第18話 魔の寝台
はぁー……疲れた。
脱いで椅子に掛けておいたコートにハンガーに掛けてベッドに寝転ぶ。
もうお腹も空いてないし、このまま―――
ガキンッ!!
「……フフ。ただいまぁ、時雨ちゃん。随分と元気な挨拶ね。リエルはどうしたの?」
フードを深く被り、馬乗りになって大きなナイフを両手に持って突き立ててくるが片手に持った護身用の拳銃で軽々と防げる。
……嗚呼、成程。
「時雨ちゃん、意識あるのかな?」
返事はない。
ふーん、成程。
「大丈夫。今、洗脳解いてあげるね。」
拳銃諸共ナイフを吹き飛ばし、両手で弄ぶように、愛撫するように、入り込むように頬や顎、額を撫で脇に手を入れて腕の中へ引き摺り込む。抵抗とも言えない抵抗のお陰か簡単に懐に引き摺り込めたのでそのまま抱き枕にして布団を肩まで被り、優しく頭と背中を撫でる。
「一緒にこのまま寝ちゃおっか、時雨ちゃん。」
意識が戻ったのか引き攣った、震えた呼吸音がするが気にせず優しく抱いて頭と背を撫で続ける。
「こう、げ……ち、ちが、そ、そんな、い、ひっ、」
「怖がらないで、大丈夫。何処かの愚か者が洗脳した事は分かってる。だから大丈夫よ。……それよりも、」
ぎゅっとさっきより強めに抱き込めば体が大きくビクリとする。
「全部私達の腕の中で眠りなさい。ほら。」
怯えたまま、静かに消え入るように眠った時雨ちゃんを優しく撫でる。
さて……と。
「明日はその愚か者を吊るし上げて思いつく限り残酷な方法で殺さなければ。」
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