第11話ぴえん

撮影タイプを選んでね!


アナウンスとともに画面にモードが表示される。

やべえ。なんもわからん…。そう困っていると


「ふふ。私に任せて!」


彼女はそういってなれた手つきで画面をタッチしていく。


では撮影を開始します!緑のゾーンにたってください

またアナウンスが流れる。


俺はどうしていいかわからずアナウンスに指示された通りのポーズをとった。


「あ、今、目つぶっちゃったよ、、、。最悪だ…。」


俺は慣れていないのでヤバい写真が撮れていく。

あれ?プリクラって誰でも盛れるんじゃねーの???


「そんなとこも可愛くて好きよ♡じゃあ次は…。」


ん?どうしたんだ?もじもじしだしたぞ?



ちゅっ



?!?!?!?!?!?!?!?!


唇が温かいものに覆われた。ぷにぷにしていて心地いい。

これが…


キス?!?!!?


え、うそ、なんで急に?俺はとてもびっくり。仰天。


「な、な、んで急にキ、キスなんか…。」


「え?ちゅーぷりでしょ?私だあいすきな人とちゅーぷり撮ってみたっかたの。嫌だった?」


彼女は目をウルウルさせて聞いてくる。いやなわけあるかい。


「嫌じゃないけど、急すぎてね。びっくりした。」


ファーストキッスだぞ?いやまて。これがファーストキッスなのは意外にありなのでは…?


そこから俺たちは落書きをしてシールが出来上がるのを待った。


どんなのが出来るのだろうとワクワクしていたら、



「え?ふみちゃん???ふみちゃんじゃん!」


そういって何者かが俺の背中に抱き着いてきた。


「あーこの背中懐かしい!!!すーりすーり。」


ふんふん、と鼻息を荒くして俺の背中にくっついているやつは、、、


灰田唯(はいだ ゆい)、俺の元カノだ…。一番最初のな。


「ゆ、ゆい。離れてくれ…。」


え、なんか。とてつもない憎悪が…


「殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す。


私の王子様になにしてんの?あんた誰?」


こわいよお、ふみくん泣いちゃう。ぴえん。

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