魂まで凍れへの応援コメント
遅ればせながら読ませていただきました。
明記しない表現がとても優れていると感じました。寒さを苦にせず、大杉のてっぺんに立って凍てつく息を吐く美冬。彼女が暮らす家には生活感がなく、どこか超然としています。ランプが照らす室内、わざわざ東京から取り寄せたゴム長……。何となく時代が古そうです。
物語の背景を感覚的に捉えられる分だけ想像力が膨らみます。ふわっとしていながら物語の核がしっかりしているためでしょうか。
美冬が秋人への殺意を露わにするラストシーンは圧巻でした。
ところで、美冬は人間と同じ歳の取り方をするのでしょうか? 何故か私には、妖怪の類は歳を取らないor取るのが遅い、というイメージがあるので、何となしに子供秋人と大人美冬が出会う情景を想像していたのですが、それだと美冬が秋人に恋をしたというのがしっくり来ず……。やはり子供同士の出会いだったのでしょうか。
素敵な物語をありがとうございました。
作者からの返信
丁寧なコメントありがとうございます。
極力直接の描写を避けた点を汲んで頂いて嬉しいです。
時代としては明治末期の設定です。遅くとも戦前まででしょうか。
美冬は人ならざる者ゆえ、容姿は変わっているとお考え下さい。大人として出会い、子供として村にやってきて、少しずつ年を取る様子を見せながら、秋人を見守っていたということです。
この辺りはきちんと分かるように描写すべきでした。
編集済
魂まで凍れへの応援コメント
おはようございます。
更新の古い順から周回してまして、やっとここまで来れました。
まず最初に
「陋屋」はフリガナが欲しいです。
残念なことに、私はこの単語を知りませんでした。
「ただし、晩春から早春までの期間に限られる。」
これは冬の間はダメ。春から秋なら良い。ですよね。
「晩春から早秋」かな?
言葉的には「早春から晩秋」の方がしっくりします。
尋常小学校って戦前でしたっけ?
「わざわざ東京から取り寄せたゴム長を履いている。」
まさか、英国製のウェリントンブーツですか??
19世紀から製造され、両世界大戦でも大活躍したという名品でございます。
日本のメーカーも戦前にはゴム長靴の生産をしていたようですが、画像は見当たらなかった。大量生産されたのは戦後のようです。
こんなところでも時代を感じさせてくれます。
結末は大体わかるんですけど、はっきりと書かないんですね。
秋人が凍り付いていく描写とか期待してたんですけど……。
序盤の寒さを表す描写や時代背景を示す小物など等、短い中で違和感なく放り込んであるのが素晴らしかったです。
作者からの返信
いらっしゃいませ。
コメントありがとうございます。
数が多いと読むの大変ですよね。
途中更新が入ったりするとどれまで読んだのか混乱します。
「ただし、晩春から早春までの期間に限られる。」
とんでもないミスを発見頂きありがとうございます。シンプルに春から秋までといたしました。
時期的には明治末期をイメージしています。
日本陸軍でも将官クラスは所有していたということでゴム長を登場させました。
魂まで凍れへの応援コメント
へもんさん、こんにちは。遅ればせながらの薮坂です。
いやー、雪女との禁断の恋ですか!
ともすれば冷たく感じるこの筆致、物語に絶妙にマッチしてとても成功していると感じました。
愛する女性になら、殺されてもいい……という究極の愛。それを感じましたね。私も、可愛い雪女になら氷漬けにされてもいい! と思ってる人間ですので、こういうお話は大好物でもあります。
愛の形ってそれぞれですけど、二人が納得できたらいいですよね。うん、いい!
冷たくて素晴らしい、キレのあるお話でした!
作者からの返信
いらっしゃいませ。
まあ、美冬はガチで殺りに来てるんですけど、秋人はそうでもないんです。
実は双方すれ違ってて。
と、書かなきゃいけない時点でうまく表現できてない……。
忙しいのにコメントありがとうございます。
魂まで凍れへの応援コメント
企画から拝読しました。
なるほど、美冬は雪女だったと……。所々にあった引っかかる表現は伏線だったんですね。
秋人は読んでいる限り、無事に戻ってくるつもりに見えますが、美冬は「秋人。苦しまないように逝かせてあげるから。だって、それがあなたの望みなんでしょう?」と言っている。
互いの思いがすれ違っているということですよね……。切ないです。
雪の描写がとても良く、特に最初の表現は引き込まれました。
作者からの返信
コメントありがとうございます。
そうなんです。
それぞれ、もう少しだけ胸の内を出せば、また違った展開になったと思います。
まあ美冬は人とは思考法が違うのでどうなったか分かりませんが。
時代的に男はあまりしゃべらないものだというのもあるかもしれません。
魂まで凍れへの応援コメント
静かで淡々とした文章の影に美冬の後悔や切なさがまじっているなぁ、と思いました。
へもん様の作品の私が読んだ中で一番、我慢とか諦めてる方かなとも思いました。長年生きている雰囲気が出ていていいです。
美冬と村人との距離感がどの程度だったのかの描写がもう少しほしかったかな、とは思いました。美冬から秋人への関係に特別な意味が感じ取りにくいと感じました。
最後は十分にじみ出ていたので、間にもう少しほしかったな、と思ったしだいです。それが狙いならすみません、聞き流してください。
文章お借りします。
>だって、それがあなたの望みなんでしょう?
→この互いに独りよがりな感じ、好きですねぇ。
細かいですが、失礼します。
>今までに真冬に大杉峠に上って生きて帰って来た者はほぼいない。
→最初に「に」が続きすぎて読みにくいので、少し整理していただけたら、と思いました。
失礼しました。
作者からの返信
おっしゃる通り、こんな諦観漂う話を書いたのは初めてだと思います。
村人と美冬の関係は省略しました。
痛いところを突かれますね。実際、田舎の村で女の子の一人暮らしは不自然極まりないんですが、そこを丁寧に説明すると長くなりすぎて焦点がぼやけるのでカットした次第です。
お互いに自分の気持ちを吐露してればこうはならないのに……。
「に」はくどいですね。修正します。
ありがとうございました。
魂まで凍れへの応援コメント
拝読させて頂きました。
静かで抑揚を抑えた描写で進む、銀世界の近代伝奇ものということで、人ならざるものとしての美冬の不思議な立ち位置が印象的でした。
文学性を意識された静謐な筆致で、個々の言葉の選び方や描写はとても素敵に感じたのですが、
一方で、全体の連なりとして文章を見た時リズムの取りづらさや不揃いさを少し感じてしまって、そこがもったいないように思えました。
せっかくこれほどきれいな表現を書かれようとされているので、
語り手の人称(視点)と語調をしっかり据えて文語・口語や語句の硬軟を意識的に揃えたり使い分けたりする、ですとか、
細部のところの語尾や文節の区切り、句読点などをほんの少し整えるだけで、言葉の流れや通り、強弱がさらにさらに良くなる気がしました。
(ただ、当然人や作品によってしっくりくるリズムは違うと思いますし、非常に感覚的・抽象的なことなので「何を言ってるんだ」と思われましたらお気に留めずスルーして下さい。
私自身もその辺きちんとできているかと言われると怪しいので、、)
素敵な物語をありがとうございました。
作者からの返信
コメントありがとうございます。
正直なところ、これが私の精一杯で、ご指摘の趣旨は理解できていると思うのですが、実際に自分の文章をどうすればいいかを考え始めて途方に暮れています。
あ、でも、着眼点は非常に参考になりました。
そういう意識で見直しをするようにしたいと思います。
自分じゃ気づけないことなので、非常に助かります。
まさに筆致企画ならでのは醍醐味だと思います。
魂まで凍れへの応援コメント
なんとなんと!!
なにかありそう……と思いながら読みましたが、そうでしたか。
ラストの切り方もいいですね。スパっとして余韻があって。このあとどうなるのか想像したくなります。
かっちりした筆致や描写が作品とあっていて、寒さや古い時代がかった雰囲気などが伝わってきました。
ただ私は最後まで雪女とは気づかなかった……(皆さん鋭いですね!)
人間じゃないんだー、神さまかな、とか思って。
作者からの返信
この物語の後は敢えて描きませんでした。
順当にいけば氷漬けでしょうけれども、秋人の熱が美冬の心を溶かすかもしれません。
とりあえず、寒さを感じて頂けたようでなによりです。
神様も雪女も人ならざるという意味では紙一重だと思ってます。
特に日の本の神様は結構ヤバいですからね。人から見ると理不尽なことも多々あります。なので竹神さまの想像も正解です。
魂まで凍れへの応援コメント
情景描写が秀逸ですね。
とても綺麗に描かれていると思います。ストーリーもいいのですが、秋人の心情に少し疑問が浮かびました。
あくまで私の感想なのですが、秋人はなぜ大杉峠へ行ったのかなぁ、と。
「大杉峠に上って生還してみせる」とある事から、死ぬつもりはなかったと思われます。
「戻ったら……」なんて死亡フラグも立てちゃったりしてますからね。しかし、話すな戻るなと約束をした訳です。
それが、美冬のラストの台詞に繋がらないかなぁなんて思いました。秋人は死を望んでいたのでしょうか? その辺を意図して曖昧にされているかもしれないのですが。
あくまで私の感想なので気にしないでくださいね。
素敵な物語をありがとうございました!
作者からの返信
ありがとうございます。
秋人がなぜこのような行動に及んだのかは見えにくいですよね。
美冬よりの視点で書いているので、書けませんでした。私の力不足です。
もちろん死ぬ気はないです。
その辺りはBパートとして別企画にあげてあったりします(ダイマ)。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054898017961/episodes/1177354054898385077
秋人の想いをきちんと口にしていれば、また美冬の行動も変わったのかもしれません。
魂まで凍れへの応援コメント
描写の話からになりますが、一行目と二行目。雪の描写と世界の描写がとても素敵でした。
ちょっと言葉が雑ですが、「あ! これは真面目に腰を据えて読むべきやつだ!」と普段は読みながら聞く音楽を消して臨みました。
寒さが苦にならない描写に、人間かどうか微妙さを感じながらも、どこか決定打にかけるな、と隅々まで確認したくなる書き方が勉強になりました。
彼女は分類としては雪女、になるのでしょうか。
かなり悲しい恋物語ですね……。
作者からの返信
BGMを消して読んでいただき恐縮です。
匂わせる程度にしつつ、ある程度はヒントを残す匙加減が難しかったです。
方向感は違いますが、読者にすべてを開示しないで話が進むという点ではchauchau様と同じだったと思います。
そうですね。一般的には雪女になるのでしょうね。
魂まで凍れへの応援コメント
こんばんは。企画からやってきました。
この重厚な感じ、好きです。途中から美冬は雪女なのでは……
と危ぶみ危ぶみ……。気温の低さは気にならなかった、とか所々の伏線も効いているなぁ、と。
この後の秋人の顛末が見たいような見たくないような、です。
表現で言うと特に「部屋の隅に置いてある火鉢では灰がすっかり冷たくなっていた。」
これがその部屋の静寂も思わせるようで、個人的に好きです。
各段落の分量もほぼ均等になっているので、淡々とした全体の調子を増していると思いました。短いのにすっきり纏まるのは流石です。
作者からの返信
コメントありがとうございます。
今回は正面切って、ゆあん様の重いお題に取り組んでみました。
いつもはかるーい感じで書いているので自分でも新鮮です。
奇をてらうネタが思いつかなかったというのもありますが。
無音を表現したかったというのが伝わったようで嬉しいです。
魂まで凍れへの応援コメント
拝読させていただきました。
ほとんど地の文のみで構成されており、少し読みづらいかな? と思ったのも束の間でした。
淡々とした文章が、美冬の人間とは異なる感情の機微を表しているように感じられました。
秋人は、美冬の正体を忘れてしまっているのでしょうか?
美冬の 人との恋は実らない という諦めにも似た感情は、雪女たる美冬の悲しみなのかな、と思いました。
作者からの返信
地の文が多くなるのは悪い癖です。
どうしても長々と書き連ねてしましいます。
秋人はどうなんでしょうね。
美冬も姿形は変えているでしょうし、ひょっとしたらと思いながらというところでしょうか。
お読みいただきありがとうございます。
魂まで凍れへの応援コメント
おお、雪女ですか!
これは素晴らしいじゃないですか!
緊迫感のあるフレーズで淡々と進む語り、最後のタネ明かしの部分、美冬の決意、いやあ、これはお上手です。
一つだけ、文中に東京、ストーブ、小学校というワードが出てきて時代が戦後に限定されてしまうのが少し惜しいです。もう少し時代はぼかした方が伝奇もの感出ていいのではないかと。私は江戸時代後半ぐらいのイメージが似合いそうだと思います。
それと江戸川ばた散歩さんおっしゃる通り、塔の沢だと箱根の連想が強く出すぎちゃいますよね。
それはともかく、大変良かったと思います!
作者からの返信
一応、私がイメージしたのは明治時代だったんですが、戦後感が出ちゃいましたか。小学校は尋常小学校と書くべきでしたね。
ストーブはゴム長靴が珍しい場所だとまだ無いですね。ここも他のブツに変えます。
塔の沢が意外と有名すぎる問題が出てきたので、ここも変えてみようと思います。
ありがとうございました。
魂まで凍れへの応援コメント
コメント失礼します!
序盤から文章の端々に潜んだ違和感が、美冬の”人外”である存在感を匂わせ、終盤の切ない雰囲気へと自然につなげていく流れが素晴らしいです。
三千文字足らずの短い文章で見事な構成!
とても良い作品でした!
作者からの返信
少しずつ違和感を感じて頂けたなら何よりです。
お褒め頂き恥ずかしいやら、嬉しいやら。
コメントありがとうございました。