25.相合傘
「傘忘れちゃった! バス停まで入れてって」
彼女はこれ幸いと僕の隣に滑りこむ。
「ねえ、数学の時間寝てたでしょ」
他愛もない会話があっという間にバス停を連れてくる。
カバンから折り畳み傘を出し、持っていきなよと彼女に渡した。
「最初からこれでよかったのに。肩濡れちゃったの、ごめんね」
出し抜けの青空。
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