朝のSHR

「えー、実は今日、翔太が転校する」

「「「「「え~」」」」」

「実はそうなんだ・・・って違うよぉ!?何勝手に転校させようとっ、と言うか皆ウェーブしないでぇ!?俺がいなくなって嬉しいの!?」

 皆が先生の冗談にノリ良く応え、右から左へと人の波を作っている。

「いやぁ~わりぃわりぃ、ついな」

「ついなっじゃありませんよ!教師がそういうのしちゃダメでしょ!?」

「ちょっと何言ってるのかよくわからない」

「なんで!?」

「まあまあ、落ち着けって翔太。転校先の学校はきっと良いやつらばかりだから」

「だから勝手に俺を転校させないでぇ!?」

「おい皆!悪ふざけが過ぎるぞ」

「いやあんたが始めたノリだろ!?」

「おい、翔太。先生に向かってタメ口とは、人としてなってないぞ」

「それはあんただよっ!!」

「やれやれ、仕方ないやつめ」

「じゃあ悪ノリやめてSHR始めるぞー」

「「「「「はーい」」」」」




 放課後

「おい翔太、野球しよーぜ」

「いやだ」

「おい相棒、ラーメン食いに行こーぜ」

「お前声似ててセンスあるな、黙れ」

「おい翔太───」

「はいはいわかったよ。もう言わなくてもどうせくだらない事でしょ」

「転校先の学校で何の部活やるか決めた?」

「ってまだそのネタ続くの!?」

「一緒に頑張ろうな」

「お前も来るの!?お前はいらねーよっ!と言うか転校しないしっ!」

「有馬くん」

「佐伯さん?どうかした?」

「転校先の学校ってどんな感じなの?」

「佐伯さんまで!?」

「有馬、友達できた?」

「今度は神﨑さん!?と言うかまだっ、じゃなくて転校しないってば!」

「「「「「有馬さっきからうるさい」」」」」

「えっ、ひどくねぇ!?」

「さっきからガミガミツッコミやがって。有馬は黙って」

「「「「「すしざんまい」」」」」

「いやなんで!?俺からツッコミとったら何が残ると思う!?」

「「「「「屁理屈と変態」」」」」

「いや、おかしーだろ!?屁理屈と変態じゃないし!」

「じゃあ」

「「「「「ブサイクと便座カバー」」」」」

「いやなんでやねん、と言うか皆で声揃えて言うのやめて!?打ち合わせでもしてるの!?」

「「「「「してない」」」」」

「いやそれもうしてるよねっ!?」

 ピンポンパンポーン

「えー、二年惨組有馬翔太くん、さっきからうるさいです。四階にあるあなたの教室から、一階にある校長室まで声が届いています。ツッコミを自重して下さい」

「・・・」

 ・・・うるせぇ校長。

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