第150話 新婚旅行

「じゃあその・・・特に目的が無いのなら、新婚旅行はどう?」



エウラリアが提案してくれる。


「お姉様、どういう事です?」


「あのねデイフィリア、ルドメロは何がしたいか分からないのよ。だからね、色々な場所を旅して、色々なものを見て、感じて、別にそこで何をするというのじゃないけど、何かのきっかけになるんじゃないかって、ふと思ったのよ。」


僕はエウラリアを見た。

エウラリアが言わんとする事は何となくわかる。


そうだな・・・・異世界に転生してから、あまり色々な所に出かけたとは言い難いから。


この機会に旅もいいものだな。


「よし、じゃあ旅に行こう!」


「新婚旅行よ?」


「そうだね・・・じゃあ5人で行くかい?」


「「「「はい!」」」」


こうして、何処へ行くとも決めないまま、新婚旅行へ行く事となった・・・・何処へ行こう?


・・・・

・・・

・・


「何処へ行く?行きたい?」


聞いてみるけど、皆別に行きたい所はないようだ。


そう思っているとローサが、


「もし行く当てがないのなら、エルフの住んでいる所に、つまりは私とエメリナの住んでいた所に行ってみませんか?」


・・・・あ、そうだね・・・・彼女達の親が生きていれば、あいさつしないとだし・・・・


「そうだな、そうしようか、じゃあエメリナにローサ、案内頼むよ?」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


エルフの住む森


「ここからは、エルフがいないと人は入れませんから、私達から離れないで下さい。」


何故なのかな?


何か方向を狂わすとか、認識疎外とか、そう言った呪が仕込んであるのかな?


2人に案内されて歩く事数時間、同じような風景と言うか森?をひたすら歩く。


迷ってないよね?


「流石に未だかい?時間がかかりすぎている気がするけど?」


「ええ・・・・その・・・・変なのです本当ならもう到着しているはずなのですが・・・・」


何やら嫌な予感しかしないけど、どうしたのかな?



「おいローサ、これ、此処だ、見て見ろ!」


エメリナが何かを見つけたようだ。


見ても分からないな・・・・


「ええとですね・・・・沢山の人の通った形跡があります。森の中心から、外へ、です。しかもそれなりに時間が経っている感じです・・・・恐らく里には誰もいないでしょう・・・・」


「何があったんだ?エルフは大勢で移動なんてしないからな!」


そうなのか・・・・じゃあどういう事?


「形跡が古くて、エルフが通ったのかどうかも分からないです。」


人間がここを通ったという事?

その目的は?

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