第43話 ミツミの転職
恥辱のネネママ、ヴェルカママ呼びを忘れてしまえとばかりに、特性化を使って羞恥心の赴くままに多人数同時致しをしていたら、こっそり混じっていた来客1人が増えていても気付かずにやっちゃってた。
来客中、ダメ絶対、覚えた。
あと、誰にも見せられない職業が4つも増えていた。
ハーレムマスター
異性
淫魔
色魔
どれもこれも自分と異性だけで探索者の限界までチーム(一般的にはパーティー)の8人を揃えて、その全員と関係を持った、または一晩で致した場合に得られる職業だろう。
つまり一晩で7人同時になのだろう、それまでは6人同時までなら出てなかったのだから。
総職系男子に後から職業の能力を見る性能がなくて本当良かった。
見てたら自己嫌悪で押し潰されそうな能力ばっか出てきそうだからな。
△△▽▽◁▷◁▷
今日は14階の続きを早々に終わらせて15階へ。
ガチコイ、空飛ぶ鯉。
顔に向かって飛んできて噛み付くのか口を塞ぐのかをしようとするが、流石に顔への攻撃は防いでいるのでどちらか不明。
面頬付きの兜を着けるだけでかなり楽になるはずだ。
体の模様は様々だが個体能力差は感じられない。
ドロップアイテムは魚肉、なんの魚の肉なのかは不明だが魚型モンスターからのドロップアイテムだけに、毎回鑑定して寄生虫の有無を調べてしまうが仕方ないだろう。
飲食可能なドロップアイテムは最低でも倉庫から出す時には鑑定しているが、現状寄生虫、病気、腐敗、毒等の異常な食料は見た事がないので、心配のしすぎなのだろう。
「転職、しました」
蚊の鳴くような声で、ミツミが忍者になったと報告してきた。
能力には数多の能力を内包した忍術があるらしく、分身の術や代わり身の術、火遁水遁なんかの〇〇遁、体術、召喚術(使役化含むかは不明)等々、神様忍者好き過ぎだるおー! と巻き舌になってツッコミたいくらいに恵まれた職業だった。
欠点として少量ながらも魔力を消費または継続消費する術が多いので、直ぐに魔力切れになった床をゴロゴロと……今正に悶絶している最中だったりする。
「まったく、転職して嬉しいのは理解できるが、調子に乗ってはしゃぎ過ぎるからこうなるんだ。しかし大リーダーの方針は節約せずに魔力切れになって魔力量を増やせ、だ。お前も私達術師と同じ悶絶組みにようこそ」
ミツミはチームではゼオラによく懐いている。
大人しく落ち着いているが頼りがいのある姉属性のゼオラは、臆病な小動物系のミツミには相性が良かったのだろう。
レオーナではカリスマが強くて近寄り難い、アマルディアは強いけども誰かを精神的に守るには向いてない性格、ネネとヴェルカは包み込んでくれる安心感がチームのツートップで高いのだが、ミツミが1番懐いているはゼオラだったりする。
ゼオラに懐いた理由を考えながらこっちに向かって来た鯉を合掌で潰して消滅させる。
しかし大リーダーってのは初めて聞いたぞ?
チームの指揮はレオーナが取っててゼオラ、アマルディア、ヴェルカの順で彼女の相談相手に選ばれやすいから、実質サブリーダーが自分なのだが気付いてらっしゃらない?
でもまあ、魔力切れになったミツミを運ぶのはゼオラではなく俺の役目だったりする。
単純に身体能力と腕の数の違いだ。
俺なら1人当たり腕2本を持ち運びに使ったとしても、2人までなら同時に運んだままモンスターを殴れるし、それを楽々行えるだけの腕力と持久力があるからだ。
最悪片腕でいいなら6人までなら運べるし、服を咥えれば7人までいける。
全員を守りながら戦って、殲滅してから持って咥えてダンジョンワープすれば、誰も死ぬ事なくダンジョンから脱出できる。
戦闘中はダンジョンワープが使えないからな。
「なに、1日全力で戦い続けても魔力が残るようになればシバに運ばれる事もなくなる。だから何度も魔力切れになり魔力を増やすといい」
良い事言ってる風でいて鬼教官発言をしているゼオラ。
全く、一体全体誰に影響されたのやら。
ネネさんや、呆れた瞳でボクを見ないでくれませんかね。
△△▽▽◁▷◁▷
16階のモンスターの名前はドウドウで、見た目は普通の馬。
競走馬や農耕馬なんかの見分け方は知らないので不明。
こちらも色と模様で個性はあるが能力は没個性だ。
ドロップアイテムは
冗談みたいな名前とドロップアイテムだが、最初の突進から繰り出される前蹴りにも似た踏み付けが強力で、戦闘職業じゃない人間だったら一撃必殺の可能性まである。
その他跳び上がって踏み潰す等、足でしか攻撃してこないので、設置系の魔法で邪魔するだけでかなり楽に勝てるようになる。
「こいつら使役して村ダンジョン間の馬車馬にしようかとも思ったが、もっと上にもっと便利そうなのか居るんだよなー……うーむ、悩む」
「それはどの様なモンスターなのだ?」
「50階のオストリッチーっていう走るのに適した形の大きな鳥の全身骨格でな、光以外の7属性の魔法を使う。これが最大10体で組んで来るから攻撃魔法が雨あられと降ってきて、まあそこそこ大変だったよ」
レオーナの問に答えたら全員固まっていた。
「シバさん、それってこの前の訓練生の育成期間に1人でダンジョンに入ってた時の事ですよね? どうやったら1人で最上階の50階まで行けて、そんな相手を倒して帰ってこれるんですか?」
「んー、じゃあ実際に見せた方が速いか」
チームから数十メートル離れて彼女達に向かって立てば準備完了だ、あとは。
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ」
少し離れた位置に出現させた光属性以外の攻撃魔法を豪雨の様に自分に向けて放ち、6腕を振るい降り注ぐ魔法以上の数の拳を一撃で魔法が破壊できる強さで繰り出していく。
ボム系の爆風は範囲攻撃だから多少弱くなるのでかなり余裕で耐えられるし、ショットとランスは拳で破壊できるからこそ可能な戦闘方法だったりする。
「オゥーラッ!!」
「無茶苦茶、でも納得」
最後の1発を放ってから気分良くメンバーの下に帰る。
しかしアマルディアよ、そう言ってくれるな、男に生まれたからには1度はオラオラしてみたくなるのは当然なんだからさ。
無駄無駄でも可、そしてできる事なら時を止めたい。
「話しはズレたが、そのオストリッチーなら血肉がないから怪我にも強く魔法も使った自衛もできるから、馬車……大型荷車を引かせるのにピッタリだと思ったんだよ」
しかし俺の提案に賛同者は現れなかった。
いつの時代も先進的革新的な意見は、最初見向きもされないものだ。
やはり見た目の問題なのか?
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