やおよろず ~車~

猫屋 こね

  また会えるよね・・・

 僕は車のカー君です。


 僕には家族がいます。


 お父さん、お母さん、お兄ちゃん、お姉ちゃん。


 僕の大好きな家族。


 楽しかったな。


 お父さんの運転で色々な所に行ったね。


 お母さんは僕にガソリンを飲ませてくれたり、体をキレイにしてくれた。


 お兄ちゃんとお姉ちゃんは僕の中で楽しそうに笑ったり、気持ち良さそうに寝ちゃったりしてたね。


 僕は幸せ者だよ。


 僕の大好きな家族。


 でも・・・


 もう僕は動けない。


 壊れちゃったんだ。


 みんなを乗せて、どこにもいけない。


 寂しいね。


 悲しいね。


 お父さんとお母さんは、凄く悩みながら新しい車を買うかどうかの話をしている。


 もっとみんなと一緒にいたかったな。


 もっとみんなに頼りにされたかったな。


 でも・・・僕はもう、ここにはいられないんだよね。


 わかってる。


 不満はないよ。


 もちろん文句もない。


 僕は幸せだった。


 十分だよ。


 ありがとう。


 お別れの時、みんな僕の為に泣いてくれて・・・


 大事にしてくれてありがとう。


 きっとまたいつか・・・


 生まれ変わっても・・・


 僕はまたこの家族の一員になりたい。


 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

やおよろず ~車~ 猫屋 こね @54-25-81

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ