第139話 クリスマスのメニュー

 ウィルコの世界にキリスト教は関係ないけどクリスマスだ。


「ウィルコ、クリスマスの料理はどうする?」

「調べているんだけど、いろいろあって迷っちゃうね」


 ディナーのメニュー決めはクリスマスを楽しみにしているウィルコに任せているけど決めかねているようだ。


「クリスマスだからローストビーフとローストチキンは絶対でしょう?マッケンチーズも食べたいし、ちょっと豪華にフォアグラとキャビアとロブスター、牡蠣も食べたいな」


「気になってるものは全部作ろうよ」


「いいの!?」

ウィルコの顔が驚きと喜びに包まれる。


「だってクリスマスだもん」

「うん!そうだねクリスマスだものねえ」


 多めに作って時間経過無しのアイテムボックスに入れておけば後で食べられるから楽できるしね!


 肉料理はローストビーフとローストチキン、これは普段から作っているから大丈夫。


 今回初めて作るのは、スウェーデンのユールシンカという豚の尻⾁を使った料理でマスタードと卵のマリネ液を肉に塗ってオーブンで焼いたもの。これもオーブン任せだから楽だな。


 イギリス風のチポラタは絶対作ろう。チポラタという小さなソーセージにベーコンを巻きつけて焼いたもので普通にお弁当に入っていそうだけどイギリスのクリスマスディナーにはつきものだから。


 南アフリカのブラーイはクリスマスランチでで食べるバーベキュー。ターキーやラムチョップを焼こう。違う種類のお肉も欲しいものね。


 炭水化物好きなウィルコにはイタリアのカンネッローニとトルテッリーニ。スウェーデン風にヤンソンさんの誘惑も作ろう。ポテトとアンチョビのグラタンでこれもオーブン任せだ。


 私のためにマリスカーダは絶対ね!スペイン風のクリスマス料理で茹でた海老や魚介の盛り合わせ。

 ハンガリーのハラースレーっていうスープも食べてみたいな。パプリカパウダーと唐辛子を使った真っ赤なスープってクリスマスっぽいよね、赤くて。


 あとは付け合わせの野菜にサラダとカリフラワーチーズとクリームドスピナッチ。


「こんなものかな?」

「いいね!」

「肉料理はオーブン任せだから、手をかけて作るのはトルテッリーニとカンネッローニと赤いスープのハラースレーくらいかな。ウィルコが楽しみにしているスイーツはインターネット通販や出前で取り寄せようよ」

「思ったより楽そうだね!」


うん。だから感謝祭の時みたいに朝の5時に起こすのはやめてねとお願いした。

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