グリム戦記

アリエッティ

第1話 絵本を開いて

 グリム童話、それは過去に記されるヒストリー。各々が物語を綴り生きている、しかし少し数が増えすぎた。このままでは、衝突を起こしてしまう。


「お目覚め下さい!」

「ん..なんだ?」

白い無空間に高い椅子がひとつ、そこに腰をかける小人が見下ろす謎世界。


「あなたゴーシュさんですよね?」

「ああ..そうだけど。」

「やっぱりだ!

大変なんです、あなたの物語が‼︎」

「まずお前は誰だ」

「僕はストーリーテラーのエノキ!

童話を纏める読者だよ!」

小人の話によればゴーシュの物語は他の童話とぶつかる事で危機に瀕しているという。


「君の話『セロ弾きのゴーシュ』は今グリムウォーの影響を受けて崩壊しかけている。止めるには君の力が必要だわかってくれるよね?」

「力が必要だって..一体なにすれば」

「戦ってください。」「戦う?」


白い無空間はつまり、物語が溶け合い形を失った事を意味する。童話が重なり自身の物語を形として取り戻す。

それが『グリムウォー』。


「つまり俺の世界は既に壊れてて、その戦いとやらに参加すれば元に戻せるかもしれないって事か?」

「はい、望めば再生。見捨てれば崩壊

参加を望みさえすれば戦場に連れて行きます。どうしますか?」

「...やる、流石に家が無くなるのはごめんだからな。」


「わっかりました!

それでは、一名様ご案内〜!!」

「あ、ちょっ!」


奇妙な穴ぐらがゴーシュを連れて行く

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