GOBLIN BLUES あるゴブリン兄弟の一日

プロローグ

　魔界からやって来た魔王は手下のモンスターを使いあっという間に世界を征服した。そのおかげでモンスターたちは各々好きな場所に棲むことが出来た。

　モンスター達は楽観的に日々を過ごしている。快適な住処、取り放題の木の実や魚。それもこれも魔王が世界を支配してくれているおかげなのだ。モンスター達は虎の威を借る狐状態で何も苦労はない。

　澄んだ空気はモンスター達にとっても心地の良いもので、この世界はなんと住みやすいのだと魔界に帰りたいと思うモンスターはいなかった。それ故にこの世界はますますモンスターが幅をきかすようになった。

　しかし人間たちも黙ってはいない、それぞれが自分たちの世界を取り戻そうと決意した。そんな中で一人の若者がいち早く魔王を討ちに行くと立ち上がった。