血桜ハ還リ咲ク 零章
ミクロさん/kagura
前編 桜ハ芽ヲ咲カセズ
登場人物名
17歳
同好会の創設者
普段は面倒見がいい男子生徒
成績は別段優秀というわけではなく、至って平凡な先輩
16歳
~っすといった特徴的な語尾の男子生徒
無神経なところもあるが素直な性格
16歳
学園ではひっそりと人気な女子生徒
紅茶やお菓子作りが趣味
15歳
自由気ままな女子生徒
定介とよく些細なケンカをする
16歳
白髪、黄色の目をしている美少年の男子生徒
過去に何かがあったらしいが詳細は誰にも明かさない
Nは→後のキャラ演者が読む
役表
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血桜ハ還リ咲ク 零章
「桜ハ芽ヲ咲カセズ 」
N→
桜が散る前の鮮やかな日々
今は透き通り消えていったあの頃の情景
まだ笑顔が溢れていた頃の‥‥幸せな一時
窓から漏れ出す風は心地よく
空を眺める少女の髪を優しく揺らす
「いい風、それに桜が綺麗ね」
N→
こぢんまりとした教室の窓から校庭を眺めている少女、
「いい風なのは結構だけど、紙が飛ぶから閉めてほしいかな」
「ごめんね、邪魔しちゃって
それより
「せっかく同好会なんてやってるんだからさ
何か趣向を凝らした企画でもできないかって考えてるんだよ」
「それいいアイデアだね!
確かにいつも集まって話すだけで時間が来たら解散って感じだもんね」
「ちょうど桜も咲いてるし、花見とかどうかなって思って
生徒会に聞いてみたらやってもいいそうだからさ」
「賛成!お弁当とかお菓子も持っていきたいわね」
「って言っても同好会のメンバーだけだったら普段と変わらないだろ?
だから同好会以外の生徒も参加ありにして
もっと多くの人と交流を図ろう!みたいな名目でさ」
「うーん…それはすごくいいんだけど、人が集まるか心配ね
今の時期ってみんな進路とかで動き出してるだろうし
この学園って普通校と比べて特殊なのもあって
暇なのって私たちくらいなんじゃない?」
「そうなんだよな。
俺らって別段、他クラスの子と交流が深いわけじゃないから急に新規では入りづらいと思うんだよな
なにかこう、インパクトのある企画というか興味を引くようなことがあればいいんだがーーー」
N→
突然、教室の扉が開く。
教室内に汗だくになった顔をタオルで拭きながら
ぐったりとした様子の男子生徒が入ってきた。
「おつかれっす~
N→
勢いよく座ると大きく深呼吸しながら天井を見上げていた。
「今日は
「疲れてるなんてもんじゃないっすよ!!
今日の講師が結構ハードなメニューをやらせるんでしんどかったっす!!」
「お疲れ様。
「
「そう?じゃあ
「ちょうど一息つこうと思ってたから頂こうかな」
N→
扉がバーンと勢いよく開いた。
「つかれたー!!」
N→
扉を思いきり開けて中に入ってきたのは同好会メンバーの中で
最年少の女子生徒
疲労しきった様子の
「
N→
それと同時に後ろからドサッと音がする。
振り返ると
「あ!ちょっとそこ俺が座ってたっすよ!!」
「立ち上がったのが悪いんじゃーーー!
もうここは私の縄張りじゃあーーー!!」
「えぇ、ずるいっすよ!俺だってソファーで休みたいっす!」
「レディファーストって言葉を知っておるか!」
「そんなこと言って
「無駄よ
あれを攻略するにはそれ相応の戦力がいるわ」
「そこまで言うか!?ただソファーから離れないだけだよな?」
「くっ!!この教室ソファー1個しかないのにいつも
「そうね~どかせるか一回試してみるわね、
「
「あまーいお菓子が〜余ってるんだけど〜?」
「何があるっすか!?」
「クッキーよ。私が今朝作ったものだけど作りすぎちゃって」
「う~!もってきて~!!」
「しょうがないわね~。はい、あーん」
「あ〜ん」
「渡したら駄目じゃないっすか!てか結局動く気配ないっすけど?」
「可愛かったから…ついね?
でもこれいつもより疲れてるわね。いつもお菓子に釣られて立ち上がるのに」
「見た目通り単純な奴だからな」
「
こうなったら我々人類に成すすべはないわ。あきらめましょう」
「まじっすか~、じゃあ生徒会に頼んでソファーもう一個買ってもらおうっす!」
「学校に何も貢献してない同好会にわざわざ学校の費用を割くわけないだろ
それにその辺の事を担当する副会長は結構な堅物だって聞くから大方無理だろうな」
「
「ありがとおおおお!
(可愛くあざとく)
「そういえば
「あぁ、さっき
せっかく開いた同好会なのに俺らが今やってることと言ったらただのお茶会だろ?」
「それでもいいじゃない」
「あくまで俺が考えてたのは沢山の生徒と交流を図るための同好会なんだ
現状の身内だけの同好会なら生徒会に消されかねないだろ」
「それもそうね」
「花見ってどこでやるんですかー?」
「とりあえずこの校舎の中庭が候補かな
よし、ある程度の企画書はできたし一度生徒会に出してくるかな」
「そうっすね!善は急げっす!早く出しにいくっす!」
「そうだな、
生徒会棟って一人で入るの勇気いるんだよな」
「わかるっす。あそこはちょっとおっかない感じがして棟の近く通るのも緊張するっすよね」
「じゃあ俺はこれを出しに行って、そのままここには戻ってこないから戸締り頼む」
「わかったわ」
「任せてくださーい」
「お前には心配すぎて任せられん」
「
「あー!!二人して馬鹿にしてるっすね!!
「えぇ。不安かもだけど、私がいるから安心してちょうだい?」
「ん、先輩?」
「じゃあ、頼んだぞ」
N→
「この後
「まだここでゴロゴロしてたいです~」
「私この後資料室に行くのだけれどここで待ってる?」
「待ってま~す」
「そう?じゃあ行ってくるわね」
N→
そうして資料室に着いた
明日以降の授業で使う
「えっと…この列だから‥‥‥結構高い位置にあるわね」
N→
飛び上がれば届くだろうが、棚を倒すと危ないので脚立を探すことにする。
資料室を歩いていると脚立が動く重い音が近くから聞こえた。
隣の列に顔を覗かせると脚立に上り資料を読んでいる生徒がいる。
その生徒に向かって
「すみません~ちょっと後で脚立借りてもいいですか?」
N→
呼びかけると上にいた生徒が
「何があるか見てただけだから使っていいよ」
N→
白みがかった髪と宝石のように綺麗な黄色い瞳をした少年が脚立から降りてくる。
その姿は身長がもっと小さければ中学生と間違われるほど童顔の美少年であった。
「かわいい…」
「なに?」
「え!?…なんでもない!ごめんね?とっさに口からでちゃって…!」
「…まぁなんでもいいよ」
N→
そのまま
「ねぇ名前なんて言うの?学年は?」
「…
N→
目の前の美少年と同い年だとは思わなかったのである。
「え?同学年!?クラスが違うからわからなかった」
「そっか…それで?」
「えっと~?呼び方は
「…名字呼びは嫌いだ。
「そう?わかった。えっと、
「…特になにも」
「ふーん、そう…あっそうだ!
ねぇこの後、暇?」
「…何もないけど」
「じゃあちょっと資料探すの手伝ってほしいんだけどお願いしてもいい?」
「なんで俺が?」
「目の前にいたから?」
「勝手だな、暇だからいいけど」
「ありがとう!
N→
すべての資料を探し終わりファイルにまとめると
「本当にありがとう。助かったわ
ところで
「興味ない」
「そ、そう?
あのね、私が入っている同好会があるんだけど
人が少なくてさ?
「なんで俺が?」
「え~?顔が可愛いから?」
「理解に苦しむ」
「そうかな?結構、賛同してくれる人は多いと思うけど?
じゃあ早速、明日の昼休み。C棟の4階に空き教室が何個かあるんだけど
その扉に同好会の看板がある教室にいつも集まってるんだ。
良かったら来てくれないかな?」
「もう行くつもりで話を進めるな
俺が行く必要性を感じないしな」
「そんなこと言わないでよ~
「なんで俺が行く義理があるんだ
てかそもそも俺はお前の名前も知らないんだぞ」
「そういえば名乗ってなかったね!
私は
「なんで俺があんたを呼ぶ必要があるんだ」
「むー…つれないな〜!
あっ、そろそろ戻らないとだ!
N→
取り残された
「…まったく、台風みたいなやつだな
でも、なんか嫌悪感はねぇな
温かさまで感じるような
なんだあいつ……
N→
次の日の昼休み
授業を終えた
「それでその希望者はいつ来るんだ?全然来ないけど」
「そろそろ来ると思うんだけどなー」
「本当にそんな人いるんですか~?
「まさかだが、お前無理やり誘ってたりしないよな?
お前って結構強引なところがあるからな…」
「そ、そんなことない…よね?」
「はーい!
多分見た目が好みの男の子だったんですよ!!」
「待って!!?
どうしてそういうことになるの!!?」
「どうせまた中性的な男子とかじゃないのか?お前好きだもんな」
「そ、そんなことないよお!!ただ、偶然知り合ったってだけで!!」
「じゃあ、どんな顔だったんです?」
「いや、その〜……………………
可愛い顔だったかな///」
「これはもう自白しましたね」
「あぁ、そうだな」
「違うの!ただ可愛い顔ってだけだから!!」
「あれじゃないのか?どうせ静かそうな見た目だけど
案外口悪くて不愛想な奴だったんじゃないのか?」
「そういう子に性格でギャップ萌えがあると余計に好きなんですよねー?」
「なんで二人とも私の好みをしってるの!!?」
「
「よく読む少女漫画の好きなキャラクターの特徴が大体それだから」
「う~!いいじゃない!!別に!!」
「
「
N→
突如ノックの音がする。
「おっと?ノックをするってことは
N→
その声を合図に扉がゆっくりと開く。
そこに立っていたのは
「…どうも?」
「あ!ようこそ!!ここがーーー」
「えええ!!めちゃくちゃ美少年じゃないですかあ!!
うぇぇ〜まつ毛長っ!!肌白っ!!
ってか身体細っ!!?それに顔も整ってるなぁおい!!」
「こりゃ確かに美少年だな…同じ男の俺でもそう思う」
「…帰っていいか?」
「えっ…帰るの?」
N→
それを
「…来たばかりだからまだいるよ」
N→
それを聞き
「先輩…
「
「それで、ここは何をするところなんだ」
「ここは元々全学年で交流を図るための同好会のつもりだったんだが…
思ったより人が来なくてただお茶会をするだけになったな」
「こんな同好会やめたら?」
「確かにあんまりやってる意味はないですよね」
「ここがなくなったらこのソファーは間違いなく撤去だぞ?いいのか?」
「それはだめ!!我が家を失うわけにはいかないっす!!」
「そうだ!
「紅茶………いただこうかな」
「
N→
ドヤ顔をする
ゆっくりと
少しして
「…いただきます」
N→
ティーカップを机に置き、そっと息をつくと感想を零した。
「美味しいな」
N→
静かな時間が流れた後、
「名前はなんていうの?」
「あと学年を聞きたいかな」
「第二学年、
「え?あ、先輩だったんですね!申し訳ないっす!!
えっと…先輩は
「昨日いきなり資料室で話しかけられた」
「それでここにどうして来たんだ?」
「来いって言われただけだ」
「やっぱ強引じゃねぇか」
「え、え~っと?」
「とりあえずそれはいいとしよう
「いや…」
N→
「…まぁ、いつも暇だったから入ってもいいけど」
「わぁぁ!入ってくれるの!?」
「……あぁ
だがその代わり、たまには紅茶淹れてくれ」
「うん!!!いつでも言ってね!」
「うれしそうですね
「…ここまで嬉しそうな顔は初めて見たな」
N→
こうして新たに
ほかのメンバーもすぐに溶け込んで行った。
「
「行くつもりなかったけど、あそこまで強引に誘われたら仕方ない」
「なんていうか
N→
一週間ほど前に花見の日程が決定した。
生徒会からは学園の敷地利用は難しいとされ
学園外で開催されることになり、学園の備品使用はできず
レジャーシートなどの小物を準備をするために
「お前ってさ、月夜のことが好きなの?」
「え、ちょ!?ま、待ってほしいっす!?
なんで急にそんな話になるっすか?」
「なんとなく思っただけだ。答えなくてもいい」
「いや…………好きかどうかはわからないっすけど
話してて楽しいっていうか、可愛いから守ってあげたいって思うっていうか
う、うまく言えないっすね…」
「そうか」
「
さすがに気づいてるんっすよね?」
「気づくも何もあれは隠してないだろ」
「でも本人まだ気づかれてないと思ってるみたいっすけど?」
「関係ない…俺はあいつの想いには応えられない」
「ほかに好きな相手が…
どうしてっすか?
「…どうだろうな」
「あーっと、えっと~…
…ちょっと聞くのは野暮だったかもっすね
とりあえず皆待ってるっすから急いで帰るっす!」
N→
一方、
「思ったよりも人が集まったわね!」
「そうですねー!まさか参加者が合計で20人を超えるなんて思いもしなかったですよ」
「開催できてよかったよ。
参加者の比率が俺らを含めて男子生徒が8人で女子生徒が14人。
女子生徒の比率が高いな」
「女の子はそういう行事が好きなんですよー」
「あと
密かにファンクラブがあるくらい人気らしいからな」
「え!?
「校内の美男・美女にはファンクラブができることがあるらしいな
ちなみにだがお前にもあるぞ?」
「そうなんですね!私のもあったりー?」
「お前のはないぞ
あくまで秘密裏で作成されたものだ
それに対象は密かにモテる美男美女
お前みたいに自分から言うような奴は対象外だろうな」
「ガーーーン!!」
「そうだ、ファンクラブがあるくらいだし
他の奴に先行かれる前に
さっさと
「え…な、何を?ナンノコトカシラ?」
「せっかくの花見っていうイベントですよ?
これほどの告白タイミングはないですよ!
「えー///急に言われても…」
「今回の花見会場の敷地の中に小さな川があるらしい
その川の上にある橋の上で…とかロマンあるんじゃないか?」
「橋の上…でも緊張する」
「でも
「う…うん///」
「じゃあ行くべきですよ!伝えられずにずっと隠してても意味ないですよ!!」
「イベント中にお前ら二人が抜けても大丈夫なようにしてやるから行ってこい」
「二人ともありがとう…うん!」
N→
少しすると
それから数時間をかけ、一同は最後の準備を終えた。
花見当日
校外にある大きな公園に生徒が集まり
花見企画が始まった。
接点のない生徒との交流という趣旨のため
最初にクイズやミニゲームなどの企画をグループで行い
生徒同士で親睦を深めたのち
最後のイベントを終え、昼食休憩となる予定であった。
「さてと…それじゃあ最後のイベントに移ります
最後は宝探しゲームになります!
我々実行委員の生徒が各地に散らばりますのでそこからキーワードを集めて、宝の場所を見つけてください、そしてその宝を私に持ってきたらクリアというゲームです!
そのお宝は…見つけた人のお楽しみです!!」
N→
そうして生徒たちにメモ用紙を配ると
「ほら、
企画開始はできる限り引き延ばしてやるから行ってこい」
「頑張るっす!応援してるっすよ!!」
「
「みんなありがとう…
緊張するけど、行ってくるね!」
N→
途中に会話がなく気まずい雰囲気になっていたが深呼吸をして
「……お花見盛り上がってるみたいでよかったね?」
「あんなに準備してたからな」
「うん…そうだよね
あの橋が
「あぁ、そうだな。お前はどこの配置なんだ?」
「私はもう少し先の場所」
N→
沈黙の時間が訪れる。
チラチラと
依然として
「行かないのか?」
「う、うん。そうだね…行かないとだよね
…………………………あのね!」
N→
「始まったのかな…?」
「早く行ったほうがいいんじゃ……」
N→
そこで
「様子が変だ…誰もこっちに来る気配がない」
「どうしたの
「嫌な予感がする…声の数が少なくなってる」
N→
しかし途中
一旦
その途中、付近の木々に赤い血が付着しているのに
「え、これは…血!?なんで…!!!?」
「
N→
酷く焦った様子で息を切らしながら
「これって…!!何が起きてるの!?
他のみんなはどこなの!?」
「わからない!あの後ゲームを始める開始の合図を出したんだ
少しして先行したグループの方から悲鳴が聞こえてきた…
何かあったのかと思って見に来てみたら誰もいないんだ
それで辺りを探していたら、この血の痕跡を見つけたんだ
そうだ!それより
何が起きているかわからない!もしかしたら何者かに襲われたのかもしれない…
最悪な場合、相手が人間とは限らない」
N→
左手に鞘を右手を束に添え銀色の刀身をしならせるように抜刀し、構えた。
「くそ…何が起きてるんだ!」
「待って!あそこにいるの
N→
焦りながら周りを確認している様子だったが、こちらに気づいたようで必死に何かを伝えようと叫んでいる。
「月夜ちゃん!!」
「せ…ぱ…!!」
N→
「先輩っ!!そいつが!!!」
「え…どうしたの!!」
N→
視界の端に鮮血が飛び散るのが見えた。
「うっ…!!!なんで!!?」
N→
「があっ!!!」
N→
強烈な一撃を受けて
その衝撃で自らの刀を吹き飛ばしてしまい、口から血を吐き出すとキッと
「どうして!?なんで…
「さぁーてと…馬鹿を罠に嵌めることにも成功したわけだな
どうせお前らは死ぬんだから説明するだけ面倒だ
さっさと死ぬ覚悟を決めな」
「なんで!先輩が私たちを襲うんですか!!」
「ん~?そりゃ、端的に言えば餌だよ
本当に面白かったんだぜ
お前らはアホくさいほど典型的なリーダーを演じてた俺を
馬鹿みたいに信用しやがるからよ
いやいや助かってるんだぜ?
驚くほど愚図なお前らのおかげで俺のこの刀もより一層熟成されるってもんだ」
N→
「俺の持つ刀の名は
この刀は人の命と絶望を食らい、その持ち主が本来持ちえぬ力を与える
お前らは信じていたリーダーの俺に裏切られ、これから訪れるはずだった幸せな日々が壊れ去ってしまった…な~んて
そんな深い絶望を味わったお前らを殺すことによってこの刀はより強くなる…」
「狂ってる…!!まさか、ずっとこれを狙って…!?」
「ああ、そうさ。全部前から仕組んでいたんだよ
そうでもしないと学園の監視を出し抜く事ができないからな
よーく思い出してみろ
同好会を作ったのは誰だったか?
企画の発案者は誰だったか?
学園から遠い場所を選んだのは誰だったか?
遠くにある橋へお前と
そうさ、外で武器を所持するのが認可された俺ら実行委員を分散させるために
企画の一端と称してお前らを離れさせた…
我ながら完璧な作戦だったよなああ、そうさ。全部前から仕組んでいたんだよ
そうでもしないと学園の監視を出し抜く事ができないからな
これで俺はお前らを守るために奮闘したが、不幸にも誰も救えなかった悲劇のヒーローになる
あーあー俺って可哀想な人…ってなるだろうな
…まぁそんなところだ
さ〜て、じゃあそろそろお前らを殺すとするかな」
「させないっすよ!はああぁっ!」
N→
横から槍を持った
槍の一撃が地面に深く突き刺さった。
その攻撃を刀で軽く往なしながら
「俺らを殺して強くなって…何をする気なんっすか!
学園を乗っ取るつもりっすか!
それとも…ただ人を殺したいだけっすかぁ!!」
「俺はな、この学園が気に入ってるんだ
良い養成所だよな。
実力を伸ばすのにも知識を深めるにも打ってつけだろ?
だけどな、一つだけ気に入らない要素があるんだ
この学園の生徒会の奴らがどうも気に入らない
あいつらが優秀なのはわかる…だけどな
それだけでこの学園生活だけでなくその後の将来まで補償されちまう
勝ち組な奴らだよな…理不尽な程にひいきされてイライラするよな?
だから俺が力を得て、奴らを越してやる
その糧とするためにお前らの命が必要ってわけだ」
「そんな自分勝手な理由で!」
「自分勝手で結構だ!その勝手に踊らされるお前らが不憫だよ!!」
N→
斬撃武器と刺突武器の戦闘においては、前者が後者の突きの攻撃範囲を抜けるため
両者の間合いが近くなると槍先の攻撃は当てにくくなり、有効的ではなくなる。
そのため今のような至近距離での討ち合いでは不利になってしまうのは必然的。
もっとも
戦闘経験や知識量が
その状況に上手く持ち込まれたのであった。
「お前じゃ俺には勝てないんだよ!」
N→
咄嗟に後方へと下がった
「ぐがあああああああっつ!!!」
N→
斬撃を振った遠心力を利用し、身体を空中で一回転させ回し蹴りを
「うぐっ!!」
N→
地面に倒れ伏した
「ぐうっ…がああああああっ!!」
N→
そこから血が激しく飛び散ると、傷口からおびただしい量の血が流れていた。
「ガハッ……ゴホゴホッ…」
「
「
N→
「だめ!待って月夜ちゃん!!」
「来ちゃ…だめっす!!だめだあああっ!!」
N→
南雲 月夜
「うりゃああああっ!!!」
「お前は戦闘向きじゃないだろ。そんなへっぴり腰の攻撃じゃあ俺には届かない!」
N→
その斬撃を
そして無慈悲にも
斬撃を受け鮮血を飛び散らせた
フラフラと数歩、足を前に出しゆっくりと
しかし、
「うぅっ…ぐうぅつ‥‥ああああぁぁっ!!」
N→
二発の斬撃を受け、
「お、おい!!
目を開け、開けてくれ……開けろぉ!!」
「ぁああ…
「もうしゃべらないで!!!
「
言いたいことが……あるんです」
「後でいくらでも聞いてやるっす!!だから…!!」
「
私も言えば良かった…な
本当は私…先輩のことが……す」
「時間の無駄だ、お前らのつまらない話なんて興味ない」
「
N→
そして刀身を素早く抜くと同時に
「さてと…アァ~いい絶望だ。これはとても美味そうだ」
N→
すると二人の身体は徐々に色を失っていき
灰のようになると風に飛ばされ崩れていった。
「…あ~つまんねぇショーだったな
まぁいい、最後はお前と
先に
そっちの方がよりこの刀にとってはご馳走になるんだ
俺は美味しいものは熟成させてじっくりと後で一番美味い時に食べたいんでな」
「最低…!人間じゃない!!悪魔!!
お前なんて地獄に落ちればいい!!!」
「地獄に…ね~?
いつかそこに行くことになるんだろうが
残念だったな。まだ行く気はない
お前には俺を断罪する権利はねぇんだよ
裁く権利があるのはいつだって強い者だ
ここで死ぬのは俺じゃなくお前だァ!
クックック…ハハハハハ!!」
N→
しかしその瞬間、
「ぐっ!!!?」
「強者にはそんな権利があるのか
つまりお前を断罪する権利は俺が持っているということになるな
ならば言葉通りお前の生死は俺が決めよう」
「
N→
「てめぇ…!!どこに潜んでやがった!」
「その刀の力が不確定だったからな
様子をうかがっていた」
「くそいてええ…ぶっ殺してやる!!」
N→
対して
「死ねえええ!!!」
『
N→
それは斬撃が生み出した衝撃波であった。
その一撃をまともに受けた
両手で握っていた
目を大きく見開き、口と腕の切断面から勢いよく血が噴き出すと
地に伏した
立ち上がろうとするも脚に力が入らず
上体を起こすだけで精一杯の様子であった。
そして斬られた事に時間差で気づいたのかワナワナと
「え…………はぁ?何が起きたんだ!?」
「……お前への断罪は、俺が執行しよう。」
「待て…待ってくれ!!たすけ…たすけてくれ!!!」
「……お前は幾度その言葉を聞き捨てた」
N→
「それを決めるのは俺だ
お前は甘んじて運命を受け入れろ」
「ま、まってくれ…そ…そんなつもりじゃ……なかったんだ…」
「地獄行き…だ」
N→
「あ…あっ‥‥ぁ‥ぁああぁぁああぁあぁああぁ!!!」
N→
「…絶望したか?自分が餌になった気分はどうだ?
何が楽しかったんだ?少なくとも俺は酷い気分だ」
N→
「立てるか?」
「…
「…なんだ?」
「なんですぐに助けにこなかったの!
先に向かった貴方の方が到着は早かったはず!
どうして見てたの…!?」
「………あの刀の詳細が不明瞭すぎた。
不意を突いた一撃の際、奴の反撃で返された時も先に刀の力を見ていて警戒していたからその後の追撃を受けなかった
もし無知であったのならそのまま、まともに受けて斬られていたのは俺だった」
「…あの刀を知ってたの?」
「あぁ。
常軌を逸した力を持つというその存在はな」
「ってことは
「…あぁ。以前から気づいていた
あいつの内に秘める異常性に」
「気づいていた…の?」
「最初から俺の目的はこの
そのために
全ては俺の為、身勝手な目的だ」
「そんな…その刀を手に入れてどうする気なの?何がそこまで
「それはお前には関係ない…」
N→
その瞳は暗く、深く、そして寂しげであった。
「
N→
その後、何者かが学園に送った知らせを受け、生徒会の面々が到着する。
今回の事件は生徒会が処理することとなり、結果、同好会は解散。
「………」
N→
数日後の昼休み、
生徒会役員及び関係者以外は立ち入り禁止になっており、室内に入る事は通常できないが
教室内はまだ整理されておらず、かつての仲間たちの私物がそのまま置かれていた。
しかしそこにいるのは
ただ一人だけであった。
「何でこんな事になったの
どうして
あんまりだよ
私はどうしたらいいの
ねぇ、
………………
N→
2000年をきっかけに世界各地で突如現れた異形の存在。
|
対して|
人類は滅亡の危機に瀕し、その対策として、16~20歳の若者に限定し
|
通常の学園とは異なり、この機関は戦闘スキルを主に鍛え
短期間で若者たちを精鋭の兵士へと育成する。
複数ある学園の中でも特に優れているとされている
零章 桜ハ芽ヲ咲カセズ 完
中編へ続く
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
・修也はかなり掴みづらいキャラなのでヒントを1つ言わせていただくと、自分を隠してひたすらに周りと一線を引いているように演じてみてください
・夢野天の天をてんで読む人続出してます
気をつけてね
・ナレやセリフに多少被せ気味に演じるの推奨に書いてます。かなり淡々とよりそっちの方が臨場感出るような気がします
※裏設定
・月夜は髪留めを付けています。これは定介に初めて貰ったプレゼントです。
・八木原は天に恋心を抱いていました。しかし‥‥現在は?
・RhineはLINEに似ていますが、偶然の一致です。深緑色のトークアプリです。
・企画のお宝とは天の作った菓子との引換券です
特にこの設定活かせなかったんで以後出てきません
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
利用規約
ミクロさん台本を動画、配信で使用するのは全てご自由にどうぞ
・アドリブ演技に関して
この台本はアドリブを入れる事を前提として書いています
なので演者様方の判断で挟んで頂いて構いません
是非素晴らしい演技にアクセントをつけてください
しかし作風に合わないものはご遠慮ください
・性別変更や比率に関して
作者はあまり好ましくは思っていませんがある程度ならば可とします
そのある程度の境界線は他の演者様たちとの話し合いに委ねます
・特殊なものについて
台本を演じる際に読み込まないで演じる行為や
言語を変える、明らかに台本無視と取れる
特殊な行為をするものは認めていません
流石に読み込んで普通に演技してください
多分そうじゃないとこの台本は演じれないです
二次創作等、商権利用問題のある場合、質問や不明点ございましたら
作者のTwitter
https://twitter.com/kaguratizakura
のDMにてご連絡ください
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