなんて💦)

『あっ、テレビがついてる。イタズラッ子なんだね、テレビは消しておくね』

『わふっ』(ありがとう、消そうとしてたけど、中々消せなくって)

『全部食べて偉いね、また明日ね』

『わふっ』(お休みなさい)


 ご飯食べたらおトイレしたくなっちゃった💦

ええっと、今は犬だし、この青いシートの上にするしかないのよね?

恥ずかしいわ、高校生の私がおトイレ以外の場所に、おしっこしなきゃ行けないなんて💦

 お医者さんの所に、行くことになると人助け所ではないわね。健康でいる為にも我満せずに、犬の間は恥と思わず慣れないとww




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る