第7話 浮気
本山先輩に好きと言ってもらった。でも急にどうしてだろうか。
まぁそんなことはどうでもいい。不思議と俺は、嬉しい気持ちよりも面倒くさい。という気持ちの方が大きくなっていた。
俺は恐らく本山先輩と別れたかったのだろう。だが、「彼女がいる」というステータスを捨てたくないという自分勝手なエゴで本山先輩を手放さなかったのだ。
ふと思った。
「彼女がいる」というステータスは男にとって大事だ。彼女がいる方が他の女の人からモテるし、何より、自分の引き立て役になる。
あれ?本山先輩とどうして付き合っているのかな俺は。別に本山先輩で無くてもいいじゃ無いか。
わかってる。言っていることがどれだけクズなのかはわかってる。けど、男なんてそんなもんだ。
好きという気持ちは一時に過ぎない。恐らく本山先輩は加点方式で俺のことを好きになってくれたのだろう。だが、俺は減点方式で既に本山先輩のことを好きじゃ無い。むしろ、俺を悩ませたんだ。
「邪魔だな。」
俺はまるで自分がアイドルにでもなったかのようなモテ男気取りで、その台詞を口にした。それから、会えそうな女の子に連絡しまくった。
会うやいなや。酒を飲み、家に連れ込む。そんな生活を繰り返していた。
「楽しい」
とても楽しかった。本山先輩には出来ないことを他の女の子にする。その背徳感は一度目は悪いと思いつつも、一度知ってしまうと抜け出せない。
俺は本山先輩と付き合いながらも他の女の子と遊びまくった。第三者から見れば「浮気」と見えるだろう。しかし、当の本人である俺は違う。ただ、「遊んでいる」だけ。
それから半年後、俺は本山先輩から別れを告げられた。
なんとも思わなかった。悪気が無いわけではない。ただ、「彼女には言えないこと、出来ないことを埋める」ことが浮気だと言うのなら、それは誤解だ。
だって、彼女である本山先輩にも否はあるだろう?
本山先輩がもっと連絡を頻繁に取り合って、デートとしてどこかに行きたいと提案したり、カップルらしい生活を送ってくれれば、今頃二人で笑っていられただろうに。
「浮気」それは男にとって寂しさを埋める行為だと思う。
浮気は確かに悪い行為だ。しかし、その前に考えて欲しい。あなた自身に何か否は無かっただろうか。
「浮気をする」ことが悪いのなら。「浮気をさせた」ことは悪くないのか。
ここまで聞くと女性陣はこう言うだろう。
「そんなのは全部言い訳だ。例え、こっちに否があっても最終的に浮気したあなたが悪い」と。
ではそんな女性陣に一つ問いたい。
「浮気を今後しない(させない)ためには誰が意識を変えなければならないのだろうか。」
「次浮気したら許さないから!」と言われても、男は浮気をするだろう。だって、あなたに足りないものを浮気することによって埋めているのだから。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます