不倫に誘われた(恋愛?)

 不倫に誘われた。当然ながら「僕と不倫しよう」なんて野暮な言い方はされない。私の場合、「もしやあれが不倫への入り口だったのか」と思う節があったのである。そんな懐かしい話をしよう。


 コーヒー屋でバイトしている時だった。常連さんで、いつも歯を見せてニッコリ笑う外国人だった。名をSにしよう。

 ある日「アドレス教えてよ」と言われたので、当然悪い気もせず「いいよー」と教えたことから食事に行くことに。都内某所の沖縄料理の店だった。南国が好きとか言っていた。


 その日は食事だけして、2時間くらいでバイバイしたがアフターメールが衝撃的だった。簡単に要点をまとめると「SEXしたい」ということだった。

「おお…」と衝撃を受けた。外国人だからか物言いがストレート。なかなかパンチが強い。当然連絡はしなかった。Sはお店に来なくなった。


 もし私が「オッケー」なんて言ってたら不倫の始まりである。Sには日本人妻と子供がいたからだ(食事中にSが明かした。それでも私が好きらしい)。日本人妻が勝手にカードを使って困っている。と言っていた。そりゃ大変だね、と返事をした。懐かしい。男に簡単にアドレスを渡す私も私である。いい教訓になった。

 要するに、男にナメられただけだったのだ。Sはきっと、日本人妻から気を紛らわせれば誰でもよかったはずだと、私は思った。都合よく私がいたのだ。


 さて、話は変わって複数の知人が不倫している。皆そろって「(いけないと)わかっちゃいる」そうなんだが、連絡を待ってしまうようである。私は全く共感できないので、不倫相談は受け付けないことにしてるし(勤め先の不倫沙汰で飛び火をくらいそうになったから)、「そろそろやめたら?」と伝えてはいる。

 しかし不倫相手から何らかの連絡が来ることで安心でき、繋がっていられる理由になっているらしい。そういうもんなのか。罪悪感と優越感の交互に来る感じが、甘いしょっぱいが交互に来る感じみたいでいいのだろうか。北海道土産で有名チョコブランドのチョコかけチップスは罪の味だから皆さん食べてください。


 実は私が知らないだけで世の中不倫だらけで、意外とポピュラーなことなのかもしれないとも思えてくる。じゃないとTVや映画で不倫モノは流行らないだろう。ワイドショーで不倫ネタがあがったら、「今度は誰だ?」なんて楽しまれているし、結構いらないニュースだと思うのに、時間かけて報道している。需要がある。ジャンル的に廃れない。そしてなかなかゲスい。当事者たちだけに任せておきゃいいのにな、と思ったりする。


 ただ、もし自分が不倫された場合、どうするか考える。仕返しする?

映画『阪急電車』みたいに、ウェディングドレス着てお式に参加する?あれは浮気か。

人の心って移り変わりますもんね。


私、旦那いないんですけどね。

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