第55話 ンギモチ"ィイイイイ!!!!



その後は風呂に入った。

由香は婆ちゃんの背中を流すと言って婆ちゃんと一緒に風呂に入っている。

先に風呂をいただいた僕はラインの女子会チャットにメッセージを打ち込んでいた。


前川「婆ちゃんの家。ご飯うまーいうまーい」

小林「あれ、由香ちゃんと一緒なんだよね?」

前川「うん。由香は婆ちゃんと風呂に行ってる」

稲川「お土産を期待している」

大津「どちらまで行かれたんですか?」

前川「〇〇県の△△市。すげー田舎だよ」

小島「うちの父の実家がその近くです。すごい田舎ですよね」

松木「お婆ちゃんの手料理って何か美味しそう」

前川「飯は最高に美味かった。駄菓子屋でみんなにヨーグルト買ったぞ。あれ美味しいか微妙だけど癖になる」

安藤「あ、それ好きかも」

前川「箱で買ったから。お楽しみに」

松木「いつ帰ってくるの?月曜日の学校は休み?」

稲川「明日帰るって由香ちゃん言ってたよ」

前川「明日帰る」

   :

   :

前川「あ、由香が戻ってきた」

宮原「お婆ちゃんとお風呂入ってきた」

小林「おかえりー」

安藤「おかえり」

   :

   :

稲川「田舎・温泉。いいな~。今度みんなで行こうか」

小林「いいね」

大津「またみんなで露天風呂に入りたいです」

前川「え、僕も?」

松木「何をいまさら」

安藤「一回も二回も変わらないんじゃない?」

小林「企画しましょう。遥が」

稲川「OKベイベー。私にまかせなさい」

   : 

   :


なんかまた露天風呂に行くことになりそうだ。

僕は期待MAX。煩悩MAX。




就寝。

僕は由香と布団を並べる。

電気を消して横になる。

由香はすぐに眠りについたようだ。

しょうがないな。

僕は転がって由香の布団に侵入した。

寝ている由香のおっぱいをしばらく堪能する。

やっぱりこれがないと眠れないな!

最高の睡眠には最高のおっぱい!

パジャマのボタンをはずして由香のおっぱいに顔をうずめて眠りについた。




翌朝。

目が覚めると由香がいなかった。

もう起きて朝食の準備をしているのだろうか。

ただ今の時刻は午前6時45分。

よし、僕はこのまま二度寝をしよう。


二度寝を堪能してると由香が起こしに来た。


「まーくん、朝だよ。ほら起きて」


これは幼馴染が起こしにくる典型的なパターン。

エロ本やAVだとこのまま絡み合うのだろう。

それもいいのではないかとぼんやり考える。


「ほら、さっさと起きて顔洗う」


かけていたタオルケットをはがされた。

なんかAVと違う。


「そこは優しいキスで起こすんじゃないのか」

「まーくんはいつから眠れぬ森の美女になったの?馬鹿なの?」


でも僕は知っている。文句を言いながらも頬っぺたにキスする由香を。

顔を洗って3人で朝御飯だ。

昨夜の晩御飯はあんなに豪華だった。今日の朝ごはんも豪華かもしれない。

食卓に並ぶ朝御飯を見た。……普通だった。

まぁ、とても美味しそうだからいいんじゃないかな。


「ほら、ご飯よそったよ」


由香に茶わんを渡されて頂きますをする。

今朝の朝食のラインナップは、ご飯・アジの開き・納豆・卵焼き・豆腐の味噌汁・ひじきの煮つけ・お新香である。

うんうん、旨そうだ。

最初に味噌汁を啜る。うーん、やっぱり美味しい。

納豆をかき混ぜる。

前にTVで200回かき混ぜるといいってやってた。

僕は一心不乱に納豆をかき混ぜる。

その間に由香が気を利かせ、アジの開きの身をほぐしてくれてた。

200回納豆をご飯の上にのせて食べる。

うむ、いつもの納豆より140%美味しい気がする。

アジの開きも美味い。卵焼きも美味い。ひじきの煮つけも美味い。

お新香はしば漬け。これは由香の皿にのせてあげた。

僕の分までたっぷり食べるがよい。

沢庵だったら由香の分も食べてやったのにな。


「ごちそうさまでした」


やっぱり婆ちゃんの朝ごはんは美味いな。

食後のお茶を飲みながらゆっくりとした時間を堪能した。

由香は婆ちゃんと洗い物をして、僕は畳の上でゴロゴロしながら時間をつぶす。

イグサが気持ちいい。


「気持ちいいなー、最高だー!」


あれ、ちょっと普通過ぎるな。

改めてもう一度。


「ンギモチ"ィイイイイ!!!!」




片付けや掃除が終わった由香が戻ってきた。


「帰るから荷物をまとめて」


由香に言われて僕は帰り支度をした。

快適な時間はあっという間に過ぎていく。

ダラダラした時間はあっという間に過ぎていく。

婆ちゃんも散歩がてら駅まで来てくれた。


「お婆様、健康第一ですからね。無理しないでください」

「婆ちゃん楽しかった。本当はもう一週間位いたかった。また遊びにくるから美味しいもの作ってね」

「2人ともありがとうね。とっても楽しかったよ。美味しいもの沢山作るからまた来なさいな」


電車に乗り込み、婆ちゃんに手を振る。

電車のドアが閉まる。

僕と由香は婆ちゃんが見えなくなるまで手を振った。




帰りの電車。車内は空いていた。まぁ、田舎の駅から乗り込む人は少ないしな。

4人のボックスシートに並んで座る。


「え、なんで向かい合わせじゃないの?」

「別に。ただ何となく」

「じゃぁ、イチャイチャしようか」

「好きにすれば」


由香の腕をとり体を寄せる。

イチャイチャ、イチャイチャ。


「イチャイチャ。イチャイチャ」

「そんな効果音を声に出さないでいいからね」


何、イチャイチャ効果音がお気に召さないか。

しょうがないな。


「ほら、由香にこれあげる」


僕は小さなポチ袋を由香に渡した。


「何これ」

「婆ちゃんに小遣いもらった。由香にも渡すようにって」


袋の中にはお小遣い。いっちまんえーん!いっちまんえーん!

これだけあれば新しいエロ本かDVDが買える。勿論、女体の学習用だ。


「無駄遣いしないようにね。あとでお婆様にお礼の言っておく」

「無駄遣いなんてしないよ。学習道具を購入するのさ」

「何の勉強するのかな?」

「女体」


うわっ。由香に頭を叩かれた。


「女体は十分勉強してるでしょ。もっと有意義なものに使いなさい」

「僕がいつ女体学習したと言うんだよ。それ以上に有意義なものなんてあるか?」

「ノートとか参考書とか」


お前は真面目か。


「考えておく」


どうせ僕が何を買ったかチェックするつもりなんだろう。

あ、ちょっと前に流行ったTEN〇Aとか購入してみたいかも。

雄介が詳しそうだから聞いてみようかな。

僕の楽しそうな顔をみて、


「絶対、変なこと考えてるでしょ」

「変なことじゃないな。時代の波に乗るんだよ。僕は男になるんだ」

「如何わしいお店に行くつもりなのかな」

「違う。店じゃない。事件がおきるのは僕の部屋だ」

「よくわからないけどダメだからね。まーくんが喜びそうな思い付きって、”くだらない”か”えっち”なことでしょ」

「ふん、男子高校生の性欲舐めるな。男は定期的に欲望を吐き出さないと病気になっちゃうんだ。僕は死にたくない」

「ええ、死んじゃうの?」

「雄介が言ってた。溜まりすぎると死ぬって」

「まーくんは本田君との付き合いを考えたほうがいいよ。どうしようもなくなったら私に言って。何とかしてあげるから。犯罪だけはダメ絶対」

「うん。溜まったら言うね。……ねぇ、溜まっちゃった」

「は!?」


由香に頭を叩かれた。

溜まったら言えって由香が言ったのに。僕はいつだって溜まりっぱなしだ。早く一人前の男になりたい。








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