第16話 おまけ 遙&真紀(5話時点)


~遙~


真尋くんと初めてお話したのは由香ちゃんの家。

クラスメイトが家に上がりこんでるのにビックリした。

 

クラスでの印象は静かで真面目な男の子。

そんな男の子が突然現れたんだから焦ったわ。


「ねえ、由香。前川くんと付き合ってるの?」


そう思うほど二人の仲は親しげだった。

幼馴染とかのレベルを超えている感じ。

だって由香が前川くんを見る目が優しすぎ。

もう、すべての悪意から私が守るって顔。。

あの由香がだよ!


私の知り合いでもこれほど美人な女の子はいない。

アイドルより可愛く、女優さんより可憐。

道を歩けばイケメンに告白される。

それが由香。

しかしモテモテの由香は、全く男に興味がないらしく告白は全振り。

 

ありえないでしょ。

クラスでは、前川くんと顔を合わせても何の反応もないんだもん。

由香に完全に騙されたわ。

 

彼は別にイケメンじゃない。

どちらかと言うと童顔ショタ系。

可愛らしい見た目でスカートが似合いそう。

 

あ、女装させたらもっと可愛くなるかも。

そんな男の子だ。

 

前川くんの部屋でエッチな本を見つけた時の反応。

あの慌てぶり。ちょーうける。

男子はエッチな本くらいみんな持ってるのは知ってる。

でもその本のタイトルは「幼馴染がおれの息子をおっきさせる件」だよ!

タイムリーすぎて真紀と大笑いしたわ。



そうそう、可愛い男の子がタイプの真紀が狙いそうな感じ。

真紀は可愛い顔して超肉食系だから。

中学のときもイケメンには目もくれず、女の子みたいな男子に入れあげてたからね。

私の予想だと絶対に触手を伸ばすと思う。

仲のいい由香の彼氏だったら諦めるかもしれないけど、付き合ってないって言ってたからね。


これは面白いことになってきた。

それに彼自身も裏のない性格みたいだから彼氏候補としては合格点。

ナルシスとかキモイし。

 

由香が気を許す人だから悪い人ではないのだろう。

今度、私から前川くんに声をかけてみようかな。

今は狙ってる男もいないし、仲のいい男友達は欲しいし。

家での前川くんは面白かったし。

優しくて私を大切にしてくれるタイプなら尚良し!

 

関係ないけど顔や体目当ての男とか死ねばいいし。

あ、私の体狙うってロリコン?ロリコンになるの?

残念ながら私にはおっぱがない。

かすかな膨らみのAカップなめるな!


 





~真紀~


高校生になって私は運命的な出会いをした。

同じクラス美少年がいた。 

とても可愛らしい。

私が守ってあげなきゃと思うほどに。


彼の名前は前川真尋くん。

クラスでの彼は静かで騒がない落ち着いた感じ。

受け答えも丁寧で真面目タイプだった。

 

彼が仲良くなった男子は軽薄そうな男子だった。

私の前川くんを汚したら……。あいつ殺す。 

そんなセリフが出るくらい可愛らしくて好き。


話しかけたい。でも強引な女って思われたらイヤ。

押し倒したい。押し倒して唇をペロペロしたい。

はしたない女と思われるかもしれない。

私は犯罪を犯す一歩手前。

心の中のもやもやと毎日戦っていた。


クソみたいな男共からの告白に辟易とする毎日。

そんな毎日をミントのような爽やかな笑顔で心を癒してくれる。

それが前川くん。


でもある時に状況が一変した。

仲のよかった由香ちゃんの家に行ったときの出来事。

そこに前川くんがいたのだ。

家の近所や道でなく、リビングで寛いでいる前川くんがいた。

一瞬パニックになった。なぜ!?


「由香ちゃんの家に遊びに来たの?いつの間に??」


思わず聞いてしまった。

そして初めて知った前川くんと由香の関係。

でも付き合っているわけじゃない。

これはチャンスかも。


ただ、由香は多分彼が好き。

いえ、狂おしいほど愛してるって感じかな。

私の目に狂いはない。

私のハンターアイが前川くんを見つめる由香を計測。

可愛い系男子にかけては、私はプロだから。

由香の優しげな表情からは、愛と情欲を感じるもの。


前川くんと話をするほど、彼の性格がわかってきた。

ずっと真面目でおとなしい子だと思っていたけど違う。

彼はバカっぽい。いえ、コミカルで話しやすい性格よ。


彼の部屋のエッチな本から幼馴染好きが発覚。

しかし巨乳DVDも持っていた。これはワンチャンある?

自慢のおっぱいで彼を虜にしてあげる。

仲のいい友達の由香でも譲れない。

チャンスがあれば誘惑しちゃおっと。

そういえば、貧乳の女の子のえっちな本もあったわ。

これって遙も恋愛対象?

 

負けられない戦いがある。

私は愛の戦士。

じっくりと焦らず攻略して彼をGET!するのだ。


 

 

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