第248話 私も行く!
勝手に転生して勝手について来たルイスに溺愛されてカレンはすくすくと成長している。
狩りから戻ったモニカ狼とフェンリルのヨルが神様と一緒に地球のルイスを見ている。
「ルイス君たら、すっかりアメリカ人になりきっているねえ。アメリカのプロレスラーみたいな食事だよ」
ルイスはアメリカ人らしく毎日ステーキやバーベキューの肉ばかり食べており、今も画面の向こうで大きなステーキを自分で焼いて平らげたところだ。
「いいな…地球のお肉」
モニカ狼がボソリと呟いた。
映像のルイスが使用済みの食器を食器洗い機に入れてスイッチを入れる。
「さて、カレンはまだ眠っているかな?」
いそいそと子供部屋へ向かうルイスはデレ顔で子供部屋に入り、そっとベビーベッドをのぞくとカレンがすやすやと眠っていた。
モニカ狼が身を乗り出して映像をのぞくと眠る赤ちゃんカレンが見えた。
「パパ!ヨル!見て、カレンよ!」
モニカ狼の耳がピコンと立ち上がった。
「ルイス君の娘になっただけあってルイス君にもモニカちゃんにも似ているね。モニカちゃんが産まれたばかりの頃を思い出すよ」
「ああ、可愛いな」
神様もヨルもニコニコだ。
「本当?私にも似てる?」
「そりゃあモニカちゃんの姪っ子になる訳だからね」
モニカ狼の尻尾がすごい勢いで回り始めた。
「パパ!私も行くわ」
「モニカちゃん?」
「ルイスの娘で私の姪っ子よ!私もカレンのお世話をするわ」
「でもモニカちゃんはヨルと結婚したばかりだろう?」
いきなり単身赴任はちょっと…という理由でモニカを止める神様。幼馴染のヨルは一緒に狩りに出掛けた時、鉄の森でモニカの前に山ほど肉を積み上げてプロポーズしたのだ。
「俺も一緒に行くぜ」
「ヨル…」
「モニカの姪っ子なら俺にとっても姪っ子だからな」
「ありがとうヨル」
モニカ狼とヨルの間で良い感じに話がついてしまった。こうなったらモニカはもう神様の話を聞いてくれないだろう。こういうところは小さな我儘モニちゃんのままだ。
ヨルを理由に引き止めたかったのに…と、ため息をつく神様だった。
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