第3話 涙

泣くってのは


思ったよりも体力のいることだ


泣くことで


気持ちがスッキリするんだけど


泣く体力がなければ


何かが澱んだまま


溜まっていく気がする


何処に溜まるのか?


心?身体?


よく分かんない


でも


それは


自分を内から


攻撃する


少しずつ


休むことなく


攻撃する


他の人がその攻撃に


気がついた時は


もう遅い


それはもう


私の一部に


なっている


誰かが溜まったものを


捨ててくれるかもしれない


そんなことに期待しても


上手くいくなんて


言えない


だって、自分の身体って


自分しか分からない


だから


私が私を


治してあげる


スマホは


治せないけど


破れた服は


治せないけど


私が溜めたものは


私が捨てる


食べて


寝て


叫ぼう


苦しいって


辛いって


泣こう


大声出して


身体中から


何かを出すように


私が見たいのは


洗面所の鏡で


私が見たいのは


私の笑顔だ

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