第155話 カツカレーはあっさりじゃない!
「カルボナーラとグラタンを食いたい」
トラカイ村でカルボナーラとグラタンの話を聞いたルイスの食欲に火がついた。ルイスはクリーム系が好きだけど私たちには重たい献立だ。でもこうなったルイスは引かないだろう。
「カルボナーラとグラタンも作るけど、他にも違う味付けのものを作ろうよ」
「僕もあっさりしたものを一緒に食べたいな」
ウィルコと私はあっさりを主張する。
「カツカレーはどうかしら?」
モニカの意見は論外だ。
「豚肉と白菜のミルフィーユ鍋はどう?」
「いいね!」
「モニカにはカレーブルストも作るよ」
「あれは美味しいわよね!」
カルボナーラとグラタンはルイスとモニカに任せて私とウィルコはミルフィーユ鍋だ。
白菜を1枚ずつはがしたら豚肉と交互に重ねて5cm幅に切ったら鍋に沿って敷き詰める。味付けはかつおだし、酒、醤油、ごま油、おろしにんにく、おろししょうが。
白菜が無くなるまで続けたら土鍋5つ分になった。今日食べない分はアイテムボックスに入れておけば、いつでも準備無しで食べられる。
「あとはテーブルで仕上げようよ」
「コンロを出すね」
アイテムボックスから卓上コンロを出して土鍋をおく。
「食べる直前に火にかけよう、カリーブルストを作っちゃおう」
インターネット通販でドイツから大きなブラートヴルストを買った。これならモニカも喜んでくれるだろう。ブラートヴルストを焼いてケチャップをかけてカレー粉をまぶして完成、簡単だ。
「カルボナーラとグラタンが出来たわよ」
ちょうどルイスとモニカの方も出来上がったようだ。
「じゃあご飯にしよう!」
テーブルにミルフィーユ鍋とカルボナーラとグラタンとカレーブルストが並ぶ。野菜が圧倒的に足りない…ミルフィーユ鍋を多めに食べよう。
「カレン、冷めないうちに食え」
「ありがと」
ルイスがみんなに取り分けてくれた。野菜不足にならないように決意したのに、実に美味しそうに盛り付けてくれる。
まずはカルボナーラかな!くるくるっとフォークに巻いて、いただきまーす!
── 美味しい…ルイスのカルボナーラはお店で食べるみたいに美味しい…。プロの調理動画をいくつも観て1番美味しい調理法を探したって言ってただけのことはあるよ。
「ルイスのカルボナーラ美味しいー!」
「そうか!たくさん食えよ」
「グラタンも美味しいよ、カレン」
ウィルコおすすめのグラタンも一口…こっちも美味しいー!
「グラタンも美味しいね」
「姉ちゃんと一緒に研究したからな!」
「ルイスが気にいるレシピが見つかって良かったわ」
モニカ狼とルイス狼の仲良し姉弟が寄り添って動画を観てる様子は可愛いんだよね。あんなに可愛い姿を見せてくれた上に、こんなに美味しいものを食べられるなんて幸せだなあ。
「お鍋も煮えて来たよ」
ウィルコがミルフィーユ鍋を取り分けてくれた。これも美味しい、野菜が身体に染み渡る。
「これも美味いな!」
「グラタンと交互に食べるとリセットされて永久に食べ続けられそうね!」
うん美味しいよね、ミルフィーユ鍋。
「カリーブルストは相変わらず美味しいわ」
「大きなソーセージだな!」
食べごたえがあるサイズにルイスとモニカが大喜びだ。
思ったよりミルフィーユ鍋がルイスとモニカに好評で良かった。まだアイテムボックスに鍋ごと入っているからまた食べようね。
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