胸を刺されるこの痛み
好きだった
可愛くて悲しい時は寄り添ってくれて
暖かくて
自慢だった
可愛くてどの子よりも顔が綺麗で
嫌いだった
よく吠え噛むし猫の方が好きだから
家族で1番可愛がられていたから
ここ最近はいつも苦しそうだったから
愛犬が死んだ
美しい最期では無かった
目を大きく見開いて
白く吐いた跡があった
私は何故か泣いていた
嫌いと心で言いながら泣いていた
鼻炎が悪化するくらい泣いていた
数日前から死期が近いの分かっていたのに
呼吸する音を聞いて覚悟してたのに
糸を切るように
突然
知らないうちに
肉体は冷たくなっていた。
覚悟はしていたと言いながら
結局私は覚悟なんて出来ていなかった
こんなにも息が苦しくて
胸に沢山の哀しみの弾痕が残って
目の奥が玉ねぎのようにツンとして
こんなに悲しいとは思わなかった
結局最後にぬいぐるみのような姿を見て
犬はとうとう小柄な壺になって帰ってきた。
訃報を聞いて届いた供花
生前の犬の笑顔のように咲いている
横には備えても二度と減らない
生前食べられなかったお菓子が置いてある
今日も家に帰って来たけれど
もうあのうるさいほどの鳴き声は聞こえない
あとがき
この詩を書く時も何故か涙が溢れ出る。私は犬を愛していたのか、よい飼い主だったか、アレから少し経った今でも考えている。
ペットロスにはなってないものの、胸の痛さと一抹の寂しさと虚しさが残っている。
(犬は私のことをそんなに好きでは無かったと思うが……)
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