異世界の生活に夢を見ていた

闇野ゆかい

第1話クリスマス

12月25日、クリスマス。

荒牧結仁(あらまきゆいと)は恋人の加納歌穂(かのうかほ)とデートをしていた。

時刻は5時30分。

街のライトアップを眺めながらそろそろケーキを買いに行こうと思い、歌穂に伝える。

「歌穂。ケーキ屋に行こうか」

「うん。行こう行こう」

15分歩いてケーキ屋に着いた。

木製の扉を開けて店内に入る。

苺のショートケーキを買って店内を出る。

先に出た歌穂が見当たらない。それに夜だった空が明るい。

太陽のひざしが俺の身体に注がれる。

馬車が横切っていく。

「ここはどこーーー!」

叫んでいた。

ここは異世界なのか、歌穂はどこにいった。もしかして、俺だけわけのわかんない世界に飛ばされたの。

クリスマスで歌穂と楽しく過ごすはずだったのにーー。

人々は俺のことを構わず暮らしている。

「チックショーがーー」

俺はまたもや叫んでいた。

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