第10話 転機
大学3年生になってすぐ、私にも歳上の彼氏が出来ます。出会いはありきたりなので省きますが、とても穏やかな人です。
同時期にゼミが始まり新しくゼミ長に就任することになりました。この時とても悩みました。同期のみんなはなかなか忙しくて出来ないし、私もソロ活に精を出していたので時間はそこまでありませんでしたが、誰もやらないとなると教授も先輩方も困ります。それに、私は頼まれると断れない質なのを知ってかゼミ長やってくれ、という流れに。
高校時代、言われた言葉を何度も思い出しては、また同じことの繰り返しになるのでは?とかなり後ろ向きな考えをしていました。この時、悩み過ぎて胃潰瘍になりました。
とても苦しかったので、思い切ってその気持ちを彼氏にだけ打ち明けることしました。
「人の為じゃなくて、自分の為になるから挑戦してみなよ!鞠和は、落ち着いてやれば何でも出来るんだから。」
「自分の為」という言葉にハッとしました。今まで「人の為」にやっていたから辛いんだ、苦しいんだと気付いたのです!
しかも、そこにいる方全員を対象とした「人の為」だったので全方位に気を遣っていました。でも、「自分の為」だったら頑張れそうだと思いました。
「落ち着いてやれば何でも出来る」という一言にもとても励まされました。何も出来ないと思っていた私にとって「何でも出来る」という言葉は、新鮮でした。この言葉に負担を感じてしまわれる方もいらっしゃると思います。あくまでも私にとってはですが、とても嬉しい言葉でした。
HSPの方の中には、ひとつのことだけに集中して何かに取り組むのを好む人が多いのではないでしょうか?私もその1人です。
周りは1片にこなせる人のことを仕事が出来る・要領がいいと言うかもしれません。それも1つの才能です。
でも、1つのことを完璧にこなせるのも1つの才能ということを忘れないで欲しいと思います。だって、学者さんや伝統工芸師さんは、1つのことをとことん極めた結果、世に必要なモノやコトを生み出しているんですから!
沢山の方がいて、沢山の仕事があります。自分自身が仕事が出来ないのではなく、出来る仕事を選べてないだけかもしれません。
結局は、ご飯を自分の力で食べられれば良いんだと思います。
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